東南アジアの中心都市として成長を続けるバンコクでは、厳かな仏教文化やマーケットの賑やかさにモダンな華やぎが加わって、雑然とした熱気がますますエネルギッシュになっています。古今の魅力が調和する街ならではの光を調査しました。
バンコクでは、高層ビルの上層階にオープンエアのレストランが設けられ、人気を集めているそうだ。55階から見下ろすと、賑やかで雑然とした街の明かりはあまり感じられず、林立するビルの間でナトリウム灯に照らされた道路が浮き上がり、近代都市バンコクを象徴する景色が広がっていた。
屋台の並ぶ歩道に一歩入ると、人々が思い思いに持ち寄ったランプやネオンで夜の街が照らし出される。蛍光灯ランプの色温度が、皮や暖色系のアクセサリには電球色、きらきらしたプラスチック製品には白色と使い分けられていた。
市内から車で1時間ほど、アムパワーという街で開かれている水上マーケットを訪れた。狭い川幅に対して水面近くまで光がせり出しているために映り込む光の量が多く、水路両側に連なる光が水景に奥行を与え、広大なチャオプラヤ川よりも地上の賑わいを増幅しているようだった。