探偵ノート

vol.05 白夜の無駄な光 ~霞ヶ関庁舎群~

Update:

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年度末の3月には至る所で道路工事が繰り返される。多くは予算消化のためのかけ込み工事だそうな。効率のみを志向してきた日本経済も、実はたくさんの意図的な無駄に支えられて来たと言うことか。フツーの人は夜の霞ヶ関なぞ訪ねる用事もないが、夜の官庁街桜田通りを歩いてみよう。この村もまた無駄な光の洪水に白けきっている。

虎ノ門方向から歩くと、重厚な構えの文部省から始まり大蔵、郵政、通産、農水、検察・・・。どこも真っ白でビカビカの蛍光灯に輝いている。日本のオフィス照明の原点とも言える逆富士型もしくは下面解放型の蛍光灯器具が威張っている。まるでコンビニのような庁舎もある。「遅くまで仕事虫なんだな」と感心して見通しの利くオフィスの中を注意深く覗き込むと、これがおかしいことにあまり人気がない。机上のコンピュータと天井の照明だけが仕事をしている様子で、人の姿に乏しく超現実の気配が漂う。実在しない仕事が一人歩きしているようにも感じられる。こんな明るいところで汚職や政治的犯罪など起こるはずもないと思うのだが、いくつかの部屋は明かりが消えていたり、意図的にブラインドが閉められている。闇夜の密談に花が咲いているのかな。

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この白けた霞ヶ関の夜景にこそ日本の政治が象徴されている。忙しく働かされる人と、忙しさを装う人と、闇で仕事をする人など。ここにはたくさんの隠された力のバリアーが張り巡らされていて、それを欺くかのように白夜の城は輝いている。

しかし、やっと最後に救いを見つけた。桜田通りの突き当たり、桜田門の角にそびえる法務省だ。1895年(明治28年)に立てられた赤煉瓦の建物を再現補修して、2-3年前から美しくライトアップしているそうだ。ここだけは他の庁舎と別世界。法の守り手が腐敗した日本の官僚政治とどこまで距離を保てるのだろうか。


面 出 探偵A 探偵B 探偵C
あかりの味/雰囲気や気配のよさ 1 2 2 1
あかりの量/適光適所・明るさ感 2 4 2 3
あかりの値段/照明設備のコストパフォーマンス 3 3 4 3
あかりの個性/照明デザインの新しさ 1 1 1 1
あかりのサービス/保守や光のオペレーション 2 3 1 2
合 計 9 13 10 10
総合評価
(10.50点)

1項目5点が最高、合計25点満点。★は5つが満点


あかりのミシュランは、雑誌「室内」に連載されました。
面出 薫+照明探偵団/文  淺川 敏/写真

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