発行日:2020年12月23日
・照明探偵団倶楽部活動1/第64回サロン@ZOOM:『これからの探偵団街歩きを考える』(2020.08.28)
・照明探偵団倶楽部活動2/第66回街歩き with Small Group:5人までの少人数で街歩きをしよう! (2020.10-11)
・照明探偵団倶楽部活動3/第 65 回サロン@ ZOOM:Small Group 街歩きレビュー(2020.11.28)
・照明探偵団倶楽部活動4/ライトアップワークショップ in 秋保温泉(2020.11.18)
第64回サロン@ZOOM/『これからの探偵団街歩きを考える』
2020.08.28 東悟子
フィールドワークを主な活動としている探偵団。コロナ禍でもできる街歩きとはどんなものなのか、今何を見るべきかなのか、班に分かれて議論しました。
3回目となるオンラインでのサロン
各班で街歩きエリアを検討。名古屋班は街路灯調査を提案
コロナ禍でもできる探偵団活動とは何か。3月の終わりから街歩き企画運営委員会の SQUADと検討してきました。1人街歩き、面出団長の街歩き動画配信、ヴァーチャル街歩き、YouTube鑑賞会等、様々なアイディアが出されました。
5月には自宅から半径 100M の明かりを 1 人で調査し、オンラインで報告しあうという企画も実際に行ってみました。それぞれの住宅地のいい点や問題点がみられて、意義ある会となりました。
しかし、みんなで集まってフィールドワークするのを主な活動としてきた探偵団にとって、もっと違う活動はできないか、ということでメンバーから『これからの探偵団街歩きを考える』をテーマにどのような街歩きをしてみたいかのアイディアを募集。調査エリアやテーマが近い人を同じグループとし、1、関西・東海チーム、2、東京下町、古くからの商店街を考えるチーム、3、東京光害・新しい街づくりを考えるチームという3つのグループを作成。 各グループごとに分かれ、40分間街歩きテーマとエリアを検討した後、全体に発表し、実際に行う街歩きについて決めていきました。
関西・東海エリアチームは、名古屋栄の奇抜な街路灯調査と御堂筋イルミネーション調査、商店街を考えるチームは、谷中と麻布十番の商店街の明かり調査、そしてなぜか墓地調査、光害・新しい街づくりチームは、渋谷トイレ巡り&宮下パーク、オリンピック関連施設が多く存在する豊洲地区、駅前開発が進む立川をそれぞれ提案。参加人数最大5名までとして、参加者は希望エリアに申し込みをする形で実施することになりました。
通常であれば、1箇所に25名程が集まり、班に分かれて調査し、その日に内容を報告しあいますが、今回は各地5名がバラバラの日程で調査し、後日オンラインサロンで報告。参加者も自分の歩きたい場所を選択することができ、より参加者主体の街歩きになるようで期待感が膨らみます。
今回のサロンでは街歩きの検討だけでなく、団員から神津島の光害に配慮した街路灯の取り組みの紹介もありました。コロナが落ち着いたら、ナイトウォチングツアーでその街の様子を見に行こうという企画も浮上しました。オンラインでのサロンは、全員がフラットで、あまり気送れなく参加でき、各々の意見が出やすいように感じます。参加の敷居が低く、どこからでも気軽に参加できるという利点があるので、コロナが収まっても、オンラインサロンは続けていきたいと考えています。面白いサロンテーマがあれば、是非事務局までお送りください。(東悟子)
第 66 回街歩き with Small Group/5 人までの少人数で街歩きをしよう!
