探偵ノート

第38 – 照明デザインの範囲

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テーマ『照明デザインの範囲』

Interviewer: Sunyoung Hwang

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Sunyoung:今日は面出さんと建築照明デザインの仕事の範囲についてお話したいと思います。
契約の範囲外だけど、建築照明に影響する照明に対して、どこまで気を付けるべきか、時々判断が難しい時があります。

面出:(While drawing a diagram) (ダイアグラムを書きながら)僕たちは建築照明の一部を担うわけだから、建築のデザインに対しての提案をためらってはいけない。時々構造や機械工学、グリーンマークなどの消費エネルギーの計算なんかとも関わってきてしまう。僕は最近の照明デザインは技術面に偏りすぎているような気がしてちょっと怖いと思っているんだけどね。
プロジェクトマッピングやメディアファサードなどのエンターテイメント性のある商業的な広告やイベントのためのグラフィックなんかもね。範囲はクライアントとの契約に関わらず、いつもオーバーラップしているし、これらの範囲についてもいつも“No”とはいえないよね。

Sunyoung:はい、時々線引きするのが難しいです。
ところで、いくつかお見せしたい画像があります。昨年のクリスマスのイベント照明と秋のお祭りの写真です。イベント照明は仮設ですが、周りの建築環境とうまくいっていないことが多くて、見ていて悲しいです。デザインや芸術のバックグランドがない友達でも、ひどいね、というほどです。照明デザイナーとして毎日直面する照明環境にいくらか責任を感じていますが、このようなイベントの見え方を全体的に誰かが管理するべきだと考えています。

面出: それは建築照明とイベント照明とをコントロールする誰か、という意味?

Sunyoung:そうです。

Mende:Sunyoungはイベント照明に興味がある?すべての照明を僕たちでやるというのは一つの可能性ではあるけれど。

Sunyoung:装飾照明やイベント照明などもあるところでは対応しなくてはいけません。線引きしたり、協力したり、あるいは深く踏み込んでがっつりやったりする。少し範囲を広げて他の範囲にも気を使うとよくなったりするように思います。わかりませんが。
建築照明だけでもすでにたくさんの仕事ですが、もっとやろうとするとプロ意識をなくしてしまう可能性があるような気もします。これまでのところ、仕事の範囲は詳細で専門的になってきていますが、将来範囲は統合され一緒になるような気がしませんか?今よりさらに違う分野の多くの人たちと共同していかなくてはならないかもしれませんね。

面出:そうだね、境界の垣根は低くなるだろうね。

Sunyoung:装飾照明についてもお話ししたいのですが、ホテルで装飾的な照明を選ぶことについてどう思いますか。

面出:僕たちはふつう装飾的な照明器具をデザインしない。家具のアイテムとして装飾的な器具をデザインするときには、時間とエネルギーをたくさん消費するし、その美しさに責任を持たなくてはいけない。ホテルでは時々装飾的な照明器具をデザインするのを手伝ったりしているけどね。

Sunyoung:照明デザインの観点から見るとあまりうまくいっていないと思っても、インテリアデザイナーの選択を尊重すべきでしょうか。

面出:僕たち照明デザイナーはインテリアデザイナーと協力してクライアントに装飾的な照明器具を提案する。それぞれ美に対して、好みのテイストやセンスがあるから難しいけれど、お互いに尊重しなくてはいけない。これには柔軟性が問われる。
たまには装飾的な照明器具をデザインしてみたい?

Sunyoung:はい。難しそうですが、面白そうです。このホテルに滞在していた時、たくさんの装飾照明が置かれていたのですが、顔や機能的に光を必要とする場所に十分に光が当たっていませんでした。これはインテリアデザイナーの考えだろうと感じました。コンセプトは理解できましたが、照明の効果は不十分。
これらの小さなことは私がイベント照明で感じたことと同様に改善できると思います。

面出::さっき言ったように建築照明は広い範囲の重なりの上に立たなくてはいけない。それは工学と芸術の間。クライアントが芸術面の依頼をしてくる時、僕たちは純粋な芸術家でも技術者でもないことをいつも念頭においておかなくてはいけない。同様にイベントの運営者でもないけど、彼らと近くで仕事をする柔軟性を持つことはできる。

