街歩き・サロン

第21回照明探偵団街歩き LaQua(ラク-ア)編

街歩き2004:LaQua(ラク-ア)編

2004年1月20日

今回探偵団が向かったのは、2003年5月にオープンした「LaQua(ラクーア)」 。

東京ドームシティ内に開発されたスパ、ショップ&レストラン、アトラクションの融合商業施設である。都心にいながら心地よい時間とリフレッシュメントを提供する為、「東京の真ん中でリフレッシュを楽しむ」を基本コンセプトに登場した。遊園地にある色取り取りに変動する光を想像し、まずは華やかなイメージだけが頭に浮かんだ。

待ち合わせのクリスタルポイント目指してドームシティへと入って行くと、目の前には光に包まれた何もかもが現れた。大きな木々の冬の姿はやや黄みがかった光をたっぷりと浴び、足元丈の植栽には光の粒が散りばめられている。あらゆるものに光が仕組まれているような気さえする。平面照度は決して高くない。しかし、目の前に広がる光景によって十分すぎる程の明るさ感を出している。照度計では伝えられない、光が人に与える効果の面白い所だ。

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光の効果はそれだけではない。 LaQua には世界初のセンターレス大観覧車「ビックオー」がある。普通、観覧車が造る大きなリングは車輪のように何本もの軸が円の中心を繋ぐが、これにはその軸がなく中心がぽっかりと空いているのだ。照明計画の中で光は建築的な特徴を強調させたり映えさせたりすることもできるが、ここでもしっかりとその「世界初」は形どられている。夜空には光の“リング”がはっきりと浮かび、そのリングを駆け抜けるコースターはさりげなく照らされ、夜空をただのキャンバスにせず3次元空間が表現されている。この観覧車の特徴を生かした演出ではないか思う。観覧車から下を眺めると、水と光と音の競演する噴水ショー「ウォーターシンフォニー」が行われるプラザがあり、楕円形に取り囲まれた空間は棒状の LED 器具がその淵を飾っている。観覧車の側面にも使われているこの LED 。一本一本の光の色や動きがプログラムされているだけでなく、一本の中でも 4 セグメントに回路分けされていてより細かく演出がコントロールされていて、その表情を滑らかに移り変えながら、華やかで心を楽しませる光の空間づくりをしている。

ラク-アに近づけば近づくほど、光が色づき、変動し、様々な光で人を誘導し、また足を止めている。ディズニーランドを目の前にしたワクワク感を思い出してしまうような気分になる。ここでは光がふんだんに使われ、その役割が重視されているのは一目瞭然だが、施設の基本コンセプトを改めて思い出すと、ここの光は役目を果たしているのかも知れない。光学的な分析だけでなくもっとソフトな面を念頭に、光で何を表現できるのか、何を光で表現したいのか、そんな目でまた歩いてみてはいかがでしょうか。

今回の街歩きでは棚からぼた餅的な発見は、ラク-アに隣接する文京シビックセンターの展望ラウンジである。 25 階の少し低い角度から見るこぢんまりとした都心の夜景と華やかに彩られたラク-アを一歩引いて見ることでふっと甦る視覚的静けさを気持ち良く感じるのかも知れない。意外な展望スポットに熱心に辺りを見渡す皆を片目に心地よい「展望室」の光空間に気づく。特別にかっこいい照明がされている訳ではない。 ただ、天井に段差をつけて直接照明が窓に反射しないように、光が窓辺に漏れないように配慮されている。水辺のレストランなどにもよく見られるが、反射を気遣って室内全体がただ暗い空間になりがちだが、ここでうれしいのは足元の明かりが非常によく取られているのである。十分に、そして必要な範囲だけに。 適度な明るさを必要な所におくだけのシンプルな考慮だけれど、こんなさりげない光の心配りは大切にしていきたいものです。

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