2020.Oct.- Nov. 古川智也+小口尚子+坂口真一+田村聡+雨宮卓+鈴木ゆか+小谷弥
コロナ拡大を防ぐため大勢での街歩きができないことから、参加人数を最大 5 名として、関西を含む7か所、7グループでの”Small Group” 街歩きを開催しました。 1 年ぶりとなる街歩き。コロナ禍で夜の街の賑わいに変化があったのでしょうか。
8月末に開催した『これからの探偵団街歩き企画サロン』の結果を受けて、最大5名までの少人数での街歩きを10月末から11月中旬にかけて7回開催しました。東京 5 か所、名古屋、大阪と7エリアを選定し、希望者で街歩き。1年ぶりとなる街歩きで、改めて実際に目で見て、その場で仲間と意見を交わすことの楽しさを痛感しました。今回エリアごとにテーマを変え、その街の特徴に迫りました。
■麻布十番~元麻布~西麻布
麻布十番大通り 温かいオレンジ色の光に石畳が映える
低層の高級住宅 ライトアップされた敷地内から高級感が漂う
伝統とモダンの街麻布十番は空海が創建したと伝わる善福寺の門前町として中世から栄え、現在は多くの老舗店や寺院に加え、大使館もある街です。団員 5 名が麻布十番駅に集合して調査開始。
麻布十番商店街で一番賑やかな麻布十番大通りには、古い佇まいのお店が軒を並べて、新旧様々な光が活気を与えていました。さらに街路灯のオレンジ色の光に石畳が映えて、温かい雰囲気に満ちた光環境でした。
老舗の和菓子店が有名な雑式通りの街路灯は白い光でした。グレア感があり、眩しくて落ち着かず、お洒落な街のイメージが台無しです。
住民憩いの広場「パティオ十番」は、石灯篭風のボラード照明の温かい灯りが、車と人の安全性と美しい景観づくりに効果的で、色つき始めた欅と調和して気持ちよく、全員が英雄に挙げました。住人の帰りを温かく迎えるマンションエントランスの柔らかい灯りや、間接光を多用してマンションの解放感を高めた明かりも英雄に。
一方、レディースのセレクトショップ店内から漏れ出る必要以上の光や、網代公園を照らす投光器のような強く白い光は光害という声が。
大黒坂を上ると、元麻布の閑静な高級住宅街。住宅や通りといった街全体の光の量が抑えられ、所々に住宅の存在感や高級感、美観を演出する光溜まりが設えられ、心豊かになりました。頭痛がする程の明るいビルエントランスの灯りは、全員一致で犯罪者でした。
風情ある光と刺激的な光が混在し、伝統とモダンが隣り合う独特な街ですが、整理や融合すれば、もっと素敵な街になるのではという意見に全員共感しました。
(古川智也)
■渋谷 デザイナーが設計した公共トイレ巡り
田村菜穂氏設計の東三丁目トイレ
渋谷班はまず、日本財団が実施する公共トイレプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を視察に。それぞれ個性の際立ったトイレながらも、いままでの公共トイレのイメージを払拭するような清潔感があり、明るさもきちんと確保されていて安全性を配慮した空間ばかりでした。片山氏デザインの恵比寿公園トイレは、シンプルな壁に間接照明と足元を照らすあかりで、この先にどんな空間があるのだろうかと入ってみたい気分になったり、田村氏デザインの東三丁目トイレは赤い外壁とア ッパーライトが印象的でした。中でも槇氏が手掛けた恵比寿東公園トイレは個性的なフォルムを持ちながらブラケット照明のみで構成された優しい光環境となっており、英雄となりました。ただトイレ周辺は高色温度で低照度な公園が多く、少し安全性に欠けるということで公園も含めた計画となると良いのではないかと感じました。
次に、今年 7 月オープンの MIYASHITA PARK へ。1 階の渋谷横丁は提灯や看板照明の活気ある赤い明かりが人々の楽しみや賑わいを作 っており、わくわくするということで英雄。公園の下にあえてハイブランドを配置している等、「MIX&MEET」というコンセプトは渋谷らしさがわかりやすく表現されている反面、明るすぎるシ ョップや大階段に対しては賛否両論ありました。トイレプロジェクトも含め、今後続く渋谷の再開発を継続的に街歩きしていきたいと感じました。(小口尚子)
