街歩き・サロン

第34回照明探偵団街歩き 六本木クリスマス

2007年12月10日

冬は寒くて、なかなか外には出られず、家に篭もってコーヒーやココアを飲みながら静かに過ごす時間、そして一年について考える季節かもしれません。でも、クリスマスの街はいつも私たちをそわそわした何か外に出て見たくなる気持ちにさせてくれます。そう、クリスマスイルミネーションがあるからです。照明探偵団は冬の憂鬱を吹き飛ばすため、そして今年のクリスマスイルミネーションのトレンドを体験するために六本木に集まりました。今回、私たちは六本木ヒルズと東京ミッドタウンの二つのメインスポットを調査してきました。

東京ミッドタウン

街歩き2007:六本木クリスマス
東京ミッドタウンの眩い天の川

街歩き2007:六本木クリスマス
クリスタルのように光るオーロラが迎える

街歩き2007:六本木クリスマス
東京ミッドタウンのKiriko Tree

街歩き2007:六本木クリスマス
森タワー・東京シティービューの“Sky Illumination”

街歩き2007:六本木クリスマス
六本木ヒルズにて集合写真

東京ミッドタウンのテーマは「誰かは誰かのサンタクロース」。とてもすてきなテーマです。しかし、イルミネーションからそれはあまりわかりやすいものではありませんでした。広場で飾られたオーロラ、ガレリアにディスプレイされた色とりどりのステンドグラス、庭園を飾った眩いばかりの天の川について、短くではありますが報告をしたいと思います。オーロラをイメージした波のような動きをするカーテンのようなイルミネーションは広場に設置されました。他のイルミネーションがカラフルだったためか、ここのイルミネーションは他よりもキラキラと輝いているように見えました。ガレリアの「KIRIKO TREE」は色を常に変化させ、多くの人の注目を集めていました。8メートルの高さを持つこのイルミネーションはとても印象的で、庭園の端からも十分見ることができるものでした。庭園の芝生を覆った海を思わせる青いライトは天の川です。星屑が煌き、星が流れるこのイルミネーションは音楽も一緒に楽しむことができました。ここは温かいコーヒーを飲みながら一年について振り返るにはいい場所かもしれません。でも、私には少し眩しすぎて落ち着かない場所だったようにも感じました。ほとんどのライトはLEDを使っていたのですが、より賢く、また目に優しい使い方ができるのではと感じました。

六本木ヒルズ

ここから私たちはシンプルでかつミステリアスな「Artelligent Christmas」というテーマのイルミネーションを体験しに六本木ヒルズに移動しました。66プラザは赤のライトをつけられた木々、赤いスポットライト、赤いクリスマスツリー、庭園のキャンドルまでもが赤と、赤一色に彩られていました。クリスマスイルミネーションは白やオレンジが主流だったため、これは初めての体験でした。歩いていていくつかのものは過剰であると感じました。しかし、スパイダーのオブジェに当てられたスポットライトも赤いフィルターをかけたら、光のアンサンブルを完成させて、色の影も作り出した方がおもしろいかなぁと思いました。六本木ヒルズの52階、東京シティービューではさまざまは照明器具を使ったクリスマスのためのデコレーションが施されていました。ライトの光は窓ガラスに反射していましたが、それほど夜景を見るのに邪魔にはなりませんでした。たとえいまがクリスマスではなくても、この眺めはすばらしく、いつも興奮させてくれるものだと感じました。

シンプル イズ ベスト

以上、デート中のカップルの邪魔をしながら回った2件のイルミネーションをみて、私は思ったことは、「シンプルが一番」ということでした。東京ミッドタウンが誕生して最初のクリスマスは、非常に多くの光であふれていました。しかし、私はクリスマスで賑わうこのシーズン、もう少し控えめな光で彩るほうがよいのではないかと感じました。赤を使って特徴付けた六本木ヒルズは、ミッドタウンよりもより、自分のスタイルとして確立できていたように思います。ひとつの色を使ってシンプルに演出したことは、私の印象に残り、あまり荒が目立たず、結果としてよりエレガントなものに仕上がっていたと思います。しかしながら、こんなメジャーな場所である、六本木にはユニークで現代的なものはあまり多くの場所では受け入れられないということは残念です。最後に忠告ですが、おそらくこのような場所にはグループで(照明を分析する照明探偵団なんてもってのほかです!)は行かないほうがいいでしょう。せっかくの休日のよい雰囲気を壊してしまいますから!
(中山 Rachel / 訳 向田 麻衣)

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