2021.07.28 東悟子
7 月9 日に開催された街歩き中継のレビューを行いました。街歩き中継では、通常行っている関東の街歩きに参加できない遠方のメンバーや海外メンバーにも強力いただき、東京だけでなく京都や中国、合計8 か所から街歩き中継を行っていただきました。今回のサロンでは、中継を担当してくれた団員が、悪天候での中継の上、ネット環境も悪い中、他の中継をゆっくり見ることができなかったので、改めて他のチームの街歩きを見ていただきました。
著名なデザイナーを起用した渋谷区のトイレプロジェクトを調査した渋谷チームからは、従来の公共トイレが持つ4K 問題(臭い、汚い、暗い、怖い)を解決しようと、最新鋭のテクノロジーを使用したり、逆に周辺の環境と調和するように自然を取り込んだデザインがされていたり、様々な形で新しいトイレの在り方を模索しているのがと
ても興味深かったという感想が聞かれました。
ウォーターズ竹芝を中心に回った班からは、竹芝の急速な開発で数年前とは全く違う様子になっていることに驚く声が聞かれました。夜も開放的な空間を楽しむため、カラーライティングや大階段の照明、芝生広場を照らすムーンライトもあり、沢山の照明の要素があちこちに配置されていたが、コロナ禍で人がおらず寂しい施設になってしまっ
ており、にぎやかな日常が戻ったら、再度行ってみたい、という感想が聞かれました。
2020 年に開業した虎ノ門ビジネスタワーを調査したチームからは多くの絶賛の声が。フォーカルポイントが明確で、照明のメリハリが効いているエントランスや光源が見えないよう工夫された吹き抜け、統一感と賑わいをうまく創出している飲食店フロアの虎ノ門横丁が紹介されていました。
立川のGREEN SPRINGS を調査した班からは、ファサード、ランドスケープ、店舗内の照明まで、ほとんどが電球色で統一されており、いい雰囲気づくりに照明が貢献していることが発表されました。しかし周辺の街路灯などは白色のものが多く、新しいエリアとの境界が光の色によって分断されすぎているように思ったとの意見も。コロナ禍で
店舗の閉店が早く、本来は賑やかな立川の夜が見られなかったのは残念だったとのこと。今後ますます変化していくであろう立川への期待も聞かれました。
京都伏見稲荷チームは、神社という人の生活から少し離れた環境の中、暗がりから漏れてくる白い光に神秘性を感じたり、吊り灯籠だけが照らす千本鳥居の美しさに息をのんだり、人外が潜んでいる神域が作り出す空気感があるのだと報告してくれました。また街歩きの日から10 日後に開催された本宮祭でハレの日のあかりも見てこられたそうで、さらに幻想的な夜を体験されたそうです。
中国瀋陽から中継してくれた劉さんからは、中国では最高の権力を表す黄色と幸福・吉祥を表す日本からだけでなく、中国からもサロンに参加頂きました中国杭州、西湖から英雄の報告赤を照明にも多様していることが伝えられました。
また広場のあちこちで多くの人が大音量でダンスをしている状況の説明もあり、それぞれの団体がよそには負けないよう、音も照明もどんどんエスカレートしていくという問題点も上げられていました。
北京の西単更新場から中継をしてくれたYao さんからは、周りの派手で明るいファサードのビルとは対照的に、暗いけれど歩いたり、広場でのんびり時間を過ごす分には快適な照明環境になっていることが報告されました。施工の悪さできれいなライン照明になっていなかったり、壁の素材によっては反射がまぶしくなっている箇所が指摘されましたが、概ね
心地よい空間ができているようでした。
杭州の西湖から中継してくれたGyao さんは、文学(詩)の世界が繰り広げられているかのような美しい夜景の中にも、周りにそぐわない派手なカラーライティングや雰囲気を壊す過剰な照明を犯罪者だと指摘していました。
中継を振り返り、探偵団活動の新しい可能性が見えた半面、やはり集まって同じものを実際に見て、意見を交換するということも大切であることを改めて実感しました。とはいえ、まだ先が見えない中、いろいろな場所を中継でつなぎ、現状を見ていくのはなかなか楽しく、意義があるのではないかと思いました。
エリア数や配信方法等、もう少し実験しながら、よりよい配信ができるようにしていきたいです。
何かいい配信方法があれば、事務局までご提案ください。ご意見お待ちしております。(東悟子)