探偵ノート

第020号 – クリエイティブなこどもの育ち方

Update:

コーヒーブレーク: 面出さんと私
Interviewer: 中山 レイチェル

テーマ:『こどものデザイン教育』

レイチェル:今日のテーマはこどものデザイン教育です。 デザイン教育とは、自由な考え方を育てること。自由に創造しながら、問題を解決できる能力を育てることかなと思っています。 「デザインあ」というNHKの教育番組があるのですが、私もこども3人も大好きで毎週見ています。面出さんもこの番組に出演していますよね。この番組中は、日常のものを使って、簡単にデザインプロセスをアニメーションで説明したり、物の原点のようなことを教えてくれます。たとえば、「ペットボトルのふたは、なぜこのような形をしていて、このように動くのか」と質問をなげかけて、答えはシンプルな白黒アニメーションで説明しています。

Rachel

「デザインあ」の色々なコーナーのサンプル。
「デザインあ」のコーナーサンプル
①1形の式、②私のまるとしかく、③デザインの人、④みんなの「あ」

デザインあ_1
土曜日の朝:こども3人とも「デザインあ」に夢中。

面出:レイチェルのうちでは土曜日、こども達が朝7時に起きて見ているの?休日に早起きなんだね。

レイチェル: そうです。楽しみにしています。たまに寝坊して、見られなかったりするとがっかりしちゃいます。 番組の中で使っている音楽から、色合い、言葉まで、全て非常にわかりやすくて美しい。こどもから大人にまでうけるインターフェースだと思います。

面出:「デザインあ」というこども向け番組でデザインという言葉を使っているけど、デザインをするというより、日常の中で「何でなんだろう?」と疑問を持ったり、謎を解いていくのが大切なんだろうね。

レイチェル:そうですね。番組の最後にデザイナーにインタビューをするですが、そのデザイナーが「こうしてみよう」というワンポイントアドバイスを投げるのです。木工デザイナー三谷龍二さんが「よく使う物とあまり使わない物を並べてみよう。よく使う物とあまり使わない物の違いをじっくり考えてみてください。」とアドバイスをしました。 例えば、このコップはよく使う。このコップは使わない。その2つの何が違う?このアドバイスは非常にわかりやすくて、番組そのもののねらいではないかと思いました。 自分で考えて、思ったことを声にして伝えること。自分の意見を言葉で発すると手も動かしたくなるし、そして、脳も刺激されます。

面出:こどもの教育は何かの知恵を与えたり、こうあるべきという話ではなくて、こどもの自由の感じ方なり、考え方なり、発想なり、ちょっと刺激してあげればいい。自ら何か発見することの方が大切だね。うまく刺激してあげれば、最初から持っているいい能力がきゅっと絞り出てくることがある。

レイチェル:デザインというプロセス自体もこどもにとって最適なものだと思っています。自由に考えて、発見と失敗を繰り返し続ける。これは大人になったら、あるところで諦めちゃいますよね。

面出:そうかもしれない。こどもに“デザイン”という言葉は難しそうだから、今までそうは言わなかったけど、デザイン教育とはそういうことだね。非常にアーティステックなこと、感覚的なこと、全ての疑問に応じていく科学的、工学的なことを同時に学ぶことになる。

レイチェル:そうですね。私の中ではそれらすべてがデザインという世界のことで広い意味で問題を解決できる能力です。

面出:僕ら照明探偵団がやっているこどものあかりワークショップではあかりだけではなく、時々は闇の大切さも教えているよね。暗い所も体感させて、こどもの感性を刺激しょうとしている。

レイチェル:こどもは年齢によって遊び方も違いますが、デザイン教育も年齢によって変えなくてはならないかもしれません。幼稚園や小学校低学年は物の原点やなぜだろうという好奇心、問題を解決できる能力を育てる必要があるのではないでしょうか。

面出: 「デザインあ」はこどものためと言いながら、私たち大人も十分に面白いよね。こどもも見てほしいけど、大人も見て楽しんでほしい。「デザインあ」のやり方はこどもにわかりやすく説明することを通じてデザインの原点に迫ろうとしているんだろうね。デザインはこどもも、大人も、皆に感動を与えることができる。 番組のクリエーター佐藤卓さんは実際グラフィックデザインもやっているけど、「デザインあ」が彼のデザイン思想の原点でもあるんじゃないかな。

レイチェル:番組のインターフェースや内容が本当に革新的なので私の2才の息子も部分的に見て喜んでいます。映像だったり、音楽だったり、説明がわからなくてもそういうものは目と耳に入ります。

面出:われわれの照明デザイナーの仕事も難しいことを言わずに、わかりやすく、こどもに感動を与えるような説明がきちんとできることが重要かもしれない。

レイチェル:そうかもしれませんね。こどもと共に大人も楽しめなくてはなりません。こどもはそれも見ていますね。

面出: 面白く教える。楽しく教える。美しく教える。気持ちよく教える。

レイチェル:こどものデザイン教育は難しそうに聞こえますが、きっかけを与えて、自由にさせるとクリエイティービティーは自然に育つものかもしれませんね。

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