探偵ノート

第66号-結婚か独身か

Update:

Interviewer:劉 晶

面出:今日のテーマは何だっけ?

:「結婚か、独身か」です。

面出:なんでこのテーマを選んだの?

:最近中国で話題になっているトピックで、個人的にも親から結婚の催促が来ている身なので選びました。

面出:劉さんは一人っ子?

:兄がいます。

面出:一人子政策時で次男として生まれて困ったことはなかった?

:罰金があったそうです。両親が国営企業勤めで給料20%ほどそれぞれ下げられたそうです。私個人は結婚しなくてもいいと思っていますが、育ててくれた親のために結婚する道もありかとも考えています。

面出:そうすると劉さんは今日のテーマで結婚か独身、どっちがいいという結論なの?

:僕は好きな人が現れたら結婚してもいいですし、難しかったら独身のままでも大丈夫かなと考えています。ただ中国では男性が結婚するのは非常に難しいことなんです。原因の一つとして結婚適齢期男性が女性より3000万人以上多いことが挙げられます。

面出:女性が少ないということ?

:そうです。女性が絶対的に少ないので結婚する場合は女性の家族の立場が強く、結婚の条件として男性側が車やマイホームの購入、結納金を納めるのが必須となっています。条件は地域により異なりますが、私の従兄弟も婚約者から結納金500万や家と車を要求されていますね。

面出:結婚したくてもお金がなければ、結婚できないということ?男性側の親は出してくれないの?

:そういう場合もあるかもしれませんが、うちは難しいですね。

面出:結婚は親がするわけじゃないから。稼ぎは少ないけど素敵な男性がいたら、親の反対を押し切ってでも結婚したいという女性はいないのかな。

:かなり少ないと思います。女性側のお母さんは中国で一番力を持っているので抵抗自体難しいですし、社会的にも男性がお金を出すべきという風潮が強くあります。男性が婿入りして女性側の親がお金を出してくれる場合もありますが、男性の立場がかなり弱くなります。その場合結局結婚生活がうまくいかないケースが多い印象です。

面出:困ったね。劉さんは親から結婚しなさいと言われているけど簡単に結婚できないということだよね。

:そうですね。面出さんは結婚すべき、独身でもいいなど意見ございますか?

面出:僕の場合はどっちが良い悪いというのはないね。ただ結婚というのは社会のシステムの一つでしかないと思っている。僕のデンマークの友達は結婚せずにパートナーと家族を作っている。子供にはお父さんお母さんはパートナーなんだと教えている。結婚っていう仕組に入らなくても幸せな家庭はできるという考えが北欧にはあるね。そして日本では昔、恋愛結婚は珍しく、家族が決めた相手と結婚することも多かった。家と家の繋がり重視で、辛い結婚も多かったんだと思う。

:中国では今でも家と家の繋がりが大切で、恋愛結婚は少ないと思います。

面出:愛情が育まれないとすれば、離婚も多くなるのかな?

:若者の離婚率は最近特に高くなっているらしいです。

面出:僕のパリに住む友達に聞くと、パリの夫婦の半分以上が離婚しているらしいんだ。離婚率50%以上。まあ、日本も離婚率も高くなっているし、加えて生涯未婚の人、パートナーを持たない人が増えてきているね。ただ結婚にしろ、事実婚にしろ、自分以外の人と一緒に住むというのはお互いに気を遣っていくということ。相手が喜んでくれるとそれが自分の喜びにもなる。共に暮らすということはそういうことじゃないと意味がない。

:そうですね。シェアするということですね。同じ空間や楽しい時間をシェアする。

面出:そう、楽しいことも苦しいことも分かち合うんだよ。シェアすることは面倒くさい場合もある。けれどもそこには大切な意味があるから、結婚するしないは別にしてパートナーと生きることは自分の成長にもなる。

:そうですね。一緒に料理を作るのも楽しいかもしれませんね。

面出:そうだよ。時々は時間をかけてモヤシのひげを取ったりするんだよ。それは意味があることなんだよ。だから面倒だから結婚しない、パートナーはいらないというのは、僕は寂しいと思う。相手の喜びが自分の喜びにもなる。愛情というのは頂くものではなく無償で差し出すものですよ。

:そうですね。だんだん前向きな気持ちになってきました。積極的に出会いは探したいと思います。今日はどうもありがとうございました。

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