2013年9月4日
台風の影響が心配される中での開催となったスカイバスツアー。
44名の団員が2階建てバスに乗り、2時間の短い東京夜の旅を、体に初秋の風を感じながら楽しみました。いつもと違う目線からの景色に、多くのことを発見してきました。
東京駅ー銀座ー東京タワーーお台場
普段と違う目線の高さから夜景が見られる!ということで今回の街歩きの参加者はいつもより多め。ブルーモーメントに差し掛かる東京駅から、心地良い秋風に吹かれながらの出発。信号機が目線の高さにあったり、いつもは見上げている看板が、今日は目の前にあったり。新鮮な視点からの圧倒的な迫力に感嘆の声がもれ、橋の下を通過する時は、遊園地のアトラクション感覚で悲鳴を上げていた人もいました。
銀座の町並みはいつもどおりに賑やかでしたが、3メートルの高さに視点を置くと急に照明の数が減るので、雰囲気が大分違っていました。バスは銀座を抜け、特別なライトアップが施された東京タワーを通過し、カラフルなライティングで飾られたレインボーブリッジを渡り、見どころ満載な場所をめぐりながらお台場に到着しました。現在開発が進むお台場は、高層マンションやショッピングモールが立ち並び、東京湾沿いには公園が配されている場所。住宅の窓に灯る暖かいオレンジ色の光と、ショッピングエリアの白く眩しい光とが、対照的なエリアでした。短い休憩後、バスはお台場を背にして有明、豊洲に向かって再び出発しました。
(黄 思濛)
お台場ー豊洲ー銀座
バスで東京を走り抜けていく今回のツアーでは、短時間にいろいろな景色を見られたことで、街としての印象が感じやすかったように思います。例えばお台場では、パレットタウンの観覧車や国際展示場の五輪カラーのライトアップ、橋のライトアップなど、レインボーブリッジ以外にも大規模なカラーライティングが多いことに気付きました。周囲のビルの明かりが都心よりも少ない分、暗い夜空にカラフルな光が大きく浮かび上がっていて、お台場という人工的な街の非日常感を演出しているようでした。
豊洲に入ると、タワーマンションや大型スーパー、公園の間をバスは走ります。窓明かりや道路の機能照明で、お台場よりも生活感のある明かりが感じられました。この地区も東京オリンピックに向け、どんどん開発が進む場所ですが、町全体で計画をすすめ、統一感のある快適な光環境の街づくりを進めてもらいたいと感じました。
最後にバスはまた銀座の街に戻り、今年生まれ変わった歌舞伎座の前へ。ファサードが白色の照明で明るく照らし出され、新しさを際立たせるような華やかな表情でした。バスの高い視点からは歩行者レベルの光はあまり目に入らず、ファサードや街路灯、商業ビルの袖看板の光が降り注いできます。戻ってきた銀座の街の光量は他の街と比べて圧倒的で、銀座の夜の高揚感は、光の配置が頭上高くまで連続していることから生みだされているのかなと思いました。
(中村美寿々)
全体を通しての感想
いつもの街歩きと「視点と視線」そして「速度」が異なっていたなと感じました。
まず「視点と視線」。今回の夜景の主役は、いつもはあまり正面からは見ない2階のファサードであり、ポール灯の灯具もやたらと大きく見えました。銀座では白く輝く面が真正面にあるので、歩道にいるとき以上に明るさを感じるほどでした。さらにスカイバスの2階は、進行方向だけ視界がなく、横と上が開けている特殊な空間。多くの人が、主に進行方向に対して横向きの景色を見て、時々上を見上げていたと思います。普段は運転手の私にとっては、通り過ぎる景色が美術館の展示壁でも見ているようで面白く感じました。
そして「速度」。バスの速度ではすぐ隣の街になり、全く異なる光環境になってしまっています。しかも徒歩のように自分でコントロールもできません。もっとじっくり見ていきたいと思いつつも強制的に流れ去っていく光を感じるというのは、観察するというよりも、映画や演劇のように脚本に沿ったストーリーを見せられているのに近い感じでした。
(三宅博行)
企画班感想
今回の企画では、学生という時間と体力がある立場を生かし、時間のかかりそうな下見やチラシ作りを中心にやらせてもらいました。
徒歩でバスの予定ルートを回ってみると、下見前に見所だと予測していた場所が、バスからでは見えにくそうだったり、バスの速度でで通り過ぎるだけでは見られなさそうなどの不都合が出てきたりしました。そこで、どこから見るかを考え直し、ルートを変更して時間を短縮するなどの工夫を行いました。
当日は、オリンピック招致のイベントや、ドラえもん生誕記念等で限定色にライトアップされている場所がいくつかあり、今年の街歩きのテーマ『元気になるあかり』にふさわしいバスツアーになったと思います。優秀なメンバーの方々に囲まれ、調査の仕組みを知らない私でも動きやすいよう先導してくれた殊に感謝いっぱいです。次回は自分が先導する側になりたいと思っています。
(世良由利子)