探偵ノート

第39号 – ライトアートとライティングデザイン

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テーマ『ライトアートとライティングデザイン』

Interviewer: Blanche Lam

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風の塔-01

Blanche:LPAは照明デザイン会社です。業務は主にデザインに焦点をあてていて、アートではありませんが、面出さんはデザインとアートについてどのような考えをお持ちですか。

面出: いい質問だね!僕の正しい答えを言う前にBlancheの考えは?

Blanche:私はアートとデザインの両方を勉強してきました。アートは個人的感情を通して説明でき、見ている人にメッセージを送ることもできます。アート作品はそれぞれの物語を持っています。
デザインは、ユーザーや目的、状況の違いに応じて、改善や変化をさせることです。
面出さんの考えはどうですか。アートとアーティストについてどう思われますか。

面出: アーティストは素晴らしい職業だよね。僕はアートが好きだけど、アーティストにはならなかった。アーティストは精神的に孤立していると思う。最近では、デザイナーはアーティストに近くあるべきで、アーティストはデザイナーからたくさん学ぶことがあると言う人がたくさんいるけど、アーティストは近所の人や他人の幸せを考える必要はない。感情や熱意をただ表現すればいい。でもデザイナーはいつもだれかの幸せを考えている。

Blanche:“ライティングアート”はどうですか。

面出:“ライティングアート”という言葉はあまりよく知らない。僕は普段ライトアートと言っている。僕の知っているジェームスタレルやオラファエリアソンは光を素材として扱う素晴らしいアーティストで、この二人のアーティストは忘れてはならない。僕は彼らの仕事をとても尊敬している。オラファエリアソンはロンドンで大きな人工の太陽を展示した展覧会を行った。彼らを建築照明デザイナーとは比較できない。

Blanche:他のブランドと共同して製品を作ったり仕事を一緒にしたりしているデザイナーがいますが、面出さんは他のアーティストやブランドと何か一緒にコラボレーションする計画はありますか。あるいはそのようなコラボレーションをしたことがありますか。

面出:特定なものは覚えていないけど、オラファエリアソンのデザインチームとは、シンガポールの伊東豊雄さん設計のプロジェクトでコラボレートしたことはあるよ。同じ空間を共有したんだ。かれらは目に見えるオブジェのように光のオブジェを置いた。僕らは建築照明のデザインの技術を使ってかれらのアート作品を強調させた。
25年前にミュージシャンともコラボレーションしたよ。それは僕にとってはライトアートに近く、完璧にデザインではなかった。地下鉄の駅で音と光のパフォーマンスをやったんだ。人々は地下の空間が新しく洗練された博物館に変化したことをとても喜んだ。このパフォーマンスは“ミュージアム in メトロ”と名付けられた。僕とそのドイツ人のアーティストとでその空間で質問を受けたり話をしたり、とても楽しかったよ。

Blancheは今もアーティストになることに興味がある?

Blanche: 特にそうだともいえませんが、アーティストになることを拒んだりはしていません。何事も可能だと思っています。デザインはパズルを組み合わせるようにユーザーに適したソリューションを見つけたり、目的を達成したりする必要があります。アートはアーティストの感情を表現するものです。この二つはとても違うものだと思っています。もし機会があれば、どちらも挑戦してみたいです。

面出: アートパフォーマンスはとても自由でルールがないから、誰にとっても楽しいよね。

Blanche:観客は理解できなくてもアーティストが何を言いたいかを自分たちの考えを通して創造します。これがアートのコミュニケーションだと思います。
どうしてこのトピックを面出さんとお話ししたかったかというと“光”は目にみえますが形がありません。この“触れられないアート、”それが魅力的です。この創造的な空間は彫刻や絵画よりもはるかに大きい。水や霧のような物資を照らすこともできます。それは他の種類のアート作品だと思います。
シンガポールのマリーナベイサンズホテルの横に特殊なカーテンウォールのインスタレーションがあります。風のパターンを見せるために小さな反射パネルを使用しています。見ることができるのでアートと呼べるかもしれませんが、動く風のパターンを調整することはできません。

面出:マリーナベイサンズホテルのファサードの下の部分のデザインの事だよね。そうだね、照明デザイナーは芸術的で自由な感覚を持つべきだと思う。LPAのプロジェクトは時々アーティスティックなときがある。“風の塔”はぼくがやったアーティスティックなプロジェクトのひとつ。本当に素晴らしかった。風の強さや方向を検出する小さなセンサーを付けたんだ。そのデータはコンピューターに送られ、キラキラする効果とアップライティングに変換される。これは建築家の伊東豊雄さんとのコラボレーションで行ったものだけど、とてもよくできたね。

Blanche:このような特別なアイディアをどのようにクライアントに納得させればいいのでしょうか。

面出:クライントは好きだと思うよ。成功プロジェクトの理由を説明する必要はないよ。これがアートでしょ?音楽だったら、そこにいれば“Wow”となるようなものだよ。素晴らしいリズムにはだれも理由は聞かない。

Blanche: 面出さんは大学で照明デザインを教えていらっしゃいますが、アートとデザインのちょうどいいバランスをどのように生徒に教えていますか。

面出: 普通生徒は、デザイナーよりアーティストであることを好む。もっと自由な感じなのだろうね。質問に戻るけど、答えはとてもシンプルだよ。僕は照度計算のようなただ技術的なことを教えるのは好きではない。そのようなことは教科書を見ればわかるからね。もっと重要なことはどのように光を感じるかということ。いい感覚を持っている人はたくさんいる。照明デザイナーは美しい光と影を感じるいい感覚を持っていなくてはいけない。僕たちは五感を鍛えなくてはならない。光は聞いたり、匂ったり、触ったりできない。形而上学的なデザイナーには良いセンスが必要。美的感覚は毎日の訓練によって改善することができるよね。
僕は生徒たちに、このように見てはだめだ、もうちょっと注意深く詳細を見なさいと言っている。
光やデザインのためには、建築照明デザイナーも、自由の感覚を持ち、芸術的でであるための余地が必要だね。

Blanche:面出さんの経験をシェアしていただき、ありがとうございました。

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