照明探偵団Jr.@江戸東京たてもの園
闇と囲炉裏体験ワークショップ
2018/12/01 黄思濛
団長の指示に従い、懐中電灯を当てる
色々な色で照射実験
本格的な寒さになってきた12月1日に江戸東京たてもの園でこどもワークショップを行いました。今回はライトアップニンジャ、暗闇体験、囲炉裏体験の3つを実施しました。
オリエンテーションの後、17名の小中学生の参加者が懐中電灯とカラーフィルターを持ち、園内の子宝湯の前に集合。団長の指示に沿って赤、青、緑、ピンク、オレンジのカラーフィルターで色を変えながら建物の壁面や看板を照らしました。結果は青色の光が大人気で子宝湯の白い漆喰壁には青の光が一番合うという結果に。隣にある大きな柳も照らしたところ緑が好まれるかと思いきや、フィルター無しの白い光が一番いいとの意見でした。
ライトアップの後は日本の古い建物の夜の姿を見て回りました。明るい夜に慣れたこども達にとっては400年前の日本にタイムスリップしたかのような町。みな興味津々に見ていました。
次は暗闇体験。普段真っ暗な闇を体験する機会がないので、明かりの無い林を一人で歩いてもらう事に。怖くて泣きだす子、お兄ちゃんに手を引かれ恐る恐る歩いていく妹、全然大丈夫と言いながら走っていく子、こども達の暗闇に対する反応は様々でしたが、暗闇には何かが潜んでいるという感覚は共通していたように思います。
最後は民家の囲炉裏を囲み、学芸員の高橋氏から昔の夜の過ごし方や囲炉裏の役割を聞きました。囲炉裏が昔の家にとってどれほど重要な役割を果たしていたのか、電気も暖房機器も無い時代、寒い冬に部屋の中央の囲炉裏が唯一の暖かい場所。家族みんなで囲炉裏を囲んで座り食事をとる。携帯もテレビも無い時代、そこにいる時間は家族の会話が弾む団らんの時間であったに違いありません。こども達は当時の生活の話を聞きながら手足を温めたり、照度計で火の回りの照度を図ったりと楽しく過ごしていました。
自然の光は不思議と人を惹きつけます。先端技術に囲まれ日々過ごすこども達も、囲炉裏の火に魅了され、燃え尽きそうな囲炉裏の火を見つめながらもうちょっとと呟いていましたが、ふっと最後の火が消えお開きに。
携帯ゲームなどが普及し、こども達が外で遊んだり、自然に触れあったりといった昔は当たり前だった光景が激減しています。画面越しでは感じ取れない森の暗さ、自然光の暖かさ、そんな体験ができる機会が減っている現実に少し悲観的になってしまいます。そんな中、今回のワークショップはこども達にとっても貴重な体験だったのではないでしょうか。
囲炉裏に集い髙橋氏の話を静かに聞くこども達
囲炉裏に吸い寄せられ自然と体が前のめりに