探偵ノート

第074号 – カンダラマの夜明け

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今、カンダラマの森と湖が深い闇から解放されて、朝を迎えようとしている。私は髭をそり歯ブラシを口に入れて、めまぐるしく変化する気配の一瞬を見落とすまいとベランダの椅子に腰掛ける。カメラでこの気配が切り取れない。変化する雲の厚さや形に日の出の角度や強さが作用している。鏡のような湖がそれを正直に知らせてくれる。群れを作る大型の鳥が目の前を横切っていった。

ウヴォ・ウヴォ・ウヴォ…、ウピキョキピョ…、チチチチー…、コロッ・コロッポ…、ホーホロイパー…、ギギギギュギギュリ…。これが鳥の鳴き声かと疑うような20音以上の異なる音が森全体からにじんでいる。姿の見える鳥と見えない鳥。光の技以上に森が発する音は不可思議だ。何を語っているのだろうか。何を喜んでいるのだろうか。悲しみの音は聞こえない。私は既に歯ブラシを加えてジェフリー・バワの設計したホテルのベランダで40分ほどを過ごしている。至極の朝が終わった。

ずっと前からスリランカに来たいと思っていたが、やっと実現した。具体的な仕事でなくこのような時間を過ごすのも久しぶり。2010年はこれまでの自分を少し変える工夫をしようと思っている。このコラムの内容も変えていこう。照明に限らずに「今起きている目の前の感動」について書きたいと思っている。長いご無沙汰の後の第一声です。

100113 @Kandalama, Sri Lanka

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