探偵ノート

第24号-好奇心

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テーマ:好奇心

Interviewer: Gaurav Jain

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新内演奏会2

Gaurav: 忙しい照明デザイナーの仕事の他に、書く、歌う、茶道、ダイビング、スキー、ゴルフなど、沢山の事をこなす。どうやってこれらをこなしているんですか?こんなに幅広い趣味を持っているデザイナーを他に知っていますか?何が面出さんをそうさせるのですか。

面出: 僕はワークホリックなんだよ。たくさんの趣味を持っているのは、自分をチェックする必要があるから。どういう意味かというと、これが正しいか、もっと別の方法があるか、常に確認するようにしている。一種の自分を見つめる方法だね。
日本の伝統的な歌を歌う時、全く違う自分になる。自分を違う感覚で見ているんだよ。自分を消している。
スキーをしている時はとても楽しい。スキーをする2~3日はとても没頭していて、仕事のことも忘れる。スキーから帰ってくると頭がすっきりして、違う視点を持つようになる。デザイナーはいろいろな体験に興味を持つべきだと思う。

Gaurav: 若い頃から、これらに興味があったのですか。照明デザイナーになる前に?

面出: そんなに若いころからではないよ。いくつかは照明デザイナーになってから始めたし、スキーなんかは50歳になってから始めたんだよ。ダイビングは64歳だし。

Gaurav: 趣味に100%力を注いでいますか。

面出: とても注いでいる。例えば茶道は、持っている集中力をフルで使う。ゴルフでも、その他の事は全部スイッチをオフにする。でもたまにプレー中でも電話をしたりメールを確認したりする人がいるよね。

Gaurav: とても興味深いですね。残念なことに私はこんなに活動的な趣味を持ちません。このお話の後は、自分を触発するような趣味が持てるといいのですが。以前は絵を描いていましたが、シンガポールに来てからはあまり描かなくなりました。読書も好きですが、それだけでは十分ではありませんね。
面出さんはとても好奇心旺盛な方で、ダイビングを64歳で始めたように、何か新しいことに挑戦する時も自分が歳をとりすぎていると考えたりしない。

面出:好奇心がぼくのエネルギーの源だからね。

Gaurav: 歌を始めたのはいつですか。

面出: まだヤマギワで働いていた25歳の時。中学生の時トランペットをやっていて、常に音楽には興味があった。でも興味がアートの方に少しづつシフトしていき、高校では美術にもっと傾倒していった。
でも歌うことはとても楽しくて、1時間の歌のセッション中は完璧に自分を忘れる。僕は自分のスイッチのオンオフがとても得意。

Gaurav: 茶道や歌のように、面出さんの趣味のいくつかはとても伝統的できちんとした作法やマナーがありますよね。面出さんは伝統をとても重んじているような感じがしますが、伝統的なものに常に興味がありましたか。現代の建築照明デザインは伝統的デザインのアプローチとかなり違う気がしますが。

面出: そうだね。すべての伝統的な作法は、僕たちに正しい方法、合理的な考え方を示してくれる。ヨガも正しい方法を学ぶのに長い時間がかかる。僕たちは自然で伝統的なアプローチを学ぶようにすべきじゃないかな。真似してみて、とても難しいと思ってもやってみるべきだ。
ぼくは歌の先生の声を難しくても真似てみる。何度も何度も真似してみると突然何かに到達したことがわかる。
茶道も同じで、僕は細かいところや順番を覚えるのが苦手なんだけど、練習を常にやっていると自然にその動きを覚えることができる。ガウラフもこのようなインドの伝統をやっている?

Gaurav: 日本文化とは違い、インドの伝統文化はそんなに厳しくはありません。インドの伝統的なダンスの中で、KathakaliというKeralaという町で見られるダンスのように例外もあります。顔の表情の動きを覚えるのに25年かかり、目の動きを覚えるのにも25年かかると言われています。
以前面出さんが私たち照明デザイナーは熟練の匠のように“気”を持つことを奨励していて、その考えがとても美しいと思っていました。

面出: そうだね。照明デザイナーの気とは何かという疑問を持たなくてはいけない。照明デザイナーは高いレベルの感度を持たなくてはいけなくて、これはとても大切なこと。多くの人より深く感じなくてはならない。そうでなければ、完璧な仕事を生み出すことができない。この空間はとてもいい環境だと気づくことができる。僕の感覚を通して正しい答えをいつも考えている。

Gaurav: そうですね。もっと感覚を研ぎ研ぎ澄ませなくてはいけませんね。面出さんがスキーをしていて完璧にスイッチをオフにしている間も、実は感覚は働いている。おそらく普通の人以上に。ダイビングしているときは、普通の人より光を観察しているのでしょう。

