街歩き・サロン

岡山市西川街歩き

岡山市西川街歩き岡山市西川街歩き岡山市西川街歩き

2011年11月23日

岡山市の中央に流れる西川。その西川にそって緑道が走っています。人々が夜歩きたくなるような緑道とは、どんなあかり環境なのだろうか。岡山の地元の人と、歩きながら検証しました。

主旨

s_20111123_04

s_20111123_05
緑道の象徴となるべき木々には照明が当たっておらず、いい雰囲気も半減してしまっている。

岡山市西川街歩き
緑道のひとしひとつのあかりの要素を検証

s_20111123_07
店舗内も調査。

岡山市西川街歩き
地元のテレビ局も、街歩きに注目
s_20111123
集合写真

岡山市西川街歩き
懇親会では、調査してきた写真をみながらの検証を行った。

今回の街歩きは、岡山市省エネコンソーシアムの活動の一環として企画され、エコでなおかつ魅力ある光環境を検討したいと照明探偵団に依頼があり、実施することとなりました。省エネコンソーシアムとは、岡山県内で活動する5団体で構成され、県内の温室効果ガスの排出削減を目的として活動している共同体です。

コンソーシアムの活動地区の一つである西川緑道公園にふさわしい灯りの景観や、その景観と調和した商業施設の魅力の創出、さらにはそれが環境に配慮したものになることを考えるきっかけとして「歩きたくなる夜の西川」を探偵しました。

参加者は、周辺の店舗の方、観光コンベンション協会、環境省、岡山市役所、西川の魅力アップのために活動するNPOメンバー。総勢30名の参加者は、各々西川の夜の照明の力・意味や可能性、街づくりって何?デザインとは?という発見をしたようです。

調査

参加者はまず探偵団とは何か、街歩きで重要なポイントは何か、調査の主旨と方法のレクチャーを受けました。

その後4班にわかれ調査スタート。緑道沿いの1~8のチェックポイントを順に回り、各ポイントで照度を測ったり、明るさ、心地よさ、気づいた点などを、その場で話し合ったりしました。ほとんどの参加者が今まで照明とは無縁だったようですが、そのことがかえって、自由な発想と意見が飛び交い、純粋に西川を魅力的にしたいと願う熱い思いを反映させたいい議論になったと思います。照度の測り方も不慣れだったのが、街歩き後半になると、お互い声を掛け合い、次になにを調べるべきかの指示が飛び交う、実地トレーニングのような街歩きとなりました。

緑道には川にそって、たくさんの植物が配され、一見人々の憩いの場所としてとてもいい環境に思われましたが、夜は無計画に光を足していった結果、統一感のない器具が必要以上の光を降り注ぎ、照らすとアイコンになりそうな橋や彫刻、木々は照らされていない状況になっており、休日にも関わらず人の影もまばらでした。不必要な場所への過剰な光を減らし、必要なところには足してあげ、光環境をきちんと整えてあげると、より雰囲気のある魅力的な緑道になるのにと感じました。

懇親会

街歩きが終了すると、懇親会が行われました。各班、担当箇所の要点をまとめ、気づいた点、改善点を中心に、食事を楽しみながら発表しました。カジュアルな雰囲気の中、撮ってきたばかりの写真もプロジェクションしながら、面出の感想や意見を聞きました。質問もたくさんでて、「照明を今まで気にしていなかったが、必要以上にたくさんの光が緑道にあふれていることに驚いた」という意見を多くききました。これをきっかけに今後も身近な照明に対してずっと興味を持ち続けてほしいと感じました。
(東悟子)

感想

よく知っていると思っていた西川の景色を「灯り」を主役にして見たとき、実は知らなかった西川のポテンシャルを発見することができました。

西川緑道公園の街灯は、長い歴史の中での付け足しの連続による統一感のなさを醸し出していました。照明デザインと設計の違いを物語っていました。

西川エリアの夜が、もっと魅力的な場所になるために。灯りの存在を考えるきっかけとなる探偵でした。

ステキな夜の西川が、地球にも優しい方法で彩られる場所になるように。小さな照明探偵団が岡山で動き始めることでしょう。
(NPO法人タブララサ 河上直美)

今回、岡山市西川緑道で照明探偵団を実施することを企画した意図は、西川につながる多くの人の関心を呼び起こし、あかりの景観を通じて西川の魅力づくりや賑わいにつなげたり、商業施設の照明を景観と環境に配慮のあるものにしていくきっかけとすることでした。

普段何気なく歩く西川緑道の魅力や課題を、あかりを通じて再認識、再発見することができ、とても真剣で楽しい時間となったように思います。面出さんや事務局の東さんには、スペシャリティとお人柄で運営側を支えてくださり、また参加者の方々も想像以上に熱心に調査してくださいました。感謝の一言です。

調査で感じたのは、緑道周辺には個性ある商業施設、緑、流れのある水辺が共存していることが大きな資源であり可能性だということ。また光だけでなく、背景としての暗闇の演出が重要であることです。 
(面出さんは陰のデザインとおっしゃっていました)。

今後、西川緑道における光や明るさに対する基準(ある参加者の方が「灯りの作法」と言われていました)のようなものを、西川緑道につながる人々の共通理解とし、素晴らしいあかりの景観を実現することを目指して、探偵団活動を続けていきたいと思っています。 
(財団法人岡山県環境保全事業団 築谷淳志)

street.walking.salon_2011_49

関連する投稿

おすすめの投稿