団長からのあいさつ

2021年照明探偵団の展望と活動予定

面出薫-Kaoru Mende(照明探偵団 団長)

面出 薫(めんで かおる)
照明デザイナー

1950年東京に生まれる。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。
1990年株式会社 ライティング プランナーズ アソシエーツを設立、代表取締役。
住宅照明から建築照明,都市・環境照明の分野まで幅広い照明デザインのプロデューサー、プランナーとして活躍するかたわら、市民参加の照明文化研究会「照明探偵団」を組織し、団長として精力的に活動を展開中。

北米照明学会・国際照明デザイン賞・優秀大賞、国際照明デザイナー協会賞・最優秀賞、日本文化デザイン賞、毎日デザイン賞などを受賞。現在、武蔵野美術大学客員教授、東京藝術大学、東京大学などの非常勤講師。日本建築学会(AIJ)、都市環境デザイン会議(JUDI)、北米照明学会(IES)、国際照明デザイナー協会(IALD)、日本デザインコミッティ(JDC)会員。著書に 『あかり楽しんでますか』(東京書籍)、『照明デザイン入門』(共著,彰国社)、『建築照明の作法』(TOTO出版)、『世界照明探偵団』(鹿島出版会)、『都市と建築の照明デザイン』(六耀社)、『陰影のデザイン』(六耀社)など。

2020年は世界的に大変な年になってしまいました。照明探偵団はCovid-19のパンデミックの影響で、活動の停滞を余儀なくされました。

照明探偵団はバーチャルではなくリアルで実践的な活動団体です。頭で考えることより手足を動かして行動し、光や影を現場で感じ取り議論を楽しむことを旨としていますので、集団で行動し騒ぎ立てることを禁止せざるを得ない状況では、私たちには忍耐しかありませんでした。仕方なしにOn Lineでの探偵団を数回企画しましたが、やはり迫力に欠けてしまいました。

そして1990年から始まった探偵団が2020年に30周年を迎えたこともあり、記念になるイベントも企画していたのですが、これもパンデミックの終息を待つしかない状況にあります。来年2021年には延期された30周年記念のイベントができることを期待しています。

2020年の3月に探偵団事務局を渋谷区神宮前5丁目から中央区佃1丁目に移転しました。桜並木に囲まれた隅田川沿いですので、来年の開花時には「探偵団花見会」などを開催できると良いのですが、どうなることか予断を許しません。

2021年も以下に示す5種類の探偵団活動を継続して行う予定です。

  • 街歩きとサロンの開催

街歩きとサロンは探偵団の基礎活動です。コロナ禍では5~6名の小グループに分けて街歩きを行い、ZOOMでその結果の報告サロンを行う予定です。また、地方都市への出前街歩きも積極的に企画したいと考えています。

  • 国内・海外の照明調査

国内外の光環境の調査は、コロナ禍での制限があるので様子を見ながら慎重に行うことになると思います。しかしこれを継続的に行い、探偵団WebのWorld Lighting Journeyのコンテンツを世界中の仲間と一緒に耕し、充実させていくつもりです。

  • こどもワークショップの開催

暗闇体験や、囲炉裏のあかり体験、照明探偵団ジュニアによる光の英雄と犯罪者探しやライトアップニンジャの実験、そしてキャンドルを使った行灯づくりなどを毎年やっています。皆さんのご家族や近隣の子供たちも誘い合わせて積極的にご参加ください。

  • 探偵団のWEB,Facebook,Instagramの活用と出版企画

WEBだけでなく、FacebookやInstagramをたちあげてから、多くの方々からアクセスをいただき、国内外の団員の距離が一気に縮まりました。また延び延びになっている探偵団の出版企画も2021年に再度立ち上げます。

  • 世界照明探偵団フォーラム(TNT Forum)の展開

2020年には30周年を記念したTNT Forumをシンガポールか東京で開催したいと考えていましたが、コロナ禍もあって延期を余儀なくされました。世界的なコロナ禍が落ち着いたタイミングで新規に企画することになると思います。

2021年01月01日
照明探偵団・団長

面出 薫