探偵ノート

第075号 – ロンドンのパブ 3軒

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今、私はテムズ川沿いテートモダンの脇にある小粋なパブに落ち着いている。Founders Arms / Riverside Pub and Dining という名前の店らしい。

多分1年ぶりのロンドン出張になるのだろう。しかも独りでぶらぶらと小雨交じりの街をうろつくなんて…、何て素敵なことだろう。こんな気ままな時間を過ごすと、ロンドンが急に近く感じられてくる。これまでは何か大英帝国の伝統が、私とこの街との間に僅かな隙間を作っているようだった。 やはり旅は一人歩きに限る。

今から4時間前、IALDから依頼された講演を無事終了し、チューブを乗りついで夕暮れ前にテムズ川に出た。フォスター事務所が設計したミレニアム・ブリッジを揺れながら渡りたかったからだが、その前にアラップ社を訪ねた後に流行っていそうなパブで一軒目。ダークビールを引っ掛けて、ここ2軒目では最もポピュラーなチェコのラガービールを引っ掛けた。

そうそう正確に思い出すと、ニューヨークから来た旧友CharlesStone と講演会場近くのパブで乾杯した後だったので、今日はこれで3軒目のパブだった。1日にぶらぶらと3軒も回るなんて。このパブではラガービールの後に適度に冷えたのど越しの良いシャルドネをいただいた。あまりお腹は空いていなかったが、早めの夕食代わりにクラブケーキを注文した。大体ロンドンでは上手いものにありついたためしはなかったが、これは冷えたシャルドネにあっている。

パブに独りでほろ酔いの楽しさは、周りの人々をあれやこれやと想像しながら観察することだ。馬鹿騒ぎの会社員グループ、訳ありそうなカップル、確かに失恋したと思える彼女。空想は限りなく自由だ。何よりも私が気に入っているのは、時々目の前を通り過ぎて流し目をしてくれるボーイッシュな店の娘だ。そろそろ飲みすぎないうちに、酔い覚めの散歩をしながらピカデリー・サーカスあたりまで歩こうか。

100204 @London

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