照明探偵団通信

照明探偵団通信 Vol.61

Update:

発行日:2013年12月02日
・照明探偵団倶楽部活動1/ナイトワォッチングツアー@須賀川松明あかし (2013/11/09-10)
・照明探偵団倶楽部活動2/こどもワークショップ@江戸東京たてもの園 (2013/11/22-23)

夜景ウォッチングツアー:須賀川松明あかし

会場となる五老山すべての松明に点火され、祭りもピークに。
会場となる五老山すべての松明に点火され、祭りもピークに。

日本三大火祭りを見に行こう!

2013.11.9-10  本多由実 + 黄 思濛 + 東 悟子

久しぶりに開催されたナイトウォッチングツアー。目的地は福島県須賀川市。日本三大火祭りの1つ〝須賀川松明あかし”を体感しに、照明探偵団員19名、東京駅から3時間のバスツアーに行ってきました!

戦国時代、伊達正宗との戦いに敗れ戦死した兵の鎮魂の目的で始まったこのお祭りは、400年以上も続く伝統行事。東日本大震災の犠牲者と東北復興への祈りもこめられて行われています。祭りは須賀川の大通りを大松明を運ぶところからスタート。29 本の高さ10M、重さ3t の松明が手で運ばれ、五老山の頂上に建てられます。探偵団が会場に到着したのはまだ明るい頃で、ちょうど一番大きな松明を引き上げている最中でした。松明は大松明1 本、姫松明1 本と、本体松27 本の合計29 本立てられます。人力で少しずつ立ち上げるので随分と時間がかかっていました。点灯3 時間前でしたが、すでに大勢の人が見学の為の場所どりをしていました。

夕方5:00 になると、白装束に身を包んだ20 名ほどの青年の一団が、二階堂神社から御神火を受け取り、五老山の大松明を目指し、街を走り抜けます。青年たちの凛とした顔は、さながら戦国時代当時の若武者のよう。追いかけてついていこうと思いましたが、あっという間にはるかかなたに消えていました。

暗くなってきた頃、小松明-火を吊り下げた子供たちの行列が会場に到着しました。竹竿に火をぶらさげた小松明、普段は接しない大きな火の塊を運ぶのに、子供たちは少し怖そうでした。一般参加もできるので、探偵団員10 数名も松明を運びました。少し腰が引けていて、きゃあきゃあ叫びながら運んでいる様子は子供たちとさほど変わりませんでした。

五老山に到着した小松明は、次々に準備された柵にかけられ、勢いよく燃え移っていきます。竹がはぜる音もあいまって、一気に会場のテンションが高まりました。

しばらくして大松明、姫松明も立ち上がり、先ほどの青年たちが神社から運んできた御神火が順次灯され、10m もの松明が29本、勢いよく燃えていきました。

松明が倒れてきたら下敷きになってしまうくらい近い位置から眺めていたのですが、天を焦がしながら火の粉が飛び散る様子は圧巻で、都会では見られないスケールの炎に圧倒されました。

花火の音もそうですが、各国各地で行われる火のお祭りで、その国の雰囲気を強く印象つけるのに、音は一番大きな要素なのかもしれません。今回は炎だけではなく、竹のはぜる音や背後で演奏される太鼓、といった音の演出が雰囲気を盛り上げるのに重要だと再認識しました。

燃え盛る炎を間近にみると、時は400年経ってはいるけれど、火を前にした時の人の火への畏怖は変わらないのではないかと感じました。
(本多由実、東悟子)

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御神火を神社から受け取る白装束の青年。
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御神火を大松明が待つ五老山まで運ぶ。

一番大きい大松明が最後に建てられる。
一番大きい大松明が最後に建てられる
小松明をもって、テンションが上がる団員。
小松明をもって、テンションが上がる団員。

予想より大きい炎に腰がひけている。
予想より大きい炎に腰がひけている。
小松明は、大松明の周りの柵にかけて燃やす。
小松明は、大松明の周りの柵にかけて燃やす。

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大松明への点火は、人が登って行う
27 本全ての松明が30 分ほどかけて点灯された。
27 本全ての松明が30 分ほどかけて点灯された

徐々に燃え尽きる松明。
徐々に燃え尽きる松明。


火祭りの炎とともに参加者のテンションもマックスになった所で須賀川を離れ、バスで一時間かけて今回のツアーのもう一つの目玉である磐梯熱海の温泉旅館に到着しました。寒さの中で冷え切った体を豪華な料理とお酒で暖めました。普段なかなか食べない高級食材もあり、皆で小さな幸せに酔いしれました。食事の後はいよいよお待ちかねの温泉タイム。それぞれリラックスしたひと時を過ごしました。

温泉で満足した後は団員親睦会。皆がお酒とおつまみを持ち寄って会場となる部屋に集まってきました。照明探偵団初参加の人、団員でありながら都合があわずなかなか活動に参加できなかった人、そして今や照明探偵団活動の常連さんとなった人達、いろいろな人が一斉に集まりそれぞれの照明に対する思いを語り始めました。徐々に団員の交流も深まり、結局その日は夜の2 時までおおいに語らいました。
(黄 思濛)


火がなくては一日も生活できない日常。日々身近な火をさほど危険だという認識をせず過ごしていますが、実際に空を焦がし自分よりはるかに大きい炎を間近でみると、その激しさに恐怖を覚えます。この火に対する恐怖は本来動物として備わっているものであり、忘れてはいけないものなのではないかと思っています。

この体験を団員19名で共有することができ、いいツアーになりました。帰りの道中では次のツアー企画がいくつか上がっていましたので、来年も面白いものが実施できたらと思います。
(東悟子)

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IMG_8350「華の湯」前の集合写真
「華の湯」前の集合写真

行灯づくりこどもワークショップ@江戸東京たてもの園

~ 灯りの街をつくろう~
2013.11.22 & 23 東悟子+ 中山レイチェル

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ワークショップの二日間で、約50 人のこども達が行灯づくりに参加しました。

江戸東京たてもの園の秋の紅葉イベント「紅葉とたてもののライトアップ」の一環として照明探偵団のこどもワークショップを11 月の連休2 日間行いました。この会場でのイベントは3年目ですが、恒例の行灯づくりとこどものあかりパレードの他に新たな試みとして、小さなあかりの街づくりにも挑戦しました。

灯りの街を作ろう!!

