2005年9月22日 @ AIA Center for Architecture
Transnational Tanteidan Forum 2005 in NYC
熱心にプレゼンテーションを聞く聴衆たち
パネルディスカッション
フォーラム後にメンバーで集まって記念写真
好天に恵まれ秋晴れの続く気持ちいいニューヨーク。2002年に東京で始まったTransnational Tanteidan Forumも今年で4回目となりました。世界各国に広がりつつある照明探偵団ネットワークですが、年に一度各支部のメンバーが集まってフォーラムを行っています。現在のところ6ヶ国11名がコアメンバーとしてこのフォーラムを運営していて、今回はニューヨーク支部がホスト国を務めました。会場はマンハッタンAIA Center for Architecture、日本で言うところの建築学会のようなところです。
メインストリートのあかり
今回のテーマは”Main Street”。 昨年の”Daily Transportation Facilities”(日常利用する交通施設)、というテーマに続き、今回もPublic Spaceのあかりに焦点を当て、どの都市にもある目抜き通りのあかりがどのようなものなのかを都市ごとに徹底調査しました。
まずは開催都市ニューヨーク支部Jason Nechesからのプレゼンテーション。マンハッタンの通りは五番街、マディソンアベニュー、そしてタイムズスクエアなどそれぞれにメインストリートの要素を持ち合わせています。通りが高層ビルの谷間に位置することがやはり大きな特徴で、お店の看板やウィンドウのディスプレイなど、建物の低層部のあかりが通りの景色をつくっています。
ストックホルム支部Aleksandra Stratimirovicは美しいブルーモーメントの写真を多用したプレゼンテーション。大通りの起点・終点となる広場にある光の彫刻が、寂しげな冬の街のランドマークになっています。
コペンハーゲン支部のLisbeth Skindbjerg Kristensenはストロイエを中心とする、コペンハーゲンの街路の主照明となっている吊り下げ型の“カテナリー照明”を紹介。建物から吊られて通りの中央に照明器具が配置されるこの手法はやはり効率的です。
シンガポール支部の葛西玲子さんは進行中の都市計画を挙げて、オーチャードロードなどを紹介。ややもすると無味乾燥なナトリウムランプのポール灯がただ並ぶだけの面白みの無い大通りが、これからどのように変化していくのかが楽しみです。
ハンブルグ支部はUlrike Brandi。エルベ川やアルスター湖のあるこの美しい街は水の都。町中にももちろんメインストリートはあるけれど、彼らにとってはエルベ川がむしろ日常的な“大通り”。川に面した建物や碇泊する船からのあかりが景色をつくっています。
東京は面出団長が、誰もが認めるMain Street、銀座中央通りをクローズアップ。武蔵野美術大学のゼミ生たちにも協力してもらって調査した内容を、①銀座通りの歴史的背景、②デザインの豊富なポール灯の数々③通りに面したファサードに分けて紹介しました。圧巻だったのは、8mの長さにつなげてプリントアウトした銀座1丁目から8丁目までのファサードの夜景。光の分布や今流行りの照明手法の特徴がよくわかります。
会場には建築や照明の仕事に携わる人を中心に200名もの参加者が集まり、最後まで熱心に話を聞いていました。
(田沼彩子)