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第57 回街歩き「TX(つくばエクスプレス)沿線」

第57回街歩き:TX(つくばエクスプレス)沿線

首都圏最後の大型路線~つくばエクスプレス~沿線の光の開発は成功した?
2017.05.12 田村聡+ 若田勇輔+ 坂口真一+ 古川智也

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首都圏最後の大型路線と言われる「つくばエクスプレス」が2005 年に開業して早10 年以上経過。当初更地であった沿線も、徐々に開発が進んでいます。今まで陸の孤島であったり、何もなかったりした所にどのような街ができたのか、その街の光はどのように設計されているのかを、屋外をはじめ、ショッピングセンターなどの屋内も調査しました。

■ A 班:柏の葉キャンパス駅

A 班は柏の葉キャンパス駅周辺(駅前広場→ららぽーと柏の葉→三井ガーデンホテル周辺→マンション街→ T サイト→駅前広場)を街歩きしました。スマートシティーと銘打って統一的な開発を行っているせいか、全体的に3,000K 程度の落ち着いた光でまとめられており、光の英雄が多いように感じました。以下各エリアの英雄・犯罪者を紹介します。
駅前広場のポール照明・バス停の照明は非常におしゃれで好評でしたが、TX のホーム照明が雰囲気を台無しにしており残念でした。
マンション街も落ち着いた光で統一されており、居心地の良い住環境になっていました。驚いたのは、工事現場の仮設照明も3,000K の光で周囲になじむように考慮されていたところ。このような細かな配慮が大切だと感じました。また、木々を照らす光は良かったのですが、住居ベランダに侵入しているのは犯罪者ではないかという意見が出ました。
T サイトは、天井はむき出しながら、ポイントポイントでおしゃれな照明が配置され、限られたコストの中で心地よい雰囲気を作っており非常に好印象。外の調整池のライトアップも英雄との意見で一致しました。(田村聡)

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柏の葉キャンパス駅 調整池から見るT サイト
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柏の葉 隠れ英雄、工事用仮囲いの3,000K 仮設照明

■ B 班:流山おおたかの森駅

B 班は流山おおたかの森駅から歩き始めて新興住宅街と旧住宅街を見比べながら歩きました。おおたかの森駅は開業してまだ10 年弱ということもあり、全体的に綺麗な印象でしたが、天井にある間接照明の光源が見えるなどの荒さも見えました。その隣にある流山おおたかの森S・C では、お店の照明計画にこだわりを感じるという意見が多かったです。その後、新興住宅街へ向かいましたが、フォレストレジデンスというマンションの前の広場は非常に暗く、それだけでなく植栽を照らすアッパーライトに点灯していないものがあるなど、バランスの悪さが目立ちました。しかし、フォレストレジデンスのエントランスのダウンライトは、一見建築そのものが光っているのではないかと思うほど均等に、かつ光源が見えないような工夫がされており、全員が好印象を抱いていました。また、その周辺の道路は、駐輪場の明かりが道路を照らしていたり街路灯が道を明るく照らしていて、防犯上良いという意見が多かったです。一方で、旧住宅街周辺は寂れている印象を受け、とくに旧住宅街前の道路は点灯していない照明があり、防犯上危険ではないのかという意見のある場所もありました。全体を通して見てみると、新興住宅街と旧住宅街とにか関わらず問題はいくつか存在しており、今後よりいっそう安全で活気のある街にしていってほしいと思いました。(若田勇輔)

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流山おおたかの森SC  全体的にまだ新しく照明全て好印象
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流山 旧住宅街前の道路。全体的に暗い印象

■ C 班:八潮

八潮駅は10 年前に首都圏最後の大型路線として開業した駅。照明は色温度が高めに設定されており、TX の他の駅も同様の雰囲気の駅が多いようです。駅の上部にある八潮駅という駅名標が夜は真っ暗になってしまい駅名がわからないのは、駅の目印としてはいまひとつの印象がありました。
駅周辺は大型ショッピングモールやマンションが立ち並び、また建設予定の箇所もあり、道路や歩道も広く整備され、まさにベットタウンとして開発が進んでいます。歩道等は割と色温度も低めで落ち着いた雰囲気。しかし圧倒的なあかりで自己主張をアピールする店舗(ラーメン屋やうどん屋)、街並みに合わせたように色温度の低いファーストフード店等、よく見ると統一感はとれていない感じがしました。
そしてどんどん増えていくマンション群。新しいマンションは共用部の照明も落ち着いた雰囲気で統一されている箇所が多く、団員から高評価でした。あまり印象が良くなかった箇所は八潮公園。もう少し照明計画を考えるといい空間にできたのではという意見がありました。八潮駅の前にあるショッピングモールは、一目でそれとわかる明かりで照らされており外から見ても目立ちます。夜はこのあかるさでお客を集客しているのでしょうか。中の店舗は、落ち着いた雰囲気の店舗がある一方、蛍光灯で統一された店舗があり、あまり照明はきちんと計画されていないという印象を残念ながらうけました。
ベットタウンとしての開発が進んでその街並みを整備していくのであれば、行政等を中心として、もう少し照明計画にもルールを決めて行ってもよいのではという感想をもった今回の街歩きでした。(坂口真一)

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八潮駅前通り 比較的色温度の低い街路灯
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八潮公園 もう少し照明計画に工夫があってもよかったのでは?

■ D 班:北千住

江戸四宿のひとつに数えられる宿場町「千住宿(日光街道と奥州街道の共通宿)」として発展し、現在、5路線が乗り入れる北千住駅を中心に、旧街道の街並みが残る西側商店街と、再開発で建てられた東京電機大学のある東側を調査しました。
まず全員が光の英雄にあげたのは、宿場町通りの照明。千住宿から各宿場までの地図と順番を記載した看板が付けられた街路灯は、通りの途中で町内会が変わった途端、器具デザインだけでなく照度も色温度もガラッと変わります。路面中央で75lx、3000K の適度な明るさで暖かい光の向こうに、スズランのような低照度の丸く白い光がパースペクティブに見える光景は、奥行き感が増して、奥へと誘導されました。
また、「これぞ、下町!」的な歴史を感じるファサードに、ぼやけた光のネオンが点いたスナックでは、まるで映画セットのようと立ち止まり、郷愁や哀愁を感じた団員がいました。
一方、光の犯罪者としてあがったのは、LED 化で高輝度になってグレアを感じる街路灯、紳士服店、蕎麦屋等でした。紳士服店ではファサードや入口天井に設置された蛍光灯の白い光が、周囲の光環境を壊すほど大量に照射されていました。店舗前歩道で1500lx、4500K。蕎麦屋では看板を縁取った高輝度のLED の光が、前方のみ照らして、看板を照明していないため、近寄らないと読めませんでした。
大学建物は現代的なデザインで、建物を魅力的に見せる建築照明が施されていました。学内の学びと休息・癒しの空間は、照明で明確に区分されて居心地がよく、また生垣のある裏道路は最小限の光で光源も見えず、安全性と落ち着いた雰囲気が両立した光環境でした。
大阪から初参加した団員もいた4 班のメンバーは、他の調査対象駅に無い下町の情緒溢れる街並みと、新しい学生の街が共存する北千住に、住人の気概や活力を感じたようでした。   (古川智也)

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北千住駅前で照度の測り方をレクチャー
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北千住 宿場町通り

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