2014.11.04 岩永光樹 + 木村光
銀座で 2 回目となる街歩きの報告会を行いました。今回はただ歩くというだけでなく、色温度で銀座の各通りを特徴づけられるかという挑戦でもありました。さてその結果やいかに。
銀座色温度MAP シールの色:オレンジ3000k、黄色3000k-3500k、水色3500k以上、シルバーRGB
各班毎に写真やコメントをまとめ、発表
銀座街歩きを企画、実施してくれた西垣さん
和光前のポール灯は消灯すべきという発表資料
第50回目となる街歩きは10月に銀座で開催。通りごとにどのような色温度の明かりが設えられているか、4 つの班に分かれて色温度マ ップに記録し、通りごとの特徴を捉えることを目的としました。サロンでは班が各々にまとめた色温度マップと通りの特徴、「光の犯罪者」「光の英雄」を写真とともに報告し、その結果について語り合いました。
まず花椿通り→交詢社通り→みゆき通りを歩いた 1 班はビルの袖看板やカラーライティングされたサインを例にあげ、色温度の基準として 3000K 以下で統一されていることが心地良いと感じるという結論がだされました。例外として、光が強すぎたり主張しすぎていなければ高い色温度の光もスタイリッシュな印象で良いのではとの意見も。開放的なブテ ィックやショールームの写真とともにグレアレス、周囲の環境との調和が良い光環境につながるとまとめられました。
松屋通り→銀座マロニエ通り→銀座柳通り担当の 2 班は 1 班と同様主張しすぎる光につり合いを求め、さらに裏路地の暗さに警鐘を鳴らス場面も。高級ブティックが並ぶ銀座マロニエ通りではブランド店が低めの色温度で統一感をだしている写真を例に、白く眩しい街路灯ではなくガス灯の暖かさや歩道沿いに植えられた植栽の可能性などに言及していました。
並木通り(南側)→西五番街通り→銀座レンガ通り→並木通り(北側)というルートをまわった 3 班は通りごとの街路灯のディティールに注目してまわったとのこと。効率的な街路灯でもセードの有無やガラスの素材などで機能を果たしながらグレアレスで街の雰囲気になじむような街路灯があることを報告。また、印象的な建物のファサード照明は光源が見えないようにする改善点を指摘。
最後にすずらん通り→あずま通り→三越・松屋周辺→ガス灯通りを調査した 4 班は看板は白地に黒文字、または黒地に白抜き文字は高級感の演出になって良いと高い色温度の光の可能性を示していました。通り自体がレトロな雰囲気だったこともあってかライトアップを邪魔する街路灯や建物内部と外部の色温度の違いなど雰囲気を重視した指摘が多くみられました。明かり文化の変貌であるガス灯には感慨深さを感じていたようです。
各班の報告をみると、まず色温度に関して通りごとにはっきりとした差別化はされていないことに気付きます。同時に色温度を調査するのであれば平面的にとらえるのではなく、目線高さで立体的にとらえたほうが体感する色温度の調査に適していると気付きました。班ごとで意見が分かれたのは看板に関しての色温度と統一感。看板の表情は街じたいの表情に通ずるところがあるので、さらに考察を深める必要がありそうです。
またどの班も街路灯に関して言及し、ガス灯が心地よいと感じていた様でした。
日本を象徴するファッションストリート・銀座は街だけではなく、行き交う人々も時代と共に変わってきています。古さと新しさがひしめきあっているのを体現するかのように、われわれ探偵団員はガス灯のあかりに安らぎを求めたのかもしれません。
( 岩永 光樹 )
大人な街銀座、ということで街の明かりへもある種の落ち着きを求める意見が多かったように感じました。各班の意見を聞き面白かったことは、年齢層によってその光が英雄と犯罪者、両方の意見に分かれていたこと。それは銀座のネオンやシャンデリアを、重厚感と捉えそれを銀座らしいと思うのか、昔の流行と古臭く感じるかの違いのようでした。このような論議が起こるのも照明探偵団ならではでしょうか。
いくつかの有名ブランドに対しては思っていたより評価が低かったことに驚きました。有名ブランドは各店コンセプチュアルな印象強い光が多かった為か、または高級ブランドという期待からハードルを上げているのか、街とつり合いがとれていないとの意見を招いていました。改めて独自性とは難しいものだと考えさせられます。
様々な光への意見がありましたが、銀座に残るガス灯のように今後も先進的でロマンのある光が増えてほしいと思いました。
( 木村 光 )