宮下パーク入り口
渋谷横丁 活気ある赤い明かり
■豊洲 様々な開発が進む街
豊洲といえば豊洲市場が最近は話題ですが、私たちは豊洲ぐるり公園を中心に街歩きしました。まずはゆりかもめに乗り市場前駅へ。豊洲市場にはやはり夜なので入ることはできませんでした。周辺道路はどれも整備され、色温度が低い街灯が設置されていましたが、色温度が違う器具が所々あったのが少し気になりました。
豊洲ぐるり公園はジョギングコースとなっている為、夜でも安心して走れるように明るめにしてありますが、ちょっと明るすぎる感じがします。反対側のオリンピック選手村からみると、きっとまぶしく感じるのではないでしょうか。
豊洲大橋は意見の分かれるところ。華やかな色で鮮やかにライトアップされていますが、ちょっと明るすぎな感じがしなくもありません。意見の分かれるところだと感じました。
同じジョギングコースでも壁面がレンガでできており、とても落ち着いた雰囲気の場所もあります。いろんな雰囲気の場所をジョギングできていい、ということかもしれません。ららぽーと豊洲周辺では、バス停があまり見ない落ち着いた雰囲気のバス停で好印象でした。
豊洲ぐるり公園周辺だけの街歩きでしたので、変化に乏しいかと思いましたが、表情の違いを感じることはできました。印象的なのはジョギングコースの明かりで、これだけの開発をするなら周囲から見た様子もよく考えて整備する必要があると感じました。(坂口真一)
豊洲大橋のカラーライティングは意見がわかれるところ
落ち着いた雰囲気のジョギングコース
■谷中 古くから人気の商店街と住宅地
私たちの班は、「谷中銀座」を中心に、周辺の「不忍通り」「ヘビ道」「三崎坂」「御殿坂」等を、「商店街と密集した住宅地を巡る」というテーマで街歩きしました。
住宅地や各通りは、所々に色温度の低い照明で統一されたお洒落な店舗がありましたが、毎度おなじみ「LED 防犯灯」のまぶしさが気になる箇所が多く、犯罪者が多いという意見でした。酷いところは、低い位置に複数の灯具が連なる箇所もありました。反対に、昔ながらの水銀灯は、意外と好印象。嫌な気分にならないという意見が多数あげられました。
谷中銀座は、店の看板、店舗壁面のブラケット灯、街灯が雑多に存在し、まさにカオスな状態でしたが、店舗看板と壁面のブラケット灯(店舗の壁面に付いているのが珍しかったです。)は、色温度の低い灯具でまとめられて統一感があり、その光に集約されれば非常に落ち着いた良い空間になると思ったので、今後に期待、かつトータルコーディネートの大切さを感じました。
この周辺は 2014 年に LPA スタッフが調査していたので、当時の報告書と比較もしてみましたが、あまり変化はなく、LED の灯具が若干増えたかなという印象でした。
今回、久々の街歩きとなりましたが、やはり現地を歩き生の雰囲気を感じるのは、大切なことであることを再確認しましたし、ただ単純にとても楽しかったです。今回は少人数でまわりましたが、普段以上に色々と意見交換でき、とても充実していたと思います。暗いニュースばかりの昨今ですが、早くコロナが収束し、明るい気分で夜の街を散策したいものです。(田村聡)
カオスな照明群「谷中銀座」
谷中 ダントツの犯罪者「LED 防犯灯」
■巣鴨・染井霊園周辺 霊園の照明とは
今回、コロナ渦において小規模な街歩きを企画して我々が選んだテーマは霊園でした。霊園とは夜間どのようなあかりなのだろうか?選択したのは、都内巣鴨にある染井霊園。都営の霊園としては JR 巣鴨駅やとげぬき地蔵など繁華街が近く、その対比と共存状態を観察すべく選択しました。余談ではありますが、染井霊園には桜の古木が多くあり、「そめいよしの」はこの地の発祥となっています。
