探偵ノート

第014号 – どうしてこんなに忙しいの?

Update:

またまた3週間ぶりの探偵日記になってしまった。前回は香港に出張の折りに書いたものだけれど、今回も金沢への日帰り出張の帰路、夜の日本列島上空で突然思い立ってラップトップに向かっている。この3週間、余裕のないドラマティックな時間の連続でした。

まず、10月5日には三田の建築会館で「面出薫講演会/建築照明の作法」が行われた。今行われている展覧会と出版とセットになった講演会だが、定員350人のところに立ち見を加えて450人を収容してもなお入り切れない人が出て、お帰りいただいたそうである。信じられないほどの盛況に、ただ驚くばかりでした。講演会の内容は展示会に使用したビデオの映像を折り混ぜて、これまでの建築照明デザインに対する熱い思いの丈と、これからの照明デザインのあり方に触れた「建築家に対するアジテーション」のようなものだった。さて、私の勝手な思い入れに、どれほどの人が興味と共感を持ってくれたものかは解りません。講演会の後に行われた著書のサイン会にはたくさんの方が行列したのを見ても、何か鼻を摘まれたような一時でした。その次は10月6日と13日と20日に行われた、東京大学建築学科の演習第4の課題、3つの即日演習のエキサイトぶりだ。この講座は建築学科の大野秀敏教授の要請で3年前から始めたもので、4年生と大学院生を相手に、家具デザイナーの藤江和子さんと私がコラボレートして家具と光が重なり合った課題を出している。

今年は原則的に午後2時から8時までの6時間の即日課題。4時間を課題制作に当てて2時間を講評にあてている。この即日課題がどういうわけか馬鹿受けで、50~60名もの落後者のない真面目な参加者で賑わっている。第1課題はフロッタージュ。学内の様々なテクスチャーを様々な材料で写しとりコラージュする平面課題。第2課題は一遍の詩情に触発された光のイメージを針金と紙、布で立体的な照明器具を創作する課題。第3課題は校舎の一部の空間を与えて、それを新しい意味を持つカフェをしてデザインするグループ課題だ。どうなることかと思ったが、皆それぞれにヘトヘトになりながら時間と戦っている。「料理の鉄人」は終わってしまったが、即日課題にはそのようなゲーム性と発想の瞬発力が験される。私も藤江さんも大いに楽しい時間を過ごしている。はっはっは。どうしてこんなに乗りがいいのでしょう…(本江さん)?

9日から4泊5日でシンガポールのプロジェクトのための出張。シングリッシュ(シンガポール的英語)にも徐々に慣れてきました。危ない雰囲気です。

ギャラ間の展覧会の会期中にしくまれた「空間術講座」が15日の香山先生を皮切りに忙しく始まりました。19日に田中純さん、22日に三宅理一さんでした。それぞれのインテリジェンスに学ぶことばかり。私のための「光と影のクリティシズム」講座です。明日は第4回目、斎藤裕さんを迎えて「日本建築のあかり」を語ってもらいます。そして今週末の土日には、「日本文化デザインフォーラム」のシンポジウムに出席のために開催地・鹿児島へ飛びます。また今週も土日をゆっくりと過ごせないのですが、嘆いていても始まりません。11/3(文化の日)の午後6時には、日本建築学会主催のアーキテクチャー・オブ・ザ・イヤーというイベントのシンポジウムで、陣内秀信さんたちとのトークです。「日本の建築賞をめぐって」というサロントークの一貫で、「建築がつくる風景」と言うサブタイトルがついています。お暇な方は、午後6時に新宿NSビルのアトリウムに来てください。どうなることかは解りませんが…。

あっ、もうこんな時間になってしまった。少し長く書き過ぎたかな?近況報告になってしまいました。ああしんど。

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