照明探偵団通信

照明探偵団通信vol.93

Update:

発行日:2018年11月2日
・照明探偵団倶楽部活動1/第61回街歩き:品川 (2018/09/25)
・照明探偵団倶楽部活動2/第59回照明探偵団サロン (2018/10/02)
・照明探偵団倶楽部活動3/照明探偵団Jr. 大三島ワークショップ (2018/09/08)

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第61回街歩き:品川

2018/09/25 坂口真一+小口尚子+東悟子

常に変貌を遂げている品川駅。新駅の開業、高輪口の広場整備計画、リニアモーターカーの乗り入れなど、大きな計画が続きます。その変化を見逃さないよう高輪口、港南口に分かれ調査してきました。
しとしと降る秋雨の中、「品川駅周辺の今を見て、未来を想像してみよう」をテーマに、変化のめまぐるしい品川を高輪、港南、北品川と3班に分かれて街歩きを行いました。全く違う表情を持つ3つのエリアの街歩きは、品川の奥深さと今後の可能性を感じさせるものとなりました。

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青い看板の光が反射している新駅工事現場

■1班:高輪口側

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品川駅に集合!
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小雨の中、街歩きスタート

1班は高輪と呼ばれるエリアを街歩きしました。高輪口を出て、国道15号線を横断しプリンスホテル横の坂を上ると品川とは思えない車も入っていけないような狭い路地に住宅が密集するエリアになります。お寺なども点在し、昔懐かしい昭和的な印象を与える街並みは、ほっとするような心安らぐようなそんな佇まいになっていました。普段であれば、犯罪者と判断されるような防犯灯も許されるような空間でした。お寺裏のお墓があるような場所はところどころ暗がりが広がり、少し恐く感じる所もあったのですが、歩いていて予想していない思いがけない風景に出会え、様々な要素が隠れている楽しいエリアでした。
住宅街を出て、国道15号線に沿って品川駅に戻ると、田町と品川駅との間に新駅の工事現場が見えます。新駅の前に建つビルから看板の青い光が新駅に反射していたのですが、それは偶発的な英雄とされました。しかし新駅が開業し、人が行き交うようになれば、どこもかしこも青く染めてしまうこの看板の光は犯罪者になるだろうという意見でした。
品川駅から眺めると高輪口はホテルや商業施設がが並ぶ“人が訪れる街”という印象があったのですが、意外にも“人が住んでいる街”でもあることに気づかされました。今後どのようにこの住宅街が他の要素に取り込まれずに残っていくのかが楽しみです。             (東悟子)

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品川とは思えない、ひっそりとした住宅街
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昭和の面影残る住宅街 防犯灯もどこか懐かしい

■2班:港南口側

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雨の中でも記録に余念がない団員

2班は、港南口をでてソニー本社、シーズンテラス等の開発施設および、昔からの雰囲気の残る横丁等を9名で街歩きしました。ソニー本社、シーズンテラス等の施設はそれぞれその開発時期の特徴?が現れているのか英雄あり、犯罪者あり、各団員が興味深く観察することができました。どの施設も緑を使ったテラスのような場所が多くあり、特徴を活かしてライトアップを実施しているのが印象的でした。特に、シーズンテラスの中庭は、遠くに東京タワーを見ることが出来、雨上がりだったせいか他のお客様は少なかったのですが、非常に心地よい空間であるという意見が多かったです。これに対しインターシティの中庭については20年前の開発にしては上手く出来ているという意見や、落ち着かないという意見があり、これも観察する人によって感じ方が異なり、とても興味深く感じました。(人により感じ方は異なるので正解はないのでしょうが・・)昔から続く横丁のような雰囲気のエリアについてもそれぞれの店舗がお客様を引き寄せる照明を工夫しているのですが、やはりどこの街歩きをしても犯罪者になるのは防犯灯でした・・。港南口エリアは、個々に再開発がおこなわれていますが、それぞれが時代の最先端を目指して開発したような雰囲気を感じることができ興味深く街歩きすることができました。
これから品川駅周辺は反対側の高輪口から新駅エリアにかけて再開発が行われますが、港南口エリアも、各施設の特徴を活かして一緒に発展していってほしいと思います。       (坂口真一)

