連続実践講座 あなたも照明探偵団
妹島 和世(建築家)
~電車、自動車、船、飛行機、多くの電照移動箱が
夜に生き物のように行き交わっている~
闇夜の火祭りに、夏の花火に、スタジアムの夜間照明に、ガード下の赤提灯に、ラスベガス調に輝くパチンコ屋に・・・私たち人間は光の誘惑にさそわれるままに吸い寄せられる。現代都市のファサードは多彩に発光し、あの手この手で人の目を誘う。東京のような光の飽和状態にあって、いったいどのように光を選択し、誘われているのだろうか?照明探偵団は「3種の暇人(女子大生、日本語のわからないガイジン、普通のおじさん)ブラブラ紀行」の取材ロケを吉祥寺にて行い、光に誘われるままに歩いてもらい、その結果、誘われる光について3つのキーワード「図と地の関係」「○○らしい光」「需要と供給の関係」を挙げた。
また、建築は夜の帳が落ちたとき、どれほど魅力的な顔を見せられるのか。ゲストの妹島氏による軽やかなデザインのパチンコパーラーに見られるように、従来の「光で誘う・誘われる文化」の代表格であるパチンコ屋の様相も存在価値も時代と共に変貌しつつある。しかし、街の中には「誘ってホイホイ」、商魂たくましい強烈な光が圧倒的に多い、とは皆の意見。