連続実践講座

vol.06 ライトアップゲリラ – 松葉 一清(建築評論家)

Update:

連続実践講座 あなたも照明探偵団

松葉 一清 (建築評論家)
~頼まれもしないのに、ある日突然街角にライトアップゲリラが出現。その正体と狙いは~

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ライトアップ「ゲリラ」とは、巷に氾濫するライトアップをただ漫然と鑑賞するだけではなく、見る目をもう少し厳しく鍛え、街の中、日常的な生活の場の中に美しく快適な景色を形作っていくための新たな方法論を模索する活動みたいなものである。照明探偵団の一連の活動の紹介と共に、「ライトアップ」という耳慣れてはいるが漠然と使われがちなこの言葉を、講座では都市の中の「図」というひとつひとつ建造物やモニュメントなどのライトアップではなく、街全体としての「地」の部分で考えよう、というのがテーマであった。
探偵レポートによる150枚の事例をスライドで写しだした「世界のライトアップ・クイック旅行」で、ヨーロッパの古典的ライトアップ、アメリカのモダンなライトアップ、日本の幕の内弁当的ライトアップの評価を面出団長が解説。
松葉氏からは、ライトアップの概念は、モニュメントに象徴される「目立とうとする建築」つまり19世紀都市の作法が生み出したものだと、歴史と思想が紹介される。ライトアップの手法に関して、松葉氏の日本の都市の「佇まい論」は、政治体制と大きな関係があり比較論として興味深い。
もう一度都市に対する視点を確立するためにも、気軽に街に対しての批評のイベントとして、ライトアップゲリラがあってもいいだろう、と氏は締めくくられた。

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