⑫港南口 横丁 ビール瓶型 提灯かわいい_英雄
港南口 横丁
ビール瓶型 提灯かわいい_英雄
⑦25lx_シーズンテラス裏 東京タワーまで一直線 抜け感のある道 木々のライトアップも綺麗_英雄
25lx_シーズンテラス裏
東京タワーまで一直線 抜け感のある道
木々のライトアップも綺麗_英雄
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5lx_インターシティ庭
ビルからの漏れ光と低い位置の暖色系の灯暗いけど良い雰囲気_英雄

■3班:北品川→品川港南口

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白色と電球色が混在している街路灯

3班は、東海道五十三次の一番目の宿場町「品川宿」があった北品川方面へ向かい、まずは北馬場参道通りを歩きました。白色と電球色が混在している街路灯や、商店街の入り口であるゲートに対してコンビニの照明が強い等、全体的に色温度や照度に統一感がなく、落ち着きはあまり感じられませんでした。
その後に歩いた北品川商店街は北馬場参道通りと同意匠の街路灯がありましたが、参道に面したお店も含めて電球色で統一されており、商店街の営業時間が終了していてもさみしい印象は全くなく、とても落着いた温かみのある光が街並み全域に感じられました。
北品川商店街の周辺環境も、雰囲気を壊さず電球色でまとまっているマンションや建物が多く見られ、古くからある建物を利用した飲食店も街の景色と馴染んでいました。
その後は品川インターシティ方面に歩いていきました。北品川から品川への道は、スケールの大きなマンションやオフィスが立ち並ぶ中にも都営住宅等が昭和を感じさせつつ、工事整備中の光るカラーコーン達がインスタレーションとなり、平成の次の時代を予感させるものがありました。また、施設間をつなぐ通路は、バリードライトだけで明るさを取っていて無駄のない計画で、心地よく感じました。埋め込みの器具もグレアに気を使っていました。
全体的な感想としては、品川駅の都会的な感じから、少し離れると北品川のような少し情緒的な街並みもあって、色々な表情がある街でした。北品川から品川にむかって歩くと突如視界が開けて一気に街のスケールが大きくなる感じや、新しく開発されている部分とそうではない部分が分かれている街であり、街と街のつなぎめが面白い街でした。全てを無理に新しくするのではなく、古くても新しいものに劣らない魅力も大事にしながら、2020年に向けて進化していく品川をまた街歩きしたいです。            (小口尚子)

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商店街の象徴的な鳥居にコンビニの強い光があたり雰囲気を台無しに
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全体的には落ち着いた温かみのある街並み
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カラーコーンが未来を思わせるインスタレーションションのよう

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懇親会での発表の様子

企業の本社が並ぶオフィス街、宿場町の面影が残る商店街、暗がりも残しつつ穏やかな雰囲気を保つ住宅街といろいろな要素を持つ品川。それぞれを活かしながら発展し続ける品川は今後も注目すべき街のようです。数年後、新駅開業した後にもう一度街歩きを行い、今回の街歩きと比較してみたいと思います。           (東悟子)

第59回照明探偵団サロン

品川街歩きレビュー
2018/10/02 東悟子

9月開催の品川街歩きのレビューを開催。参加者が少ない会でしたが、色々な要素を持つ品川についての会話が弾みあっという間の2時間でした。

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少人数でアットホームは会になりました
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食事をとりながら発表に耳を傾ける

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発表資料 光の英雄を写真を使って解説
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発表資料 犯罪者とした理由も説明

