連続実践講座 あなたも照明探偵団
藤森照信 (建築史家・路上観察学会会長)/赤瀬川原平 (美術家・作家)
~探偵団員になるための5つの心得を身につけよう~
タイトル通り、照明探偵団の連続講座の幕開けとしてのイントロ的な回で、ゲストには建築探偵・路上観察の大家であられる藤森氏、赤瀬川氏をお迎えした。
面出により、照明探偵になるための5つの心得が紹介される。
1. 常に身の周りの光の害に憤慨すること
2. 深く鋭く現場の光を観察すること
3. 芸術的な光に大袈裟に感動すること
4. 感動的な光の内容を冷静に推理すること
5. 光の体験を継続的に蓄積すること
このモットーを胸に、探偵団が今までどのような活動をしてきたかを、探偵団員がスライドで各国での調査報告をした。
藤森・赤瀬川両氏による路上観察の面白さ、遊びともいえる観察のなかで、「見ることー目のウロコを落とすこと」の重要性を強調。「見るというのは一回だけの体験だが、それを繰り返していく。路上観察を10年続けて、見ることを純化できるようになった。人間の目の知られていない可能性がやっと見えてきた感じがある。そこに思想が生まれる」(藤森氏)。
また、もう一つの論旨は、現代都市において光を追い求めてゆくことは、逆に、光のない闇の世界(原始の状態)に惹かれて行くのではないか、ということであった。 講座の参加者も含めた探偵団の仲間が、目のウロコをバリバリと落としてゆけるように願って、第1回は幕を閉じた。