江戸東京たてもの園で行う秋のイベント「紅葉とたてもののライトアップ」の一環として照明探偵団も招かれ、行灯づくり、あかりパレード、灯りの街つくりワークショップを行いました。今回のワークショップテーマは夜の闇とろうそくのあかりを体験、こども達の作った行灯を集合させて、大きな灯りの街を作ること。このテーマをもとに私たちの考えたゴールは次の2 点。①裸火の温かな明るさに触れ、少しでも火について知ること。②行灯づくりでは自分の作品だけではなく、みんなでひとつの街を作るということを念頭に、自分の行灯はどんな形がいいのかを考える。自分が作るのは1 個の行灯だけれども、参加者全員分の行灯でつくる灯りの街がどのようなものなのかを体感する。この2 つのゴールを設定してワークショップを進めました。

森型、お家型、窓がたくさんある台形型行灯

2日間に渡って、約50 名のこども達と63名の保護者の方が参加してくれました。3 時間のワークショップの中で最初の2時間はじっくりと行灯製作のために取りました。行灯づくりの事前準備と当日の説明は大学生ボランティア数名が担当し、三つの違うタイプの行灯を設計して考えてくれました。圧倒的に人気が高かったのは森型の行灯でした!!丸いベースから伸びるたくさんの枝が幻想的な森に変身しました。厚手のトレーシングペーパーでほんのり光るお家型行灯と台形に窓がたくさんある行灯の三つの形からこども達が選びました。

発見がたくさん行灯づくり

参加してくれたこども達のは年齢も幅広くて、行灯の土台が一緒であっても、出来上がった作品の一個一個が違いました。行灯のベースは色紙とトレーシングペーパーです。そのベースに好きなように絵を描いたり、6 色のセロファンをはったり、はさみを使って穴をあけたり、まったく新しい形に変えることもあり、自由に考えてもらいました。今回用意した材料は少なかったのですが、こども達は色々な方法を試し、発見はたくさんあったと思います。セロファンは内側や外側に張ったり、ぐちゃぐちゃにして立体的につけたり、きれいな形に切って、切り絵みたいなアートにしたりしていました。この2 時間でもくもくと作業を進めているこどももいましたし、手が止まってしまって、考え込んでいるこどももいて、そういう子には大学生ボランティアが優しく声かけして、どうしたらいいかを一緒に考え、アドバイスをしました。
(中山レイチェル)

夜のパレードと街づくり

行灯が完成すると、いよいよ園内パレードがスタート。明るい部屋から暗い屋外にでると、こども達のテンションも高まります。一人一人の行灯に火をともしていくのですが、「わぁ~、きれい」という声が聞こえてきます。私たちがワークショップをやっていて、一番うれしい瞬間です。

江戸東京たてもの園園内MAPとパレードのルート
江戸東京たてもの園園内MAPとパレードのルート

火を持って歩くのは初めてのこども達ばかりなので、出発前に火の注意をします。火は見ていてきれいだけれど、危ないものでもあること。これも大事な学習の一つ。そのことをしっかり話し、出発します。込み合っている園内を行灯を持って進んでいくと、他の来園者からも感嘆の声が上がり、こども達も上機嫌。暗い園内で、温かな灯りをもったこども達が通るとそこだけほっこりした空間になります。紅葉のライトアップを見たり、古民家で囲炉裏をみたり、暗い林を恐る恐る進んだりしながら、目的の広場に到着。スカイツリーにみたてた高い行灯をたて、灯りの街を作りました。にぎやかな街にしたい子、離れて暗い所にひっそりと家を置きたい子など、さまざまいましたが、比較的密集させる傾向にあった気がします。

お家でも時々お家の電気を消して、行灯のあかりをともして過ごしてほしいとコメントして、イベントを終了しました。参加した家族だけでなく、それを見ていた方々にも温かな行灯の良さを伝えられたのではないでしょうか。
(東悟子)

明るい部屋から暗い外へ

行灯づくりはもちろん明るい部屋で行うので暗くなった外のたてもの園内のパレードでは、どう見えるのかがこども達にとって、難しい所です。色々な材料を使って、たくさんの行灯を作って、そして、暗い所でどう光るのかを試すしかないのです。このデザインプロセスを少しでもこども達が分かってくれるとうれしいです。
(中山レイチェル)

大学生ボランティアが作り方を説明。
大学生ボランティアが作り方を説明
森モチーフの行灯を選んで、自由に描き足しします。
森モチーフの行灯を選んで、自由に描き足しします

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園内パレードの最後に、みんなの行灯を使って、大きな灯りの街をで作りました。
行灯づくりが終わって、面出団長を先頭に園内パレードがスタート。
行灯づくりが終わって、面出団長を先頭に園内パレードがスタート

暗い林を5人づつのグループに分かれて、間をあけて進みます
暗い林を5人づつのグループに分かれて、間をあけて進みます
おうち型行灯と森モチーフの行灯がきれいに光っています。
おうち型行灯と森モチーフの行灯がきれいに光っています

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園内パレードでは囲炉裏のある民家に立ち寄って、室内の様子を観察しました。
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園内パレードの最後に、みんなの行灯を使って、大きな灯りの街を作りました。

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