2006年10月17日
D’s Labo AOYAMA
地下空間に広がる会場D’s Labo
サロンはじまりの挨拶
調査報告を聞く団員達
報告会後発表の内容について語り合う団員達
今回のサロンは大光電機株式会社さんのご協力で、青山にあるD’s Labo AOYAMAをお借りして開催することが出来ました。閑静な青山の住宅街の一角にあり、地下に下っていくとまるでインテリアショールームのような会場で、落ち着いた雰囲気の中、サロンを行うことが出来ました。
街歩き報告~in 三渓園~
10月6日に行われた「月あかりの庭‐横浜・三渓園‐」の報告を、団員の永津、服部から発表しました。三渓園の観月会は夜に園内の様々な箇所がライトアップされ、晴れれば三重の塔の真上に月が浮かび上がります。その月光で照らされた園内に身をおき、自分たちの様々な視点で月明かりと闇を洞察する、という予定で行われました。しかし、当日は不運にも嵐の中の街歩きになってしまい、月明かりどころか園内を回ることさえ困難な状況のため、室内で月光の写真を見たり、面出団長による和のあかりの歴史についてのレクチャーを聞いたりして過ごしました。事前の下見で撮影した三渓園の写真にはとても綺麗な月と三重の塔が写っていて、これには会場の団員たちから「これを見たかった・・」という溜息が聞こえてきました。今回のサロンでは服部団員から月に関する、知っているようで知らない様々な知識が発表されました。皆興味津々に聞きいっている様子でとても勉強になる内容でした。
国内調査レポートin 広島
8月5~7日にかけて永津、小川団員が広島のあかりの川・平和祈念式典の灯篭流しと、厳島神社の調査をしてきた内容が発表されました。厳島神社では通常地上からの参道を歩いて向かって行きますが、海岸に面して石灯篭が並んでおり、干潮時には大鳥居の下を歩いて通ることができることもあって、海からの景色が印象的な神社で、夜はとくにその様子が期待されたようです。
しかし、大鳥居や本堂のライトアップはのっぺりとした平面的なライトアップで、世界遺産の神社なのに、夜の景観が美しくない、と調査した団員は少々がっかりした様子でした。
平和祈念式典では、朝の8時から式に参列して式典の重みを感じ、灯篭流しがただのイベントではないことを再認識していました。原爆ドームをバックに灯篭流しが行われ、様々な気持ちを込め蝋燭に火を灯し、風と波に揺られながら流れていく。とても綺麗な光景でしたが、背景にある街の車道灯のグレアがひどく、優しく暖かい光が見えてくる景観を考えていかなければ、と感じていたようです。
海外調査in台北
8月15~18日にかけて行った、TAIPEI 101でも有名な台北の調査報告を山本団員が発表しました。TAIPEI101は508メートルもあり、地上101階、地下5階からなっています。このビルは現在世界一位の超高層ビルで正月になるとビルから四方に向かって花火が上がります。まるでビルが爆発しているのではないかと思うような写真が紹介されました。TAIPEI101の周りには高層ビルが無く、ビル自体のデザインが逆台形であるために、あまり高い建物だということが写真からは感じられません。また、TAIPEI101から撮影した夜景写真を見ると、台北の街ではビルよりも道路の光が強く見えてくるのがわかります。日本だと道路の光よりもビルの光が目立つことが多いですが、台北では騎楼と呼ばれるアーケードが歩道を隠しているため、車道の軸線が夜の景色に光の線を描いているのだと山本団員は分析していました。全体的にはとくに目立った建物も少ない開発途中の街で、照明デザインとしては大雑把な演出が多かった様子でした。(永津 努)