巣鴨駅から商店街を歩き 10 分、大通りから右に曲がると霊園の入り口があります。広さは 67.911 ㎡、およそ 3 万名の方が埋葬されている墓地。夕方 18:30 頃、霊園に入りましたが、想像していたようなおどろおどろしい風景ではありませんでした。園内には歩行者や、自動車も通行できる生活道路があり、LED の街路灯によりし っかり明るさが確保されていました。
主要通路は、地面で 6lux. ~ 4lux. が確保され、約 200m おきに設置されたソーラー・バッテッリ ー仕様のポール灯直下は 50lux ありました。
また、都内の広大な平地であることから、周辺の高層ビル街(池袋・新宿・上野)などの遠景のあかりが一望でき、空間の明るさ感が確保されていました。
LEDの色温度はいずれも高く5000 ~ 6500Kでしたが、これがもし 1 ~ 2lux. 程度の照度であ ったら、まさにおどろおどろしい空間になっていたと思います。東京都内の街中でも、まだ見たこともない空間が存在するとの実感があった1日となりました。(雨宮卓)
広く開放的な空間 遠景のビルの明かりが墓地の明るさ感を創出
染井霊園 ソーラーバッテリーのポール灯で十分は照度を確保
■名古屋 栄 派手な街路灯観察
11月3日晴れ、名古屋班の街歩きを滋賀から本間先生、大阪から小谷さん、そして名古屋在住鈴木という 3 人で行いました。京都在住で名古屋出張に来られた際の発見を教えてくださった魚森さん、元名古屋在住の本間先生のおすすめポイントを中心に巡りました。小谷さんは初名古屋。私は名古屋在住 5 年なのですが、買い物をする街という目的でしか栄を見ていなかったので、改めて街を見るよい機会になりました。参加者は栄三越の地下一階で初対面でしたが、なぜか前から知っているようなそんな雰囲気で始まりました。
まずは三越交差点のユニークな形の街灯を観察。街歩きのオープニングにふさわしい華やかな風景の写真を撮影+観察して、意見交換しました。プリンセス通りから久屋大通公園に向かう途中では、くの字の街灯の色と街の雰囲気を話し合ったり、ビルから漏れるひかりでできた街の雰囲気を見ながら歩きました。次にオアシス 21 とテレビ塔へ。名古屋・栄を象徴する風景が広がります。このふたつに当たるLED の色が呼応したら面白いだろうね、という意見が出ました。
その後、栄を離れ伏見駅に向かいました。終日快晴の予定だったのですが、突然の雨。小走りしながら青い LED が街を照らし怪しい雰囲気となっているのを観察しました。日常では気が付かなかったのですが、観察すると他の街灯もいろいろな形をしていたのに気が付きました。まだまだ名古屋で探偵団をすべき場所がありそうです。(鈴木ゆか)
犯罪者 青が強い LED のイルミネーション
犯罪者 青が強い LED のイルミネーション 2
■大阪御堂筋イルミネーション 是が非か
御堂筋 幻想的な世界
御堂筋 高速道路下の照明
梅田から難波にかけて全長 5km に及ぶイルミネーションの街歩きを行いました。私は、電球色の暖かみがイルミネーションの良さだと思っており、街がカラフルであることが寂しく残念だと思いながら歩き出しました。
まず、歩き始めてすぐの交差点に一際目立つ木がありました。大小様々な電球色の LED で点灯され、輝度の違いで煌びやかさが増し、印象的なイルミネーションの入り口となっています。葉の部分にだけ照明をつける事で、葉の一枚一枚が輝きを持ち、浮遊感を生み出し幻想的な世界を作り出しています。そして、色が交わう照明へと変化しますが、不思議と違和感や寂しさはありませんでした。色が非日常を作り出し、それが現代社会で求められている癒しの世界なのだと実感しました。また、木だけではなく、建物や高速道路もライトアップされていたので、日常の風景も非日常化し、街全体が光で包まれ素晴らしい雰囲気でした。
