探偵ノート

第055号 – 吉野家・Burger King・KFC

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毎月出張するシンガポールで久しぶりにMillenia Walkをぶらぶらした。週末の疲れを癒すために1日だけRitz Carlton Hotel に宿を替えて、プールで泳ぎ、サウナにゆっくり入り、マッサージを受けて、それから昔馴染みのフードコートを覗きに行ったのだ。

驚いたことに、モールは完璧に改装され刷新されていた。あの行列を作っていた春雨のラーメン屋の姿がない。大盛りのアイスカッチャンを元気に作ってくれたオバサンの笑顔もない。フードコート全体にあった臭いや喧騒がなくなり、何だか取り澄ましてしまっている。照明デザインも小奇麗に整理されていて、統一感はあるが個性がない。私にとっては魅力的でない。わかりますか、私のこの落胆が……。つまりシンガポールという国は何時もどこかに取り澄ました感じで、汚れた気配を作り変えてしまうのだ。美しく清潔な街・シンガポールではあるが、何か寂しく感じることもある。難しいものだ。街の活気や場の個性は管理されすぎては臭い立ってこない。

そんな中でふと目に留まったのが吉野家のインテリア照明。活気のあるモールの中央に吉野家の他にBurger King とKFCが軒を並べていた。アメリカ資本のチェーン店と競合しながら、吉野家の店内照明だけが色温度の低い蛍光ランプを使っている。他の2店は白色だからその違いは一見してわかる。照明会社のショールームによくある色温度の違いを説明する実験ボックスを見ているようなものだ。どうして吉野家だけが白熱色の蛍光灯にしたのだろう? 客にゆったりと落ち着いた雰囲気で食べてもらいたい…、などという高尚なサービス精神からではあるまいが、明らかに牛丼がハンバーガーやフライドチキンより暖かく感じられる。少し嬉しい感じがした。これは私の想像に過ぎないが、多分吉野家はそのオレンジ色の看板やロゴマークに関連付けて「少し暖かい色の光に…」と考えたのだろう。色温度の差は客の滞留時間に相関する、というセオリーなど考えるはずもないが、いずれにしてもシンガポールの吉野家はちょっとステキだった。

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