2014.10.24 西垣祐弥 + 黄 思濛 + 玉野有花
照明探偵団 2 回目となる銀座での街歩き。前回の2008 年から 6 年。その間に何がかわったのか、何が変わっていないのか。今回はメイン通りの中央通りではなく、それ以外の東西 4 本、南北 6 本の小路を歩いてきました。
昨年バスツアーで二階建バスの上から普段とは違う視点で夜の銀座を視察しましたが、今回は更に視点を変えて「裏銀座」をミクロとマクロの視点から観察して来ました。晴海通りや中央通りにはない個性的な光が見られる事を期待しつつ、色温度マップの作成という課題を各班に出し、通りごとの特徴が色温度で語れるかどうかを試してみました。
街歩きマップ。地図上に違う色のシールを張り、色温度の違いを表した。
金曜日夜のにぎわう和光前で集合
色温度調査の説明
ビルに写り込んだ看板の光
袖看板が特徴的な並木通り
ハイブランドのファサードの評価が高かった
ランプが切れてしまっている街路灯を多数発見
班ごとに評価がわかれたユニクロのファサード
1 班:花椿通り→交詢社通り→みゆき通り
私達 1 班は、花椿通り→交詢社通り→みゆき通りの順に銀座を東西に横断する道路を歩きました。どの通りも照明に配慮した建物が多く、全体的には 3,000K 台の暖かい光でまとめられていました。表通りの綺羅びやかさとは異なり、全体的に落ち着いた印象を受けました。しかし、薬局やコンビニ等、色温度が5000K を超える建物が所々に存在し、これらの建物が必要以上に目立っている印象を受けました。
これら 3 つの通りの街路灯は通りごとに異なった形状をしていましたが、どれも色温度が高く、周りの店舗の照明に馴染んでいないように思えました。また、通りによっては半分近く街路灯の電球が切れていたことが気になりました。
交詢社通りでは、落ち着いた雰囲気のモダンなビルに向かいのビルの看板の光が写り込んだところがありました。これを防ぐことは不可能に近いですが、利便性を考えつつも建物同士の調和性に関して今後議論すべきことではないかと思いました。
今回私達の班では、3,000K を下回るような光で統一されていると、暖かく心地よい光と感じることができるという結論になりました。また、今回の街歩きは夜の早い時間に行われたため、店舗が閉まる深夜には早い時間とは異なる銀座を味わうことできるかもしれないということで、深夜の街歩きもしてみたいと思いました。私はまだ学生なので普段銀座の街に出向くことはあまりありませんが、今回街歩きをしてみて銀座はやはり新宿や渋谷とは異なり、高級感溢れる、歩いているだけで暖かみを感じられる街でした。 ( 西垣 祐弥 )
2 班:松屋通り→銀座マロニエ通り→銀座柳通り
2 班は松屋通り、銀座マロニエ通り、銀座柳通りの西東 3 本の通りを歩いてきました。松屋通りは全体的に色温度が高めの飲食店が並んでおり、所々 RGB の照明が店先にアクセントとして設置してありました。イタリアの国旗にちなんで白、赤、緑の 3 色の電球で階段を飾りつけしているイタリアンのレストラン等、評価はまちまちでしたがそれぞれが照明を工夫しているように思えました。
マロニエ通りはメイン通りでありませんが、高級ブランド店が並んでおり、低い色温度で統一されてました。他の通りとは違う、やや暗めのトーンとオレンジの光で高級感を醸し出していました。ガス灯通りと交わる交差点にはガス灯が左右 2 本だけ残っており、ゆらゆら揺れる今にも消えそうな炎が現代的なフ ァッションの街銀座の輝く照明にかき消されそうでした。開発により消えてしまったガス灯はその時代の思い出まで消し去ってしまった様な気がしました。
柳通りは晴海通りからやや遠めの位置にあるためか、特に照明に対するこだわりもなく、班のメンバーが足を止めるような感心が持てる照明もありませんでした。色温度は他の 2つの通りに比べて低めでまとまっている様でしたが、とくにデザイン性もなく、ただ機能照明として存在しているだけでした。
今回はとくに色温度に気を配って歩いてきましたが、通り全体に共通するような傾向は見られなかったにしろ、短いスパンでは周囲を意識しつつ色温度の協和を保とうとしている箇所があったと思います。
( 黄 思濛 )
3 班:並木通り(南側)→西五番街通り→銀座レンガ通り→並木通り(北側)
3班は銀座和光前から西五番街通りにはいった所からのスタート。西五番街は、並木通りに比べると一流ブランドのショップは多くはないですが、比較的レストランや飲食店が多い通りとなっています。そのため、飲食店の店先の照明や、ビルの看板照明が目につきました。看板はビルやテナントに、字体・色ともに違っていたり、字体だけを揃える、色だけを揃えるなど様々な種類がありました。看板についてだけでも、団員間で意見が分かれ、「よい看板照明とは」というテーマだけで議論ができそうだと感じました。
並木通りは、銀座通りと並び華やかな通りであり、世界の一流ブランドが軒を並べています。外装・照明も手が込んでいて、英雄だと感じる店舗が多かったです。しかし、街灯は犯罪者としてあがりました。電球が切れているのはもちろん残念ですが、切れた電球を順次 LED に変えているため、隣り合った2つの光の色が違う、クリアー電球を使っているなど、外観を損なう光が多く見られました。店舗によっては、ショーウインドウの照明が歩道側まで照らしてしまい、光が強すぎるというところもあり、とても気になりました。私個人的には通りによって街灯のデザインが違っていたのは面白かったです。今回は、マップに色の違うシールを貼り、全体図として色温度を通りごとに見ることができたのもよかったです。銀座もメインストリ ートは輝かしいイメージですが、裏通りはメインとは違う顔があり、興味がわきました。まだまだ照明に対しての考察が未熟ですが、探偵団員のみなさんの意見を聞くことができ勉強になりました。今後もっといろいろなあかりに目を向けて行きたいです。 ( 玉野 有花 )
色温度マップを作りたい、という企画班からの提案に難しいのではないかと心配の声もありましたが、失敗していいからやってみようということになり、実行してみました。店舗からの明かりで左右されてしまう通りの色温度を調査するのは困難でしたが、銀座の裏通を細かく見ていくという試みは成功したようです。銀座はまた街歩きしたいと思わせる魅力的なところでした。 ( 東 悟子 )
素敵な照明も光源が見えてしまっていて残念という声も
ブランドショップが立ち並ぶマロニエ通り街路灯も少なく全体的に暗い。
煌く照明に掻き消されそうなガス灯の光
松屋通り、色温度高め、街路灯も白い
せっかくの和光のファサードもポール灯が邪魔に
懇親会では行ってきたばかりの街歩きレビューを行います