探偵ノート

第85号 – MBTI沼へようこそ

Update:

Interviewer: 王 喬西

王:今日はMBTI性格診断についてお話したいと思います。面出さん、MBTIはご存じですか?MBTIは、人の性格や考え方の傾向を16タイプに分類する性格診断です。何年も前から流行っているのに、今でもみんな普通にMBTIを使って自分の性格を説明したり、共通点を探したりしますよね。

面出:そもそも、どうしてみんなそんなに性格診断をやるんでしょうね。

王:今、いろんなことがすごく時短になってる時代になっていますが、人に対する興味も、できるだけシンプルに、すぐ理解したいという方向になっている気がします。MBTI は、そういう流れの中で広まったものなのかなと思います。
たとえば若い人に「MBTI 何?」って聞くと、年齢とか出身地を聞くくらい自然に、みんなすぐ答えてくれるんですよね。しかも診断内容も基本的にポジティブなので、「嫌なことを言われる」感じがない。だからみんな気軽にシェアできるんだと思います。 今はちょっとした“自己紹介カード”みたいになっていて、タイプを言うだけで「この人こういう感じなんだな」と伝わるので、便利なんですよね。

面出:LPA のみんなも、自分の MBTI を知っているんですか?

王:知っている人は多いと思います。東京は I 型の人(内向型)が多い印象がありますし、深圳オフィスは“緑色グループ”が多いと聞きました(笑)。
面出さんは何っぽいですかね……ENTJ(指揮官)な気がします。

面出:私も、今日の会話のためにMBTIをやってみたんだけど、診断結果は ESTJ(幹部)でした。S 型、つまり感覚型なんですけど、自分では意外と直感も信じているんですよね。ただ、仕事ではかなりT(思考型)とJ(判断型)が強いと思います。論理的に考えるし、きっちり判断したいタイプなので。

王:やっぱり(笑)。ちなみに私は、全部の割合が結構半々なのですが、最終的にはINTJ (分析型)でした。でも、面出さんみたいなタイプは、経営者とかオペレーション側の人に多いイメージがあります。 長いキャリアの中で、「性格を変えよう」と思ったことはありますか?

面出:性格そのものを変えるのは難しいと思っています。ただ、“態度”とか、人との向き合い方は調整できると思うんです。 僕は昔から細かいところにすごく敏感で、ある意味かなり厳しい性格なんですね。デザイナーとしては長所なんですが、リーダーとしては相手にプレッシャーを与えてしまうこともある。だから最近は、その“細かさ”が周りの負担にならないように意識しています。

王:なるほど……。ちなみに採用の時は性格も見ますか?どういうタイプの人を採りたい、とか。

面出:正直、採用面接の時は多少の“演技”が入りますよね。みんな準備してきますし。僕は、いわゆる“模範解答”みたいなのものを聞くのがあまり好きじゃない。だから時々、わざとちょっと変な質問とか、予想外の質問をします。準備していない時にどう反応するかを見ると、その人の性格が結構出るので。

王:賢い!じゃあクライアントに対しても、“攻略法”みたいなものがあったりするんですか?

面出:長く付き合っているクライアント、たとえば伊東豊雄さんとか隈研吾さんに対しては、特別な“作戦”はないですね。結局、一番大事なのは誠実さだと思います。ちゃんと相手の話を最後まで聞くこと。意見が違っても、お互い正直に話せれば、どこかで交わるポイントが見つかるので。

王:LPAのチームとしては、性格が似ている人同士の方がいいと思いますか?それともバラバラな方がいいですか?

面出:それは絶対、多様な方がいいですね。僕はよく、LPA を“小さな動物園”みたいなものだと思っているんです。いろんな形や色や性格の違う小動物がいるから面白い。もし全部同じ動物だったら、デザインもつまらなくなってしまうと思うよ。

王:今ちょっと、頭の中で同僚を動物化し始めました(笑)。

面出:もちろん、性格が違えば摩擦もあります。でも、お互いを尊重できれば問題ない。僕はよく、「デザインの仕事は 80% がロジック、残り 20% が感性」だと言っています。論理的に説明できるなら、性格の違いはむしろ新しいアイデアにつながると思うんです。

王:わかります。私の周りを見ていても、カップルって性格が真逆なことが多い気がします。面出さんと奥様は、似ているタイプですか?それとも真逆ですか?

面出:はは、それは“引力の法則”みたいなものかもしれませんね。人は、自分にないものを持っている相手を好きになるのかもしれない。僕と妻は結婚して 50 年になりますけど、彼女は本当にまっすぐな人で、全然“変化球”を投げないタイプです。

王:50 年って本当にすごいですね。じゃあ、ケンカもしないんですか?

面出:昔はよくしてましたよ(笑)。でも最近は、僕も学びました。すぐ謝るんです。どっちが正しいかを考え続けるより、「ごめんね」って先に言って終わらせた方がいいなと思っています。妻は口では謝らないですけど、ちゃんと分かっているんですよ。

王:かわいい!奥様の前だと、面出さんもTJじゃなくて、もっと柔らかい感じになるんですね。
今日は、MBTI の話から始まったのに、最後は夫婦の相性や付き合い方の哲学みたいな話まで聞けて、とても面白かったです(笑)。でも結局、人間関係って、タイプそのものよりも、「違いを理解しようとする姿勢」が一番大事なのかもしれませんね。
LPA の“小動物園”が、これからも面白い場所であり続けるといいですね。今日はありがとうございました。

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