コーヒーブレーク: 面出さんと私
Interviewer: 陳 麗文
テーマ:『日本と中国の明るい未来について』
面出 今日はどんなテーマですか?
陳 “日本と中国の明るい未来について”です。
面出 大きいね~ 陳さんは中国人ですから、いろいろと聞かせてもらおうか。
陳 そうしたら、今日は珍しく逆Q&A式になりますね。
面出 どうしてこのテーマにしたのですか?
陳 日本人っぽい中国人だと言われている私だからこそ、より客観的に日中の相違 点を述べることができるのではないかと自意識過剰?の部分はありました。自分の見解を面出さんに共感していただけたらなと思いますし、LPAのビジネスにも何か役に立てればいいなと思いました。
面出 そうですね。まず、中国の人とどういう風に付き合えばいいか、興味深いですね。
陳 日本と比べると中国の人口が断然に多いため、一人一人の自己主張が強くないと、誰にも気づかれないまま、大勢に飲まれてしまいます。なので、他の人よりも目立って主張しようという意欲は割と強いです。グイグイ来られる時も、弱気にならず、対等に行くのも全然問題ないと思います。 逆に日本流のビジネスマナーである“硬さ”をなくし、気さくに接してもいいと思います。余談ですが、血液型の半分以上A型の日本に対して、半分以上はB型の中国は恐るべし、と思うかもしれませんが、率直に自分をぶつけてみても悪いことじゃないかもしれないですよ。
もちろん、個人個人の性格が違いますし、その背景もそれぞれですから、誰にでも同じような対応ではなく、ある程度人間アナライズをする必要があります。そのため、日本人好みのメールよりも、電話を利用したほうがいいです。相手の話し方、トーン、喋る時の感情の変化からある程度に性格を割り出し、対応することが重要だと感じています。
面出 そういう相手によって接し方を換えるのは日本でも同じですね。
陳 原理は一緒ですね。ただ、中国人のほうが自分の感情を表すので、ビジネス上でも分かりやすく、私にとってはラッキーです。
面出 でもね、たまに腹を割って、付き合える相手だと思ったら、実際そんなことはなかったみたいなこともありますね。どうしてだろう?
陳 今の中国は発展途上国よりも経済大国という名前がふさわしいと思います。利 益を得ることがまさにビジネス関係のパートナーにとって共通な目的です。共通の目的のために共通の話題をすすめるのは普通の事ですよね。ただ、いったんその基盤がなくなったら、共通利益がないのに腹を割って接する必要がないのではないかと思うのは中国では自然な考えです。健全なビジネス運営のため、そこは割り切るしかないですね。日本でも言うじゃないですか、金の切れ目が縁の切れ目。切れないようにするのはテクニックなので、次の利益を一緒に作ることです。
面出 なかなかの実利社会ですね。そういえば、大阪人も物には金払うが、知恵には払わないと聞いたことあります。だからデザインビジネスが難しい…と。中国もLPAみたいにデザインを売る商売にあまり値段をつけてくれないというのはないですか?
陳 大阪はそうだったんですか。中国の昔もそうだったかもしれませんが、今の中国にはまさに人材とその知恵に飢えている時代ですね。そのため外国の人材、技術を高い値段で買う例は少なくないです。買われすぎて、日本からの知的財産の流出は怖いですよね。必ず必殺技を残すのが賢明ですよ。猫が虎を弟子として入れて、いろいろと教えたが、木登りの技だけを隠した、ある日虎が凶暴な本性を出し、猫を食べようとしたら、猫がシュ~と木に登って命が助かったというのは中国の言い伝えもあるくらいです。 確かに、中国は実利社会で資本主義国よりも資本主義国らしくなっています。でも、日本や、LPAにとっても悪いことではないですよ。お互いに目に見えるビジネス利益のために共に奮闘するのは、日中共通の明るい未来のためではないですかね。
面出 大きいなテーマでしたね、私はまだ納得はできませんが面白い話です。
どうでしょう、もう一回やりますか?
陳 このテーマ、正直一生をかけても、研究し続ける課題になりますね。今回の内容を吟味していただいて、必要があれば、もう一回話す時間をください。今日はありがとうございました。