面出: 多分そうだね。いつも敏感になるように努めている。ダイビングは普段と全く違う知覚体験。それがとても楽しい。“わぉ‼”って言いたくなる。

Gaurav: 最近のダイビングの体験を教えてください。

面出: ダイビングのライセンスを取ったんだ!最初の2日間は浅い水でテストと練習をする。2日後に海に出る。普通スキューバダイビングの問題は、ほとんどの人が水の中での呼吸が怖いということ。でも僕は違う。全く怖くなかった。水の中で自然に呼吸し、インストラクターの指示に従うことができる。装置を信頼しているからね。インストラクターが「この10年で一番優秀な生徒だ」と言ってくれた。僕が素直に正確にアドバイスを聞いている、と言ってくれていた。だから試験にパスしたら、褒美として潜るのが難しいところに連れて行ってくれた。行けたことにとても感謝しているし、ライセンスが取れたこともうれしかった。たくさんの地形が見られたし、様々な光と影を見ることもできた。僕はいろいろな環境によく適応できるし、海の中で不快なことがなかった。
ぼくは強い好奇心のおかげで、新しいことを学んだり見たりできる。空気中と違う海の中で、自分の自然の能力を超えた水の中で動くコントロールする練習をやらなくてはならなかったけど、僕は平気だった。

Gaurav: また何か新しいことをやってみたいですか?

面出: 他の趣味…趣味じゃないけどもっと旅がしたい。旅はほとんど仕事のことが多い。もっと自由に動きたい。何かの目的の為でなく、いろいろな所に行く時間がほしい。たくさんの人に会うけど、いつも何か目的がある。アジェンダもあるし、結果も必要。アジェンダもなく人に会ってもっと自由に旅してみたい。70歳超えてからかな。

Gaurav: ゴルフをしているとき一緒にやっている人の性格がわかる、といわれていましたが、それはどういうことですか。

面出: (笑)それは本当なんだよ。やっている人の性格がわかる。ミスするときが面白い。ミスを真剣に考えて、同じミスをしないようにする人もいれば、あまり気にせず、ただゲームを楽しむ人もいる。8回打っているのに6回と言ってみたりして、スコアをでっちあげようとする人もいる。5回なのに変な打ち方をしたから7回という人もいる。でもそれでいいんだよね。ゴルフは特別なゲームだから。

Gaurav: 私たちがあまりバラエティーにとんだ経験を持っていないのを見て、がっかりしませんか。私たちは普通のおそらく退屈なルーティンなことをやっていますが、面出さんは私たちより忙しいのにも関わらず趣味の時間も持っている。

面出:いいや、それぞれの人生があるし考え方があるから。他の人に自分の生き方をおしつけたりしたくない。意欲的な人は応援するけど。ガウラフみたいに40歳間近は、毎日のタスクだけでなく、照明デザイン以外の趣味なんかの違う道を高めるいい時期じゃないかな。茶道なんかはじめてみたら?(笑)

Gaurav:忙しいこと以外に何かストレスはありますか。夜、寝付けないような。

面出: ガウラフはある?どうやってそのストレスを発散させるの?

Gaurav: ストレスはあります。仕事が終わり帰宅して娘に会うと、ストレスを忘れます。家族と一緒にいることですね。友達と一緒にいることもストレス解消になることがあります。でも面出さんは3つのオフィスをもち、多くの責任を担っていらっしゃいますが、あまりストレスを持っているように見えませんね。

面出: そうなんだよ。あまりストレスを感じたりしない。挑戦的なプレゼンテーションをする前なんかに緊張することはあるけど、ストレスにはならない。どこでもよく寝られるし。飛行機内でもね。たまに眠れない時もあるけど、それは何かいいアイディアがひらめいているとき。とてもポジティブでストレスがない。会社のスタッフがやめるという時はがっかりしたり、悲しくなったりするけどね。このようなことは起こるけど、すぐ回復する。そんなに大したことではない。いつもゲームに勝つわけではないけど、自分は賢い人間だと思いたい。死が怖くないし、穏やかにいたい。ガウラフはどう?

Gaurav: ぼくは考えすぎるきらいがあり分析麻痺のパラドックスの犠牲者だと思っています。面出さんのお話しを聞いて、あまり深く考えずに飛び込むことが大事だと思いました。
最後に今日のお話をまとめると私たちは共通のスレッド“好奇心”があることに気づきました。好奇心は新しいことに挑戦させ、新しい経験を楽しませます。面出さんのお話しを聞いてよく理解できました。

面出: こんな風に話すのもいいね。タイミングもいいし。何か新しいことを見つけて、楽しんでくれることを期待しているよ。

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