Transnational Tanteidan Forum 2009 in Beijing
2009年10月16日開催
今年で第8回目となる照明探偵団の世界大会”Transnational Tanteidan Forum“は、オリンピックの賑わいの記憶も新しい北京にて開催されることとなりました。“Enjoy Eco Lighting”をテーマに掲げ、ワークショップとフォーラムが行われました。
新たなTransnational Tanteidan Forumにむけて
昨年の第7回ベオグラード大会でTransnational Tanteidanのコアメンバーの拠点を一巡したForumは、これを区切りにまたひとつ進化を遂げようと、2008年北京大会に向けて新たな試みをいくつか模索していました。そして、今回の北京大会においては、
①ワークショップとフォーラムに一貫したテーマ(“Enjoy Eco Lighting”)を持たせること、
②ワークショップでは、今まで照明探偵団のアクティビティーのキーワードでもあった”光の英雄と犯罪者“から離れた視点で光を観察すること、
③フォーラムでは、各都市のプレゼンテーションではなくより即興的な議論ができるような方法をとること、
という方針で議論を重ね、準備を進めていきました。
開催地が北京ということで、日本や欧米の感覚からは規格外な事態も予想されるのでは。。。という若干の懸念をよそに、昨年からTNTに加わった北京支部の面々の情熱的かつ献身的なサポートによって、地元からも大きな協力を得ることが出来、充実したワークショップとフォーラムになりました。
Workshop -Light and Shadow hunt in Beijing-
2日間に亘って行われたワークショップには、日本、ストックホルム、そして中国の様々な都市から学生が集まりました。1日目、総勢87名のメンバーは5つのチームに別れ、各チームとも今回のテーマである”Enjoy Eco Lighting“とチームごとに設定したテーマを携え、5つの対象地(”Landmark, Monument”、“Residence”、“Office”、“Commercial”、”Street plaza“)を調査しました。多くの学生が、”光”に注目をした街歩きは初めてということで、新鮮な着眼点の意見も多く、各チーム内では活発な意見が交わされました。また、カメラ、照度計、スケッチブックを片手に、各チーム13-4人がそぞろ歩くということで、地域の方の目を引くことも多かったのか、方々で呼び止められ、“Residence”チームにいたっては、最近省エネの流れで、住民が集う広場への照明が弱いものになったこと、それによって一帯が暗くなった為にお年寄り達の外出が難しくなった、というお話も伺うことが出来ました。
2日目は、市街調査で得た資料についてチームごとに議論を重ね、それぞれ発表用のスライドとパネルを作成しました。バックグラウンドの違いや言葉の壁がある中で、各チームとも力を合わせ、時間制限いっぱいまで全力で作業をしました。そして、予定より2時間遅れで始まったワークショッププレゼンテーションでは、各チームリーダーであるコアメンバーと学生からそれぞれの対象地について発表が行われました。調査スケッチや記録写真からは、北京が内包する歴史の重厚感と新開発区域のエネルギーとが要所に垣間見え、とても興味深いプレゼンテーションになりました。
Forum at GuoZiJian
北京支部の尽力によって、ForumはGuoZiJian(隋朝からしばらくの間は最高学府として使用され、今では国の重要建造物となっている区画)にて行われることになりました。Forumのために、当日は入り口からレッドカーペットが敷かれ、建物にはライトアップが施されました。 Forumは地域の長のご挨拶とわれらが面出団長の開会の言葉によって幕を開け、KTHの教授でもあるJan先生の司会によって進められました。 今Forumは、”型にはまったプレゼンテーションより即興的な議論を”、ということで、コアメンバーがフランクに意見交換が出来るように、事前に各支部に光にまつわる質問表が送られました。各メンバーはその回答とその質問に関する写真を持ち寄って、各都市の光文化の特徴を交えながらそれぞれの話題を展開させました。Jan先生の絶妙なアシストによって、コアメンバーが持ち寄った要素がつながりを持ち、全員の発表によって光についての大きな絵を一枚描くことが出来ました。全部で3時間半という長丁場のフォーラムでしたが、聴衆も集中した面持ちで聞き入ってくれ、計画していた内容をつつがなく終えることが出来ました。 Forum後は、会場となった講堂の背面にあるコートヤードでパーティーが催されました。Forum weekが完了したという安堵感と達成感に満たされた、とても楽しいパーティーになりました。