江戸から令和、日本と欧州の香りが程よく融合した情緒豊かな
食と文化の街 神楽坂の灯りを探偵せよ!
2024.11.18 小谷弥 + 俵田明+東悟子
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2024年最後の街歩きは東京神楽坂。小さな路地におしゃれなカフェやレストラン、居酒屋が立ち並ぶ人気のエリア。特徴的な石畳の奥にひっそりと隠れ家的に佇む高級料亭や看板のないフレンチレストラン。散策するのにぴったりな街ですが、その明かりはどうなっているのでしょうか。8名ずつの2班で街歩きを行いました。
神楽坂は、江戸の風情とフランス文化が融合した、東京の隠れた魅力が詰まった街です。石畳の路地には、歴史ある建物や個性的なお店が立ち並び、どこか懐かしい雰囲気を醸し出しています。特に飲食店は充実しており、隠れ家的なレストランやカフェで、美味しい料理とワインを楽しむことができ、観光客にも人気の高いエリアとなっています。そんな魅力的な街の夜の風景はどうなっているのか神楽坂の夜を探りました。
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■ 1 班:神楽坂路地三昧コース
1 班は「神楽坂路地三昧コース」と題して、飯田橋駅からスタートし、様々な路地を探索しました。神楽坂は地域全体が照明への関心が高く素晴らしいと感じました。お店の看板を明るくするついでに歩道面の明かりを確保したり、お店の壁面に足元灯を設置したりと様々な明かりがありました。
街歩き開始すぐに不動産屋の内照式看板や複数の店広告があり、神楽坂への入り口がこれか・・・。
と少し悲しくなりました。大通りを少し進み右手側の路地を歩くと、異国情緒を感じる階段に出くわします。一同いい路地だねと声を合わせたのは束の間。お店壁面を照らしている照明だけで明るさとしては十分のところを、まぶしい街灯が雰囲気を壊しているのではないかという声が上がりました。酔石横丁では、おもしろいものを発見。生の火を使うガス灯の横に「火の用心」の旗。洒落が効いていて、高評価でした。
かくれんぼ横丁付近では、ワイン形状の楽しいスタンド照明、室内照明の漏れ光で絵画のように見える印象的な窓、ネオン照明が街灯代わりになっているレストラン、階段もおしゃれに照明しているお店等々、楽しい路地でした。
その楽しい路地を抜けると道路が青く光っており、何事かと一同絶句。広告用のモニターの映像が原因でした。神楽坂のいい雰囲気の中、突然現れる映像は周囲を目まぐるしく照らし上げており、凶悪な犯罪者でした。
赤城神社を目指し、鎌倉古道を歩いていると街灯を自主設置しているマンションがあり、街の明かりを形成する一つの正解ではないかという話もしながら、赤城神社に到着しました。灯籠の小さな光に情緒を感じたり、陰影の素晴らしさに感動したり、神殿のガラス張りの反射に驚いたりと最後まで興味深い街歩きでした。
神楽坂の街歩きは、次から次へと風景が移り変わり、すぐに立ち止まって会話をしてしまう回でした。個人的に一般的な路地というのは、暗くて薄気味悪い中奥に進むと何かがあるというイメージでした。それが神楽坂では、お店繁盛の無駄に明るい光ではなく、お店に入るまでの道が安全で、街の雰囲気を壊さずに創意工夫の結果の街灯りになっていると思いました。 (小谷弥)
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■ 2 班:神楽坂 路地・商店街コース
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我が班は、賑やかな目抜き通り、静かな路地、さらには神社や仏閣を満遍なく練り歩くコースで探偵活動を実施しました。東の坂下(JR 飯田橋駅側)から西の坂上(地下鉄東西線神楽坂駅側)まで続く目抜き通りには、多種多様なショップや飲食店、カフェが立ち並び、漏れ出る温かい光が通行人を優しく誘い込みます。ただ、ふと視線を上げると、灯りとしての配慮のないビルの袖看板の姿がありました。街路灯専用のポールが整備されていることは、電柱や電線の地中化の証なのですが、昼白色と電球色が同時に点灯されていることについては疑問の声が上がりました。後日、商店街関係者にヒアリングしたところ、「自動車道には穏やかな、歩道側にはすっきりとした印象を与えることを目指した。」との回答を得ました。
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けやきの木のライトアップについては、基本的必要性、色選択等について団員同士で意見はさまざま。
人気の路地では、行燈風の灯具が石畳に置かれ、伝統ある神楽坂の風情を温かく演出していたり、料亭や個人宅入口には2000K 相当のゆらぎ照明が密かに存在していたりする様子が好印象でした。ただし、高輝度かつ高色温度防犯灯の混在例が散見され、照明トータル管理の難しさを察しました。
最後に赤城神社まで足を延ばしたことは大変良い選択でした。鳥居を一歩くぐると一気に暗くなるのですが、灯籠や提灯の穏やかな灯りが見事に恐怖感を払拭してくれていました。
神楽坂は、又訪れたいと思う魅力的な街でした。( 俵田明)
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■反省会&懇親会
街歩きの後は、レストランを貸し切り、懇親会&街歩きまとめを行いました。食事をとりながら、写真係が撮影してきた写真から光の英雄と犯罪者を3 枚づつ選びます。それを最後に班毎に発表しました。神楽坂は街の特徴がはっきりしているせいか、それほど意見が分かれず、英雄VS 犯罪者が比較的早く決まったように思います。神楽坂に詳しい人からの解説なども交え、おもしろい話が沢山聞けました。街の雰囲気にそぐわない、眩しい街灯や看板の照明、液晶ビジョンなどが所々見られましたが、角を曲がると雰囲気が違う路地にはいったりする魅力沢山の神楽坂の街歩きを、参加者一同とても楽しまれていたようでした。
街歩きの詳細な報告は1 月16 日の探偵活動報告内でも行いますので、参加される方は楽しみにお待ちください! ( 東悟子)