街歩き・サロン

第41回照明探偵団街歩き 「アジアンレストランあかりのフィールドワーク」

2011年4月9日

アジアン街と飲食店のあかり調査

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街歩きに参加団員が集まって、フィールドリサーチについてのオリエンテーションを行いました。

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節電されている大久保。ファサード照明や看板照明が消灯したり、歩道や道路用照明も一つ置きに点灯していました。

日没の前に新大久保駅の近くに全団員が集合し、SQUAD第2班の3人担当者が当日のアジアンレストランのあかりフィールドリサーチを説明しました。4-5人の少人数でそれぞれの班が違ったアジアンの国のお店に行き、美味しい物を食べるとともにお店全体のあかり調査に取り組んでいただけました。照明探偵団では街歩きの計画として初めてにかかわらず、団員が責任を持って、内容の濃い記録を残しました。

最初に全員で節電されている街を観察しました。集合場所から大久保駅に向かって、大久保通りを歩き、大久保駅で折り返し、再び大通りを観察しました。細い道であるコリアン通りに右折、職安通りまで出て、職安通りを少し、観察してから、5班に分かれ、アジアンレストランへと移動しました。たっぷり飲んで、食べて、調査してから2時間後に韓国の飲食店で第二集合場所にて、簡単な報告会も開きました。

当日の街歩きルート:

新大久保駅

大久保駅

コリアン通り

職安通り

5班に分かれてアジアレストラン調査へ

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グループ調査の結果

Group1 担当店舗:台湾「台南担仔麺(たいなんたあみ)、職安通り店」 By: 古川 智也団員

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台湾店のファサード:黄で縁どりされた赤地に、かなり凝ったデザインのロゴの看板と、赤い提灯がお店の目印。入り口のアイレベルの鉛直面照度は30~50lx

職安通りから大久保公園への筋を入って10 数m。コリアンタウンのイメージが強いエリアに、オープンして20 年近く経つという台湾料理のお店です。周囲の韓国店や中華店に押されて、つい見落としてしまいそうなファサードですが、4 団員がつけた外観の平均スコアは76 点。デザインに凝ったロゴの看板が反射グレアで見づらく、消灯中の提灯は内照式の方が屋台の 雰囲気が出るのではないかという意見等でした。しかし、窓のデザインやドアノブの彫刻は、デザインへの拘りを表すもので、店内の設えへの期待が膨らみます。 店内は、電球色で家庭的な雰囲気に包まれて、居心地がとてもよい空間でした。内装は天然素材を使い、赤・茶・白で統一されたインテリアには随所に装飾が施され、お客を飽きさません。丸い木製テーブルと丸椅子は初対面のメンバーの距離感を縮めて、団長からリサーチ直前に出された課題の「台湾店と中華で何が違うか?」に会話が弾みました。  

4 団員の店内平均スコアは87 点。お品書き札周辺の白色の光やニッチ照明等が気になりました。一方、天井開口が四角形のバッフルタイプのダウンライトは、不快グレアがなく、お店の雰囲気にあっていて印象的と皆、加点ポイントに挙げました。そして、料理やお酒、サービス、価格を加えた総合平均スコアは89 点。バックグランドや価値感、お店への期待度は4人それぞれですが、ワヤワヤと楽しめて大満足のお店でした。

Group 2 担当店舗:韓国「はんあり」 By: 高橋 桃子団員

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韓国飲食店「はんあり」店内はとても明るく、活気のある空間。

2班は、新大久保の中でも特に韓国関連店舗がひしめく「コリアン通り」にある韓国料理店「はんあり」を担当。このお店でまず目をひくのは、おじさんのイラストのある看板。この看板は外照式ですが節電のため消灯されていました。その他外観には内照式のメニュー看板が使われていたり、街路灯(水銀灯)、店内の明かりにより、店舗前面にも十分な明かりが保たれ ていると感じました。入り口付近の照度は100lx、色温度は2900K でした。

店内はペンダントとダウンライトを使用。照明器具の数は多くないものの一点一点の照度が高く、机の上は非常に明るく、照度75lx、色温度2500K でした。 店内には、同店を訪れたと思われる韓流スターの写真・ポスター・色紙が飾られています。

2 班が注文したのはもっともベーシックなサムギョプサルがメインのコース。店員が豚肉の塊をハサミで切って焼いてくれるスタイルで、その肉の焼ける音がかなり大きく、我々が話す際にも大きめの声を出さないと聞こえないくらい活気のある店という印象でした。 この店はコリアン通りの中でも人気店で、店員によると客の9 割は女性が占めてます。肉だけでなく野菜もたっぷり摂れ、リーズナブルで明るい雰囲気、という3 拍子揃った店舗で我々も杯を進めつつ楽しく調査をすることができました。

Group 3 担当店舗:中華「鼎流飯店」 By: 松山 篤史団員

20110409_06中華飲食店「鼎龍飯」の外観。お店前の路上は10lx、入口階段あたりは15lxぐらい。強烈なスポットライトは150Wのハロゲンランプ。
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鼎龍飯の平面図。照明の配置とルクスの計測。

我々3班のメンバーは、大久保通りより路地へ少し入ったところにある鼎龍飯店という中華料理店をリサーチしてきました。

お店の周辺には他に目立ったファサードがなく、道路面の照度は14lx と非常に暗いです。そのため、白熱灯の入った提灯や内照式看板は大通りから見ても非常に目が点きやすく、また門構えなど随所に見られる赤い色からは中華料理店らしさを感じられました。

中国において、赤は旧正月や結婚式などのときによく使われるおめでたい色であるため、このような配色によってお客さんを歓迎してくれているようでした。しかし、提灯や看板以上に目立ってしまっていたのが、お店の入り口付近に取り付けられた駐車場用のスポットライト。照明器具の設置位置が低いためか照射角が水平に近く、これでは大通りからお店に近づくお 客さんの目に強烈なグレアを感じさせてしまうため、設置方法に工夫がほしいと感じました。

