2008年6月21日 夏至
キャンドルナイトがキャットストリートから表参道に場所を移し、今回で5回目を迎えました。
”でんきを消して、スローな夜を。”というキャッチフレーズでおなじみのキャンドルナイトは、現代に生きる私たちのライフスタイルを見つめ直すきっかけを作ることを目的として、環境NGOが発案したイベントです。夏至の夜8時から10時の間、でんきを消して、キャンドルに火を灯してすごしてみませんかという緩やかなつながりのもとに、今年は全国で938件ものイベントが行われました。
そのひとつである照明探偵団が関わるキャンドルナイト@OMOTEASNDO-Eco Avenueの今年のテーマは、「Dialogue 闇で対話・あかりで対話」。今年も美術大学の学生たちや社会人の方々がボランティアで参加して下さり、表参道のカフェや表参道の通り沿いでさまざまなキャンドルのインスタレーションやオリジナル行灯などの仕掛けを企画しました。
2月のキックオフミーティングを皮切りに、6月の本番までの約5ヶ月間をかけて準備しました。そして今年は監修として面出団長、文化人類学者の竹村真一さんに加えて、スペシャルゲストとしてグラフィックデザイナーの佐藤卓さんがミーティングの段階から参加して下さいました。キャンドルの作品を作るチームはそれぞれの力作をプレゼンテーションし、アドバイスや時には辛口のコメントを貰いながら、みなさんがんばって準備を進めてきました。
イベント前日、次の日の予報はあいにくの雨。しかし、これまで多くの時間を費やして準備をしてきた私たちはこの天気予報には耳を貸さず、「大雨じゃないかぎりやります!」と参加者のメーリングリストにはメールを流したのでした。
そして迎えた当日。しとしと雨だったのが、イベントの開始時間が近づくとともに雨がどんどん強くなります。屋外で行う予定のキャンドルインスタレーションはもしかしたら難しいかもしれない・・とラルフローレン前のテントで心配していると、面出団長がキャンドルナイトの余っていたポスターで即席のてるてる坊主を作りました。その歪な形に「美術大学の先生が作ったものとは思えないなぁ」とご本人は苦笑されていましたが、なんとその数分後に雨が止み、開始時刻の8時には屋外のインスタレーションも無事キャンドルに点火できたのでした。
今年も去年に引き続き、消灯・減灯に協力して下さる店舗や施設が増えました。キャットストリートで2003年に始まったキャンドルのあかりが全国的に広がりをみせています。ちいさなキャンドルのあかりを見つめながら、多くの人とのつながりを感じた夏至の夜でした。
(向田麻衣, 撮影:青木信之)