しかし、既存の街灯が点灯したままで非日常の世界を壊し、これぞ犯罪者でした。街灯自体はレトロでイルミネーションに馴染むものではありましたが、色温度や明るさがイルミネーションの幻想感をかき消していました。やはり街灯は消灯するべきではないかという意見で一致しました。
最後に、車でイルミネーションを楽しむには最適な距離であるが、歩くには長く感じます。それぞれゾーンを短くし、繰り返し行うとより魅力が増すのではないかと思いました。
(小谷弥)
少人数の街歩きで、盛り上がるか心配でしたが、少人数だったからこそ、一人一人があまり遠慮することなく意見交換でき、どの班も議論が深まっていたように感じました。また親密度も増していたような気がします。今だからできる活動を続けていきたいと思います。(東悟子)
第 65 回サロン@ ZOOM/Small Group 街歩きレビュー
2020.11.28 東悟子
10 月、11 月に 7 か所で開催された”Small Group”街歩きのレビューをオンラインで開催しました。お互いの街歩きの報告を聞き、次はそこを歩きたくなった団員達でした。
自宅、会社、居酒屋、学校など、様々なところから参加いただきました
班のリーダーから街歩きの報告がありました
今年度 4 回目となるオンラインサロンを開催しました。トピックは 10、11 月に少人数で行った街歩きのレビュー。各エリアのリーダーから街歩きの報告がありました。いつもは同じ街を3~ 4 グループに分かれて調査し、それを報告するのですが、今回の街歩きは名古屋、大阪御堂筋イルミネーション、渋谷トイレ巡り&宮下パーク、豊洲、谷中、麻布十番、染井霊園&巣鴨と特色がまったく違うエリアで行ったため、報告された内容もバラエティーに富んでおり、あっという間の 90 分でした。
街路灯に着目して歩いた名古屋の報告では大振りの派手な意匠の街路灯が紹介され、名古屋らしい賑わいの創出に寄与しており英雄とされていました。しかし周りを青一緒に染めてしまっている LED のイルミネーションが犯罪者として挙げられていました。
大阪御堂筋イルミネーションを担当した班からは、様々な色を使用したイルミネーションは華やかではあるが、落ち着いた暖かみのあるイルミネーションを好んでいる団員からは不評のようでした。ただ幻想的な空間になっており、町全体の雰囲気作りは成功しているとのことでした。既存の街路灯とイルミネーションの共存をどうするかという問題点も上がりました。
渋谷トイレ巡りでは、建築家やデザイナーが設計した最新公共トイレの報告がありました。それぞれテーマ性のある個性的なトイレで、好き好きはありましたが、安心して入れる清潔な公共トイレが増えていくことに関しては大賛成。ただ、トイレだけでなくそれを含めた公園の光環境を再度考える必要があるのではという意見でした。
豊洲チームからはジョギングコースは明るすぎるくらい十分な照度が確保されており、対岸からはかなりまぶしく見えるのではないかという懸念点が報告されました。印象的な夜景として挙がったのは、豊洲に立ち並ぶマンションからの明かり。水面に映り、きれいな夜景になっていたようです。
谷中班からは商店街ではなく、個々のお店が照明を頑張っている現状が報告されました。商店街は統一感とバラバラ感が共存していたようです。住宅街の防犯灯はやはり犯罪者。どんどん足された街路灯や防犯灯が大渋滞した交差点が紹介されました。
麻布十番班からは新旧が入り混じり、多国籍で多様な顔を持つ麻布が紹介されました。風情のある灯、刺激的な灯、無頓着な灯が混在しているので、整理して、町全体の個性を表す夜の計画がなされれば、素敵な街になるとの意見でした。