お店の中はというと、テーブル・照明共に非常に均斉のとれたレイアウトとなっていました。ダウンライトで等しく照らされたテーブル面は110?130lx と明るくほとんどムラがありません。まるで一般的な日本料理店にもそのまま活かせるライティングであったため、【中国らしいライティングとはどのようなものか】という問いの答を見つけることは残念ながらできませ んでした。

現在日本にはたくさんのアジア料理店が進出しています。その全てが現地の料理、インテリアを取り入れているわけではなく、あくまで「日本人のもつ現地のイメージを再現した」お店が多いのではないかという感想を持ちました。

Group 4 担当店舗:タイ「ソムオー」 By: 植野 正士団員

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タイ料理店内:お店が二つに分散、厨房の白い蛍光灯側と客席の電球色のハロゲン側。

4はタイ料理店を担当、周辺の白い看板や街路灯の中で、オレンジやグリーン、タイ国旗のブルー・レッドの色豊かな印象でした。多数のあかりが混在する外観は、賑やかな雰囲気を彩っています。店頭のメニューパネルは内照式の他、ビームランプで照らされたものがあり、たいまつ風のブランケットや豆電球イルミネーションも目立ちました。入口前の道路床面 照度は100 lxを計測しました。

50 席程の店内は、おもにライティングダクトにスポットライトを配し、テーブルと壁の装飾を照らしています。光源はハロゲンランプ(60w くらい)です。全体として明るい印象を受け、陰影は均一的な光に埋もれ、際立ちをみせてはいません。天井からの光が主で、機能的でモダンな空間でした。店内の明るさが賑やかな空間をつくり、ファサードの印象と統一されてい ます。机上面200 ~ 250 lx、鉛直面30 lx、色温度2400K を測りました。

個人的には、70 点の空間。青白い蛍光灯の光で覆われ、閉鎖的な厨房に疑問を抱いています。タイの活気を空間にもっと注いで欲しいと思いました。ただ、サロンで「敢えて見せたくないのではないか」という指摘を頂きました。確かにスタッフの人数と席数の関係にしては、料理はスピーディに提供され、その連携は見事でした。厨房をオープンにすることは、それなりの代償があるのでしょうか。「どこに力点をおいて、空間がつくられているか」という新たな視点が築かれました。 大久保通りから分かれる小道にあるネパール料理屋が5班の調査対象でした。ネパールカラーの赤と青の布が庇にかかり、電球型蛍光ランプと内照式メニュー看板、エントランスに巻きつくイルミネーションでお店の存在を示しています。クリスマスの名残のようなイルミネーションは、このお店だけでなく他のアジアン料理屋でも多くみられました。

明るい階段を下りて店内に入り、その暗さに班員は驚きました。店内の主な照明は、各テーブル上に吊られたシェードつきランプと壁を照らすスポットライト数台のみです。卓上照度は15 lxで2700Kほどの色温度でした。シェードランプは電球型蛍光ランプの周りを曼荼羅のような柄の布地シェードで囲ったもので、卓上から80 ㎝程の高さ、ちょうど座った時に頭の上あたりに吊られていました。シェードが分厚くあまり透過しない素材であるためか、眩しさはありません。互いの顔や料理はやんわりと見える程度ですが、食事や会話に集中でき、居心地の良い暗さだという意見で一致しました。「何がネパールらしいか」に関しては、BGMのネパール音楽、壁に貼られた山の写真、ランプシェードの曼荼羅のような絵、といった要素があがりました。ネパール人の店長さんに伺ったところ、現地のレストランもこの程度の明るさということでした。内照式のメニュー看板ではなく、メニュースタンドをスポットライトで照らすなどにして、店内のしっとりした雰囲気を入り口まわりの照明で表現できると、より魅力が増すのではと思いました。

Group 5 担当店舗:ネパール「KBKitchen」 By: 東 悟子 

s_20110409_09ネパール料理店。暗い店内はネパールのお店では普通だそう
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ネパール料理店、KB Kitchenの平面図と断面図。照明の配置と照度を計測

大久保通りから分かれる小道にあるネパール料理屋が5班の調査対象でした。ネパールカラーの赤と青の布が庇にかかり、電球型蛍光ランプと内照式メニュー看板、エントランスに巻きつくイルミネーションでお店の存在を示しています。クリスマスの名残のようなイルミネーションは、このお店だけでなく他のアジアン料理屋でも多くみられました。

明るい階段を下りて店内に入り、その暗さに班員は驚きました。店内の主な照明は、各テーブル上に吊られたシェードつきランプと壁を照らすスポットライト数台のみです。卓上照度は15lxで2700Kほどの色温度でした。

シェードランプは電球型蛍光ランプの周りを曼荼羅のような柄の布地シェードで囲ったもので、卓上から80㎝程の高さ、ちょうど座った時に頭の上あたりに吊られていました。シェードが分厚くあまり透過しない素材であるためか、眩しさはありません。互いの顔や料理はやんわりと見える程度ですが、食事や会話に集中でき、居心地の良い暗さだという意見で一致しました。

「何がネパールらしいか」に関しては、BGMのネパール音楽、壁に貼られた山の写真、ランプシェードの曼荼羅のような絵、といった要素があがりました。ネパール人の店長さんに伺ったところ、現地のレストランもこの程度の明るさということでした。

内照式のメニュー看板ではなく、メニュースタンドをスポットライトで照らすなどにして、店内のしっとりした雰囲気を入り口まわりの照明で表現できると、より魅力が増すのではと思いました。

当日に使用した調査シート
当日に使用した調査シート

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