「つくばエクスプレス沿線」街歩きレビュー
2017.05.29 東悟子
5 月12 日開催のつくばエクスプレス沿線街歩きのレビューを行いました。街歩きテーマの“首都圏最後の大型路線~つくばエクスプレス~沿線の光の開発は成功した?” への解答は出たのでしょうか。
5 月に開催したつくばエクスプレス沿線街歩きのレビューを開催しました。参加者15 名と少人数ではありましたが、その分濃密なディスカッションが展開されました。
つくばエクスプレス沿線の街歩きは柏の葉キャンパス前、八潮、流山おおたかの森、北千住とそれぞれ特徴の違う4 つの駅を班に分かれて行いました。サロン内の各チームの発表では、なかなか英雄を見つけにくかったという声が多く聞かれました。
2005 年に開業したつくばエクスプレス沿線を中心に開発がすすめられ、つくばにも東京にもアクセスしやすいことが売りの新興住宅街とショッピングセンターを中心にそのエリアを拡大、発展させているようですが、照明計画には多くの改善の余地がありそうでした。
光の英雄と犯罪者のプレゼンテーション資料
犯罪者とも英雄とも判断できない場所も多く存在
エネルギーを無駄にしたギラギラな照明が氾濫しているところがあるかと思えば、必要なところに光が当たっておらず暗い印象を与えているところも。新しいマンションはきれいな照明計画なのに、近くの公園は明かる過ぎたり、逆に暗過ぎたり、全く居心地のいい空間になっていない。町に合わせて落ち着いた色温度にしているファーストフード店があるかと思えば、目立てば勝ちのような従来のラーメン店があったりと、町の開発と一緒に照明のガイドラインなどがあるわけではなく、町としての統一感は感じられなかったようです。駅周辺の街路灯は、他の町と比較して明るすぎず色温度も高すぎずと好印象のコメントもきかれました。
機能、エコ、デザインを基準に採点する班も
駅の照明は改善できる箇所がたくさんみられたとの意見が
街歩きのテーマだった「光の開発は成功した?」との問いへは、いくつかのいい光環境や工夫が見られたが、街としての光のガイドラインがあるわけではないので、町全体としていい光環境になっているわけではない、という結論でした。
2014 年開催の中央線沿線の街歩きの時も感じましたが、同じ沿線上のいくつかの駅周辺を比較する街歩きは、短時間で効率的にたくさんのことが発見でき、とてもいい企画だと思うので続けていきたいと思っています。 (東悟子)