探偵ノート

第009号 – 夏の終わり

Update:

1週間があっという間に過ぎていきます。18日にシンガポールから帰り成田空港に着いたとたん「ムッムッ、何という暑苦しく重たい空気!」。赤道直下の国々のほうが、よほどすっきり爽やかな夏、とういうものだ。ヒートアイランドと化した今年の東京の夏は、私に汗をたっぷりとかかせてくれてます。朝方に汗びっしょりかいて起きることしばしば。男の更年期障害?を乗り切るにも気力がいります。

9/25からギャラリー間で始まる「面出薫+LPA展」の準備もほぼ順調に進んでいます。田中一光さんにデザインをお願いしているポスターやチラシ、DMやオープニングの招待状などの他に、けっこう大変だったのがTOTO出版から発行される本。96ページのオールカラー豪華本には私がやってきた20年間の建築照明の考え方や作法がまとめられている。こんな機会でもなければ自分のやってきたことを振り返ることもないので、私にとっては貴重な機会が与えられました。「建築照明の10の思想」「建築照明の27の作法」などという風に語られているわけですが、読み返すと、ちょっと偉そうにしています。蘊蓄をたれるほどのこともない…といったところが本音です。お許しください。

シンガポールの美術館で「子供の描く2050年の姿」という展覧会が行われていました。子供がそれぞれにクレヨンや水彩などの絵の具を持ち込んで、その場で2050年のシンガポールの姿を描く競技会です。残念なことに週末だけに行われているので、その場を目撃することができませんでしたが、計画的な国家シンガポールらしいイベントだと思います。私たちも去年「2050年TOKYO夜景展」を企画したときに、「2050年に確実に主役になっている子供たちに未来を想像してもらおう」と考えたものでした。そのイベントは企画倒れになっていますが、いつか「子供照明探偵団」を作って欲しいと思っています。今はほとんどが「オヤジ照明探偵団」ばかりですもの…。

夕暮れの麻布のカフェで外を通り過ぎる人の流れを見ながら書いています。そろそろ夏が終わろうとしています。わたしは秋が大好きですが、夏の終わりに未練を感じることは初めてです。最近の私は多感になっています。

大好きなトルコの街に未だたくさんの魂が悲惨な時間を過ごしていることを、頻繁に思い出します。ただ沈黙して空を眺めるだけしかできません。

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