染井霊園班は特に英雄・犯罪者という見方はせず、生活動線にもなっている霊園の光環境を報告してくれました。霊園は高台で見晴らしがよい開けた場所にあり、墓地のおどろおどろしい怖さは皆無。人通りが思ったより多く照度も高いため、暗い+怖い印象はなかったようです。霊園の後は巣鴨を調査。商店街ではあるが、飲食店があまりなく、夜はほとんどの店が閉まっており、墓地の寂しさとのギャップのにぎやかな商店街という期待は裏切られた、とのことでした。
オンラインのサロンで自宅から参加できるということもあり、今回のように日本のどこでも自由に街歩きし、情報を共有できたことは、これからの探偵団活動の進め方に、幅を持たせるきっかけになったように思います。大勢で集まれるようになっても、オンラインの活動も取り入れて、ハイブリッドな活動を展開していくのが、“ニューノーマル”にあった姿なのかとおもいます。今後も楽しい活動、ご期待ください!(東悟子)
豊洲班の発表スライド
麻布班の発表スライド
ライトアップワークショップ in 秋保温泉
2020.11.18 東悟子
宮城県仙台市に位置する秋保温泉で 11 月14~23日“アキウルミナ 2020”というライトアップイベントが開催されました。その中で探偵団はライトアップワークショップを行ってきました。
磊々峡 日中 巨大な岩が圧巻
毎年この時期に秋保温泉で開催されているライトアップイベント“アキウルミナ”の一環でワークショップを行ってきました。
秋保には昔採石場があり、景勝地の磊々峡という峡谷ではその名残の巨石が多くみられます。昼間、ワ ークショップの下見にその磊々峡を訪れました。巨大な石が峡谷に並ぶ姿は圧巻でした。峡谷沿いには遊歩道が続いており、脇に植えられた紅葉は赤や黄色に色づいていました。紅葉に峡谷、橋に旅館など、照らす要素が狭い範囲の中に盛沢山あり、ライトア ップワークショップに絶好のロケーションでした。
地元のアーティスト、旅館関係者、商店店主など30 名程度が集まり、ワークショップスタート。探偵団紹介や街における夜間景観の大切さのレクチャー後、早速懐中電灯とカラーフィルターを持ち峡谷へ。眼鏡橋と呼ばれる橋の上から岩を照らすと、闇に沈んでいた水や峡谷が浮かび上がります。懐中電灯の照らす角度で水の見え方が変わることに驚きの声が。水場に近いところに降りて、カラーフィルターを使い岩を照らします。色がフィルター通りにきちんと出るものと出ないものがあることも驚きの発見だったようです。
岩を赤や青、緑の光で照らし、それぞれの印象を話しました。またどの場所から照らすのがいいのかという議論も。岩だけでなく、紅葉や遊歩道も照らして、写真に収めました。その他ホテルの紅葉ライトアップは歩行者にまぶしい、遊歩道が暗すぎる、といった改善を求める意見も上がっていました。
探偵団の説明と夜間景観の大切さをレクチャー
懐中電灯とカラーフィルターを各々持ち実験
色を変えてライトアップ 印象の違いを体感
途中イベント用のインスタレーションも見学
約 60 分ほどのライトアップ実験を行い、反省会会場へ。会場に向かう途中イベントの為に製作されたインスタレーションにも立ち寄り、感想を述べあいました。
反省会では、実験で撮影してきた写真を使いレビ ューを行いました。ライトアップしたいという希望があってもどのようにしたらいいかわからかったのが、今日一緒にいろいろ実験しながら歩いてみて、参加者と意見を交わすことで、沢山のヒントを見つけたという意見や、継続的にこのようなワークショ ップを開催したいという意見など、ポジティブな意見が多く聞かれました。また改善点についても話され、ライトアップをするだけでなく、既存の照明をちょっと改善するだけで、解決する問題も多くあることも共有できました。
地元の人からその街の今後の夜間景観への期待や改善点を聞かせてもらい、大変貴重な会になりました。また来年も引き続き違う形のワークショップをやらせていただけたらと思います。(東悟子)
反省会では実験の様子を振り返りながら意見交換
人数を制限し、地元の方 30 名ほどの会となりました