探偵ノート

第001号 – メディアファサードとファサード照明

Update:

コーヒーブレーク: 面出さんと私
Interviewer: 田窪恭子

心斎橋
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田窪 面出さん、今日は私の悩みについて聞いてほしいのですが、今、携わっているプロジェクトのクライアントからメディアファサードの依頼が来ています。私達に頼んでくるということはただの看板をということではなく、もっと違うことを要求されているのだと思うのですが、外観照明というと私はメディアファサードというより美しくカッコイイものを作りたい。
メディアファサードは美しいのでしょうか?

面出 照明デザインの目的はいつも美しい夜景を作るということだけじゃないかもね。
沢山の人を呼びたいと思っているクライアントにとっては美しいけど、人は集まらないというのでは成功したプロジェクトとは言えないよね。 

田窪 それなら人が集まりたくなる場所を作ればいいのでしょうか。

面出 私は商業目的としての照明デザインというのは美しいというより、照明デザインをすることによって、そこで商いが行なわれる、儲かる、皆が喜ぶ、ということが求められているだろうと思っている。微妙だけどね。
人が集まれば醜くかったり、何をしてもいいという訳でもないけど、商業デザインでは少々かっこ悪くても人を呼ぶ魅力があることが求められることがある。
照明デザイナーとしてそこに何か楽しいことが起きたり、人々から「ワォー」という歓声をもらったりすることが大切な場合もあるということを考えなくちゃいけない。

田窪 メディアファサードと外観照明の違いは?

面出 LEDの電光掲示板ではなく、これからはますます建築全体が情報を伝えるための役割を担うということになる。文字情報や画像情報が鮮明に伝わるというのが一般的なメディアファサードだけれど、情報を伝えるだけでなく、荒い密度でLEDが調光されるほうが面白いね。銀座のシャネルの白黒の抽象的な画像なんかは奇麗だなと思うし、環境的なアートに近くて好きだな。
 
田窪 私は大阪の道頓堀にあるピカピカ、ギンギラのネオンは活気があって、気分が落ち込んだ時でもあそこに行けば気持ちを上げてくるみたいなところがあって好きでした。

面出 ピカピカ、ギンギラなんか嫌だと一般的には言われるけど、私は道頓堀はOKだと思うよ。
歌舞伎町や渋谷センター街もOKなんじゃない。

田窪 場所によるのでしょうね。 それが何処でもどんな建物でもとなると問題になってくる。

面出 都市というのはいろんな顔をもっているから、そこに要求される光も一様ではない。
いろんな個性が散らばっていていいのです。課題となるのはその場や環境にふさわしい光のあり方です。
道頓堀の光が本町辺りに出てきては叱られるよ。

田窪 照明デザインは周りの環境にどうやって答えていくかであって、メディアファサードも場所を選んでやっていけばいいのですね。

面出 メディアファサードは人目を引くだけじゃなくって、下品でないというのが大切。 エキサイトメントがあっても上質なものでありたいね。ペンキで書いた広告を照らすということが減り、光で広告を描くようになった。 高輝度で様々な画像を流している巨大テレビが町中で出現しているが、これは照明デザインの仕事ではない。
照明デザインがスマートに、少ないエネルギーで建築の外観が匂い立つような光で覆われているというのはかっこいい。 それをメディアファサードというのかは分からない。
もしかして新しい言葉を使ったほうがいいのかもしれない。 外から照らすのではなく、小さな光が建築に点在していて、それが巧くオペレーションされることによって何か美しく、皆から認められる芸術性の高い光の外観が出来ると、あれは誰がやったのだということになる。 LEDには今までになかった新たな照明手法の可能性がある。 しかし、僕らはファイン アーティストではないから、勝手な光のグラフィックを建築外観に貼付けてしまうような仕事はしたくないね。

田窪 分かりました。ファサード照明に対しての考えがまとまり、何か新しいことを創造していけそうです。洗礼されたメディアファサードとは何か。私なりに想像力を発揮してデザインをしたいなと思いました。
今日は相談に乗っていただいてありがとうございました。 

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