1996年7月23日
5月の講座のテーマに付随した企画で、実践イベントとしては2回目である。 大きなタワーや橋、お城といったモニュメンタルな構造物のような大がかりなライトアップではなく、日常的な生活の場の中に埋もれている景色に、少しの光で景観としての魅力を与えようと実験は行われた。 必ずしも光の足し算をする、と言うことではなく、時には不必要な光を消したり不快な光を整えることも含め、身近な生活空間のなかに夜の快適さ、美しさをつくっていこうというのが本実験の主旨である。 今回の実験地は、数回にわたるロケハンの結果、
1. 東京の典型となる空間イメージを持つ街
2. 川や運河などの水がある街
3. 銭湯をはじめとする住民の生活がうかがえる街
という条件に見合った品川区南品川1丁目界隈が選定された。
当日の実験参加者は照明探偵団と応募による市民参加者、協賛照明メーカースタッフの計60人と、それに地元の見学者が加わった。小雨の中、鎮守橋・荏原神社・天神湯の照射が午後5時半より約3時間にわたって実施され、最後は鎮守橋をろうそくと花火で闇から浮き上がらせる祭祀的フィナーレで幕を閉じた。 なお、このイベントの模様は、7月29日のテレビ朝日「ワイドスクランブル」で紹介された。
鎮守橋
荏原神社
天神湯