探偵ノート

第41号 – デザイナーにとっての時間の価値

Update:

テーマ『デザイナーにとっての時間の価値』

Interviewer: Catherine Wong

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Catherine:今日のトピックは“時間”です。面出さんはいつも打ち合わせやレクチャー、フォーラムやインタビューで、年中旅されますよね。このコラムで今までたくさんの質問をされてきたかと思いますが、今日のトピックについて聞かれていないのは驚きです。

面出: 時間についての話はまだしたことがなかったね。私にとっても新鮮だよ。時間は誰の人生においてもとても大事なもので、とくに仕事においては大事だね。時間はいつも難しいけど、デザインにおいてはとても重要な要素。たまには時間のことを忘れたいけどね。時間のことを心配しなくてもいい機会はある?

Catherine:いいえ、いつも時間のことを覚えているし、気にしています。(笑)

面出: 時間を忘れたいけど不幸なことに僕は自然に次のスケジュールのことを考えてしまい、今やっていることを決められた時間内に終わらせようとしてしまう。(笑) この癖はあまりよくない悪い癖。時間に対して厳密でストレートな面出さんはどう思う?

Catherine: う~ん、いいんではないでしょうか。それは面出さんの個性なので。私は時間を気にしている人は自分がやっていることに価値を感じているし、一緒にいる人を大切にしているのだと思っています。

面出:そうだね。ビジネスの時は、時間は価値あるもので、おそらく一番優先されるもの。だから、例えば何時に打ち合わせを終わらせなくてはならないかなどを、ぼくはいつもスタッフと確認する。長い時間働くのがいい所員だとは思わない。長い時間をかけるけど密度の低い仕事をする人やデザイナーがいる。寝ていたんじゃないかと思う時もあるよ。(笑)時々仕事の合間に疲れて短い昼寝や休憩が必要な時もある。そんな時僕はタイマーを10分セットしてから寝るんだ。寝ることに集中して、そして仕事に集中する。

Catherine:非効率と時間のマネージメント問題は別として、タイトなスケジュールで重い作業負荷が仕事の長時間化の原因になることがあります。文化の違いが問題の時もあります。私たちの香港、シンガポール、東京のオフィスのように、人が違えば、仕事文化にも違いが出るかと思います。面出さんは違いを感じたりしますか。

面出:そうだね、この3つのオフィス内でも、日本人は他よりいつも遅い気がするね。日本人は細かなことについて長い時間をかけて考えている。デザイナーだけでなく、建築家、エンジニアも時間をかけて考える。でも長い時間があまり創造的にならない場合もある。重要なのはどのように時間をかけるかの密度だと思うよ。

Catherine: オフィスではなくて、人が違うのだと思います。東京、シンガポール、香港の人は時間に対する考え方が違う。時間を違う形でとらえている。日本人は1つのことを長く精査することに対して高く評価するのではないでしょうか。しかし香港の人の感覚では、これは能力がない、もしくはその問題を解決できないと思われてしまう。厳しすぎるかもしれませんが、一つのことにあまり時間をかけるべきではありません。適当な時間内に終わらせるべきです。香港の人たちは現実的で効率的です。

面出:同意見だよ。1つのことに1日をかけたくない。すべてのエネルギーを使って集中するから、1つの打ち合わせやワークショップに長くても2~3時間だね。
ぼくはいつもデザインだけじゃなく、違うものにチャンネルをスイッチするようにしている。興味があるものが多すぎるんだけどね。だからいつも仕事が終わってからオフィスの外で時間を過ごすことが多いね。

Catherine:そうなんですよね。仕事以外の経験が私たちに違いをもたらしてくれると思っています。いつかはわかりませんが、私たちの経験が私たちに影響をもたらす。だから私たちは違う趣味やレジャーを持つ必要がありますね。違うことを試したり体験することで人生を学ぶ。デザインしたりものを考えたり、机にずっと座って仕事ばかりやっていると、仕事がつらく非現実的なものになるような気がします。それは私たちが知らない空間をデザインするからだと思います。
オフィスや仕事文化についてですが、面出さんはLPAではどのような文化を持ちたいと思っていますか。

面出: どんなのがスタッフにとっていいか、なんていうのはあまり言いたくない。いろいろな国から来ている各オフィスのスタッフは違う時間の感覚を持っている。違う民族は時間に対して違う感情や態度を持っている。でも同じものでも、完成するのに1時間必要な人もいるし3時間の人もいる。結果が同じなら、1時間であってほしい。

Catherine: それは能力上の時間の感覚のことですか。

面出:そうだね。いつも時間の長さの感覚を考えている。例えば3分はぼくにとってとても重要。180秒。180秒の中で自分自身の事や考えをどう表現できるか。その次の重要な時間は10分。インタビューでよくリクエストされる10分スピーチ。TV番組なんかのためにたった10分で影について話すということをたくさん練習した。10分、10分、10分。小さなメモを作って、常に練習し、念頭に置くようにした。その次は2時間のデザインワークショップ、そして毎日の7時間の睡眠。これが僕の時間の感覚。

Catherine: なるほど。だから面出さんは時間に正確な人なんですね。時間の長さがわかる。

面出: 僕は週間、月間、年間計画を持っている。でももっと重要なターゲットやマイルストーンは次の10年の計画。どのように次の10年を過ごすかのアイディアを持っている。同じようなもの持ってる?

Catherine:はい、ちょっと短いですが、3-5年のものはあります。まだ人生経験が十分ではないので、あまり長期を予想したり変数を考えることはできないのでちょっと短いです。

面出:若い人は長い期間の時間の感覚を持っていないかもしれないね。僕がこのように考えだしたのは40歳で会社を立ち上げたとき。50歳、そして60歳になるまで前に突き進んだ。だからまだ考える時間はあるよ。

Catherine:そうですね。私たちには時間を管理したり、時間の感覚をつかんだりするためにもっと時間を知る必要がありますね。面出さんのように自然に息を吸うように時間の感覚を体が覚えるようになりますね。そうなるともっと高みに登れる気がします。

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