2003年12月22日 冬至
電気を消してスローな夜を
冬至の夜8時から10時の2時間だけ電気を消してスローな夜を過ごそう・・ということをテーマに面出団長の他、ライフスタイルプロデューサーの浜野安宏氏やキャンドルナイト呼びかけ人代表でもある竹村真一氏が監修したイベントが原宿キャットストリートで行われました。 これは、環境や省エネ、現代社会のライフスタイルについて考え直すとともに、人間的な時間のありかたを見つめるきっかけとして、昨年の夏至に行われたイベントの冬至版。夏至には、環境NGOが中心となって発案した”100万人のキャンドルナイト”にさまざまな分野のアーティスト、環境省や企業、自治体、各地の公共施設が賛同して、大きなうねりに発展し、全国で500万人(環境省推定)が参加して東京タワーや全国のランドマークの照明も消える、一大イベントとなりました。
原宿キャットストリートにキャンドルアートが出現
開催場所は、原宿キャットストリートが表参道と直行する旧渋谷川約700メートルほどの暗渠の遊歩道。この遊歩道に照明探偵団、武蔵野美大、多摩美大のチームが中心となって沿道にある店舗前6箇所でキャンドルアートを作成し、イベントの拠点となりました。波打つように成形したアルミパネル前にキャンドルを並べて鏡に映っているように見せたもの、異なる種類のスクリーンを透かしてあかりの表情を見せるもの、公園のジャングルジムを赤いトレーシングペーパーで囲い、中にキャンドルを入れた行灯・・などなど工夫を凝らしたキャンドルアートの数々が通りを彩りました。
街路灯を消灯したい…
たった2時間のイベントでしたが、公共空間での火を使うイベントと言うことで行政や商店街との調整が難航を極めました。今回は準備期間も少なく見送りましたが、今後の大きな課題としてふたつ。『街路灯の消灯』と『縁石へのキャンドルの配置』です。当日やはり残念だったのが遊歩道沿いに白々と点灯したままだった街路灯。キャンドルのあたたかなあかりとの何ともミスマッチな光景でした。やはりキャンドルの繊細なあかりを見せるにはまずベースとなる闇をつくる必要があるでしょう。そして、今は暗渠となった川の流れを通りに配置した光で可視化する。または、通行人が携帯したキャンドルで光の川を再現する。
キャンドルでなくては伝えられないメッセージを込めたイベントを2004年の夏至にも行う予定です。乞うご期待下さい。
(田沼彩子)