2012年7月24日
DECKSからの撮影。
レインボーブリッジからお台場方面を望む。
東京湾の真ん中に真っ黒になっているところが台場跡地。 闇に沈んでまったくその存在がわからない。
レインボーブリッジの遊歩道。
台場公園からみた東京タワー側。
25名が参加。お疲れ様でした。
東京を代表するウォーターフロントお台場の街歩きに行ってきました。エンターテーメントのイメージが強いお台場ですが、今回の着目点は“台場跡地の闇から見る東京”。さてどんな景色がみえたのでしょうか。
概要
台場には、今年開業されたダイバーシティ東京やヴィーナスフォート等多くの複合商業施設があります。その中で台場跡地には全く照明がないことに着目し、周りとのあかるさの比較や実際にどの程度暗いのか調査しようと考えました。また普段の調査とは違い、あえて照明に着目するのでなく、闇からあかりを考える視点も面白いのではと考て、この企画を実施しました。
(坂入美彩子)
台場の歴史
お台場とは、江戸幕府がペリー率いる4隻の黒船が来航したことをきっかけに、海防策の一環として 急遽作った東京湾品川沖 の砲台のこと。今でもその跡地が公園として残っています。この場所は夜になると照明も点灯せず、黒く沈んでその存在が全く分からなくなっています。
レインボーブリッジから望む東京
午後6:00。夏のお台場はまだまだ明るく、ブルーモーメントの時間にもまだ間があるころ、集まった25名で海浜公園駅を出発しました。カラフルな提灯を下げた屋形船を左手に眺め、一路レインボーブリッジへ。歩道が高速道路とゆりかもめをはさんで設置させれており、あまり入ることのない所からお台場、品川、新橋、東京方面を眺めることができました。お台場側がさまざまな色を使いにぎやかな照明を施している半面、品川、新橋方面は、東京タワー以外にはランドマークになる照明も、水辺に対しての照明もなく、地味な印象でした。航空障害灯の多さが、橋から見るとはっきり感じられ、気になるという意見が多く聞かれました。水に対しての照明を施しているわけではないのですが、川の上から360度のパノラマで、様々な表情の東京を望めるロケーションはなかなかないので、夜景を見る場所としてはレインボーブリッジはお勧めだと思いました。
闇の中からみる東京
レインボーブリッジを後にして、一行は目的地のお台場跡地へ向かいました。台場跡地は、そこに続くまでの歩道にはポール灯が経っていますが、一歩中に踏み入れると全くの闇で、足元もおぼつかない感じでした。私たちはその闇の中レジャーシートを広げ、腰を下ろしビール片手に30分ばかり過ごしたのですが、いったん腰を下ろしてしまうと、目も慣れてきて、周りがよく見えるようになります。レジャーシート上の照度は計測不能なほど暗かったのですが、お台場DECKS側の鉛直面照度は0.5Lxもあり、その明かりのせいか、顔の表情もよく見えて、語らうには心地よいあかりの環境でした。水面、風、月明かり、少し離れた街灯りとそこからの音、そしておいしいビール。それぞれのエレメントがうまく融合し、心地よい時間を過ごすことができました。夜、外で心地よく過ごすためには何が鍵となるかを、街から少し離れた場所で客観的にみることで、 よくわかった気がします。
(東悟子)
感想
台場跡地をとおくからみると海に闇が浮かびあがっているようでした。実際行ってみると特別、閉塞感があるわけでも、違和感があるわけでもなく本当に自然のままということを感じました。
また、あの場を知ってしまうと如何にショップのあかりが多いか、自然の夜や闇を感じることができないのかを感じることができました。
企画についてですが、照度等の数値でなく特に各々が感じて考える企画だったので、新たに打ち出すようで面白かったです。一方、企画意図が伝わったか心配な点も残りました。
(坂入美彩子)
今回の街歩きは、面出さんおすすめの闇スポットを体感しに行こう!というのが趣旨だったのですが、本当に気持ちのいい闇で、滞在時間が30分しかなかったのが本当に残念でした。街からの間接的なあかりだけで他に何もない所が、こんなに心地いいなんてと、参加者全員の共通した感想でした。また違う企画でも使ってみたいと思いました。
(東悟子)