夜の佃島に眠る『宝』を光で呼び起せ!
2026.03.20 瀬川 佐知子 + 黄 思濛 + 野村 桃江 + 東 悟子
3月の春休み前の3連休初日に、こどもワークショップを開催。今回はLPAオフィスのある佃島で光の英雄と犯罪者、そして夜の闇に隠れている宝物を探しに、こども達と街歩き&ライトアップ実験を行いました。
桜には少し早かった3月20日に、2025年度のこどもワークショップを開催しました。この企画は毎年開催しており、こども達が「光」をテーマに街を探検したり、ものをつくったりして、光の持つ力や影響について学ぶ体験型プログラムです。こども達は暗くなってから外を歩くことがまだ少ないため、普段何気なく見ている風景も夜になると違う姿になったり、光の当て方一つで印象が大きく変わることを体験し、街の中の光の関係について考えるきっかけづくりを目的としています。
今回はLPA事務所のある佃島を舞台に、「光の英雄と犯罪者」は存在するのか、また夜の闇に沈んでしまっているランドマークを探し出し、光を当てることで新たな魅力を引き出す「夜の宝」の発見にも取り組みました。こども達は歩きながら街を観察し、どんなものをどのように光を当てたら面白いかを実際に照らして確かめたり、写真を撮って記録に残したりしました。
佃島は、徳川家康が大阪から呼び寄せた漁師たちによって築かれた歴史ある島であり、現在は江戸の面影と高層マンションが共存するエリアです。隅田川沿いの桜並木や、江戸時代の風情を残す佃小橋や佃堀、家康を祀る住吉神社と、それらと対比するように立ち並ぶ高層ビル群など、古き良き下町と現代的な景観が凝縮されています。そんな魅力が詰まったエリアでのこどもワークショップ。こども達がどんな光の英雄と犯罪者、夜のランドマークを探し当ててくれるのか、とても興味深いワークショップとなりました。(瀬川佐知子)


当日は5歳から12歳までのこども達16名が参加。まずはオリエンテーションを行い、照明デザイナーはどんなことをする人たちか、照明探偵団は何者か、その活動内容を解説。その後にワークショップの流れを説明しました。あわせて、光の当て方によって見え方がどのように変わるのかを実際に体験してもらい、光の面白さを感じてもらうところからスタートしました。
その後、まだ外が明るいうちにライトアップの対象となる場所を下見しました。どこをどのように照らすと魅力的に見えるかを考えながら歩くことで、それぞれの中にイメージを膨らませていきます。
スタジオに戻ると、早速デザインスケッチの作成に着手。白黒印刷された対象物に色鉛筆でライトアッププランを書き込んでいきます。実際の照明デザイナーの手描きスケッチを参考にしながら、「どこに」「どんな色の光を」「どう当てるか」を考え、まるでプロになったかのように真剣に図面を描いていきます。周りの子のアイデアも気にしながら、それぞれが個性あふれるプランを仕上げていきました。


そうしているうちに外はすっかり暗くなり、いよいよ自分たちの考えた案を実際に試す時間です。今回のライトアップ対象の中で特に人気だったのは住吉神社でした。並ぶ提灯や狛犬、本殿、さらに隣接するレンガ造りの蔵など、魅力的な要素が多く、さまざまな光の演出に挑戦することができました。
こども達はカラーフィルターで光の色を変えたり、懐中電灯のズーム機能を調整したりと工夫を重ね、時には数人で協力して一つの作品をつくる姿も見られました。
オリエンテーションで学んだ「光の英雄」と「光の犯罪者」の考え方もよく理解しており、「これはきれいだから英雄だね」「でも私はあまり好きじゃないかも」といった意見交換も自然に生まれていました。



約30分間のライトアップを終えた後はスタジオに戻り、お弁当を囲みながら、それぞれが見つけた「英雄」と「犯罪者」を発表しました。幼稚園児から小学校高学年まで幅広い年齢のこども達が参加していましたが、光に対する感じ方には大きな違いは見られず、神社入口にあった眩しい街路灯が多くの子どもたちから「犯罪者」として挙げられたのが印象的でした。
今回が初参加の子どもたちも、継続して参加している照明探偵団Jr.のメンバーも、それぞれに光への理解を深めることができた一日となりました。光を「見る」だけでなく、「考える」体験を通して、これからの視点の広がりが期待されます。(黄 思濛)
1年に1回は開催しているこどもワークショップももうすぐ20回を数えます。暗闇体験、夜景スケッチ大会、行灯作成、夜の街歩きと様々なプログラムを日本だけでなく、台湾、香港、シンガポール、ドイツのこども達と行ってきました。
今後も引き続き照明やあかり、暗さに対しての感度が高まるよう、こどもワークショップを継続していきたいと思います。(東悟子)