9月末に開催した品川街歩きのレビューを行いました。街歩きの班毎にそれぞれの光の英雄と犯罪者、街歩きの感想を発表。人数が少なかったせいか、身内でのカジュアルな意見交換会の様なざっくばらんな会となりました。
高輪側を歩いた1班からの発表では、駅周辺のビル街のイメージしかなかったが、細い道や急な坂などの昔ながらの風景も多く残っているのだと知ることができたとの感想が聞けました。また新駅の工事現場をみた団員からは青い看板からでている光を単体で見るとまぶしく周囲への影響も大きい照明だったが、偶然工事現場に青い光が拡散していて綺麗だったとのコメントが。ただし今は英雄との意見が多かったが、開業して新駅を人が利用するようになると、青く光る看板はまぶしすぎて犯罪者になるだろう、という結論になりました。
2班がまわった港南口近辺はシーズンテラスのようにここ数年で開発された施設から少し前(15~20年くらい前)にできたインターシティのオフィス街、繁華街のど真ん中に突然現れる 古い飲み屋街の横丁があったりと、新旧がごちゃ混ぜでとても面白いエリアだったとのこと。照明環境も最新LEDを使って光の制御を試みている施設から一昔前の蛍光灯を使ったライン照明の手法、横丁の白熱灯の提灯まで様々なものが見られたとのことでした。
3班は品川駅の都会的な感じから、少し離れると北品川のような少し情緒的な街並みもあって、色々な表情がある街を調査。北品川の人に近いスケール感の街から品川にむけての高層のビル群へと街のスケールが大きくなる感じが面白かったとのこと。全てを無理に新しくするのではなく「居残り連」などのお店のように古くても新しいものに劣らない魅力を照明の力で引き出していって欲しいという声もあがりました。
始めて街歩きに参加された団員からは.同じライティングを見ても人により見方が異なること、通勤で見る品川と歩いて見る品川が異なること、そして品川は少し歩くだけで新旧の照明と建物が混在するため、街の表情が多彩なことなどの意見が挙がりました。また歩いている途中疑問に思ったことを、他の団員と話し合えたのが、有意義だったといううれしい声も。目で見ているのと同じように写真に残すのには工夫がいることを改めて感じたという意見も聞かれました。
美味しい食事と少々のお酒と、照明が好きな人たちとの会話で、有意義な2時間となりました。
                  (東悟子)

照明探偵団Jr. 大三島ワークショップ

あかりでまちをつくろう!
2018/09/08  東悟子  
建築家の伊東豊雄氏が開校している建築塾のお誘いで、瀬戸内海の大三島でたてもの型の行灯を作るこどもワークショップを行いました。定員20名のところ35名もの参加がありにぎやかな会となりました。

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生憎の雨だったので、集合写真も室内になりました

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会場となった大三島憩の家

伊東建築塾に招聘され愛媛県今治市大三島でこどもワークショップを行いました。
参加者は今治市の小学生と東京の伊東建築塾所属のこども達35名、その保護者やボランティアスタッフ。廃校になった小学校をリノベーションして宿泊施設となった大三島憩の家にて開催されました。
海岸沿いに建てられた自然一杯の環境の中で、闇体験ワークショップができると期待していたのですが、当日は生憎の大雨。室内でのワークショップとなりました。
こども達はあかりの歴史や光源の種類のレクチャーを受けた後、行灯作成に取り掛かりました。今回のワークショップの主題は「あかりでまちをつくろう」。建物や木の形の行灯を作り、その行灯で街を作ります。伊東建築塾らしくTOD’S表参道ビルやMIKIMOTO Ginza 2を含む5種類の型紙を用意し、それぞれこども達が好きな型紙を選びます。同じ型紙でもそれぞれに工夫を凝らし、穴をあけたり、セロファンを貼ったり、トレーシングペーパーで透けるように工夫したり、出来は様々。型紙に頼らず全く新しい形に挑戦している子もいました。
限られた材料と1時間というかなり短い作業時間の中、速くできた子は友達の分も手伝い、何とか完成にこぎつけました。
出来た行灯の中のキャンドルに火を灯すと、こども達の「わぁ」という声が上がります。あかりを入れる前と後では、行灯の見え方が全く違う事に驚いたのか、ただ単にきれいだなと思ったのか、こども達はとてもうれしそうでした。
ひとつのキャンドルのあかりがとてもきれいで明るい、ということに気づいてくれた夜になったのではないでしょうか。
あまりあかりや照明について深く考える機会がないこども達にとって、夜の在り方を考えるいいきっかけになっていたらいいなと思います。お家に帰ってもたまに照明を消して行灯を灯してくれるといいですね。(東悟子)

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あかりの歴史を解説する面出団長
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行灯づくりに集中するこども達
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35名のこども達とその保護者、ボランティアスタッフ

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主催:今治市伊東豊雄建築ミュージアム
企画協力:照明探偵団
写真:吉野歩、照明探偵団

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