Sunyoung:なるほど。
別の話題ですが、植物用の照明はどうですか。最近の私たちのプロジェクトで、植物用の照明と直面することがあります。私たちはこのエリアの専門家ではありませんし、特定の植物ために必要な照度レベルを計算することもできません。でもまったく関わらない、というわけにもいきません。私は面白いと感じていますが。

面出:これは非常灯と同じだね。必要だけど普通は邪魔なもの。器具を隠したり、設置する方法を変えたりすることはできるかもしれないけど、僕たちの業務範囲ではないよね。
プロジェクトマッピングやメディアファサードも多くの人が僕たちの仕事だと勘違いする。ファサードのイベント照明と建築照明デザインとを区別することができない。この仕事はイベントデザイナーの範囲。建築照明デザイナーの仕事ではないとは言わないけれど、グラフィックデザイナーの仕事だよね。クライアントがよくメディアファサードのコンテンツを依頼してきたりする。何回かやってみたけどこれも僕たちの仕事の範囲ではないと思うようになった。これはグラフィックの仕事。それからはこの種の仕事はあまりやらないようにしている。

Sunyoung:そうですね。

面出:広告照明を依頼してくるクライアントもたくさんいるけど、僕たちは広告照明デザイナーではないと言っている。サインは光らなくてはいけないし、最終的に夜の景色に影響してくるけどね。

Sunyoung:私たちは暖かい色温度のファサード照明を使い、看板には涼しい白いサイン照明を使います。

面出:光るサインはいつも白い。低い色温度の物は使わない。

Sunyoung:低い色温度を使用するとサインの視認性が低下することを恐れているからだと思います。

面出: 照明デザインは柔軟性が必要だと思っている。将来照明デザイナーは建築さえも超えて他の分野との境界を壊すかもしれない。我々の仕事の範囲はどうするべきだろうね。

Sunyoung: これは前進ですよね。

面出: 多くのことを許容するのは少し危険だけどね。

Sunyoung:0年、20年前と比べると照明デザイナーであることは複雑ですか。

面出: 確実に複雑だね。メーカーや、ファサード、構造エンジニヤリング会社が照明を提案したりするからね。

Sunyoung:ファサードエンジニヤ会社が照明を?!!

面出:そうだよ。最近では新しい技術のおかげでだれでも照明デザインの分野に入って来られる。昔に比べて壁が低くなった。だから僕は柔軟性や共同が必要かどうかを考えている。 僕たちはLPA エンターテインメントやLPAサイネージ、LPA装飾なんかのちょっと違う会社を持つようになるかもね。(笑)これは君たち世代の未来のLPAの可能性だよ。今の場所で立ち止まらず常に変化していく。建築照明デザインの仕事範囲を頑なに守り続けるのではなく、範囲を広げる柔軟性を持つべき。

Sunyoung:私たちのゴールは(照明のために)物事をより良くすることです。自分たちの範囲が終わったからと言って立ち去ることはできません。

面出: LPAのスタッフの中ではプロジェクションマッピングのプランをしたり、装飾照明のデザインをしたりするのが好きな人もいる。僕たちは建築照明デザイナーだから、そちらをみてはだめだとそのスタッフにいつも言っているんだけど、将来はどうかな。

Sunyoung:私は近代芸術のバックグランドがあります。ガラス製作を専攻し、プロダクトデザインのように照明デザインの分野に入ろうと考えました。でも取り扱う規模が好きで、建築照明デザインに踏み込みました。
製品を作るのには多くの時間がかかります。私は小さな一つのものを作るのに多くの時間を費やすより、努力は同じだから誰でも気づいて喜んでくれる大きなものを作りたいと思ったのです。
建築照明デザイナーとして数年がたち、物事が違うように見え始めました。もし装飾照明デザイン会社で働いていたら、こうは見えていなかっただろと思います。光そのものよりもっと形やフォルムにこだわっていたでしょう。私たちは光を理解しているので、私たちの意見を反映させると、イベント、看板、装飾などの照明はより良くなると思います。

面出:それはいい視点だね。これを前置きにするべきだったね。

Sunyoung:(笑)私の前置きはあまりクリア―ではありませんでしたね。

面出:僕はインゴマウラ―に会って彼の生き方や仕事のやり方に触発されたんだけど
将来彼と器具をデザインするかもしれないね。

Sunyoung:それは待ちきれませんね。
もう1時間たってしまいました。今日はありがとうございました。:)

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