街歩き・サロン

箱根登山鉄道『夜のあじさい号』

街歩き2006:箱根登山鉄道『夜のあじさい号』

2006年6月28日

あじさいが彩る幻想的な夜

街歩き2006:箱根登山鉄道『夜のあじさい号』
暗い電車内からあじさい撮影

街歩き2006:箱根登山鉄道『夜のあじさい号』
@宮ノ下駅のカラーライティング前

街歩き2006:箱根登山鉄道『夜のあじさい号』
闇が深まるにつれて、おどろおどろしい表情へ

街歩き2006:箱根登山鉄道『夜のあじさい号』
いつも明るいはずの電車が・・・

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真っ暗

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あじさいをライトアップするために、ずらりと配置された照明器具

世界には、150種類余のあじさいがあって、土によって花の色もさまざまに変わるらしい。
新宿からロマンスカーで、約90分。途中で豪華・駅弁を頬張りながら、箱根湯本~宮ノ下~強羅間を走る『夜のあじさい号』に乗るために行ってきました。
普段は煌々と明るい車内ですが、あじさいを見るため車内を暗くするというあじさい電車。今回は、あじさいの開花が遅れ、残念な箇所もありましたが、ホタルの光が飛び交う光景に出会ったり、登山鉄道の車掌のアナウンスが可笑しかったり、団員の笑顔がたえない調査でした。
あじさいのライトアップポイントで『夜のあじさい号』を地上から観察する3チームと電車の中から観察する1チームに分かれて、計4チーム24名の照明探偵団員が参加して調査を行いました。地上からの3チームは、それぞれ[1]大平台周辺、[2]宮ノ下駅、[3]彫刻の森周辺です。

[1]大平台周辺

今回、あじさいの花が一番見頃だったのが大平台です。トンネルの上から、丘の途中から、無人の踏み切りから各自構えての撮影大会となりました。

[2]宮ノ下駅

唯一あじさい号が10分ほど停車し、線路に降りて観察できる宮ノ下駅では、赤や青、緑のカラーライティングが見られました。

[3]彫刻の森周辺

まだ二部咲きといったところでしょうか。無人踏切では、電車に詳しそうな方と遭遇しました。残念だったのは、床置きで、電車からは死角となる位置に器具があるのですが、あちらこちら向いているライトアップの照明器具のグレアが私たちの写真撮影に影響を及ぼしたことです。フードやルーバなどで、配光を制御すれば、より目に優しく綺麗なあじさいが楽しめるのではないでしょうか。また残照のある時間帯には、ほんのりと色付いた花が下からライトアップされて劇的な演出のように感じられましたが、闇が深まるにつれて、おどろおどろしい表情へと変化していきました。

[4]あじさい号車内から

いつも明るいはずの電車が暗い!暗い車内では、ライトアップの光が入り込むと荷物置きの網が面白い影を天井に映し出しました。明るい車内では、そんな影が出ることはもちろん無いし、人の顔が平坦な表情に見えてしまうこともしばしばです。初めて見る暗い車内が気持ちを高揚させていきます。
「季節はずれのイルミネーションではありません。」という車掌のアナウンスを耳にして、闇の電車内から私たちが目にしたのは、幻想的なホタルの光でした。驚きの余り、涙が出そうなほど感動的な世界が車窓に広がっていました。
2006年のあじさいライトアップは既に終了していますが、来年も行われると思います。是非、あじさいの幻想的な夜の景色を味わいに足を運んでみて下さい。(上田夏子)

あじさい電車HP:
http://www.hakone-tozan.co.jp/sightseeing/

新宿から箱根へ

夕暮れ時にあわせて新宿を出発。ロマンスカーの車窓から変わり行く景色を楽しみながら、今回の照明探偵団の街歩きは始まった。
夜のあじさい号の出発に合わせて到着し、私たちは今日の目的であった夜の登山電車に乗り込んだ。
この季節、あじさいは美しく箱根の山を彩る。登山電車から観られるあじさいを夜も楽しめるように、ということでライトアップが始まったという。電車が動き出すと車内の明かりが落とされ、あじさいをライトアップしているポイントに到着すると車内は真っ暗になり、光に照らされたあじさいが私たちの目を楽しませてくれた。山間の暗闇を行く電車はそれ自体よいものだが、普段は体験することのできない真っ暗な車内から外の光を感じるというのも素敵な体験だった。宮ノ下駅に到着すると、一番ライトアップに力を入れている場所があり、乗客も一旦そこで外に出て記念撮影をする場面もあった。
団員からは、「下からあじさいを照らすと、光源がまぶしくて目を刺してしまうので、上から照らしたほうがよいのでは?」、という意見も聞かれた。また、「ライトアップのポイントを作るのもよいが、電車にライトをつけて照らしながら走れば全ての花を観賞できるのではないか。」といった意見や、「電車が終点に到着する際、真っ暗な状態の車内を突然蛍光灯の明かりで照らすのは少し唐突だった。徐々に明るくするなどの工夫があればもう少しゆったりと電車から降りられたのではないか。」との意見も。
夜のあじさいは照らし方次第でさまざまな顔を見せてくれる。山間に咲く花を一番美しく照らすのが太陽であることは否めないが、ライトアップにもさまざまな工夫の余地があることを実感した街歩きだった。(向田麻衣)

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