Written by Ulrike Brandi
Lighting Designer
Hamburg
2020年3月、私は恒例の春のグリーティングカードにこう書いた
親愛なる友人たちへ
春の訪れと新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、春のグリーティングカードには何かしらメッセージを書かずにはいられない。
幸い、今は春だ。
危機は、何か新しいこと、より良いことへのチャンスでもある。それが私の希望であり、どんな小さなサインも見逃さないよう注意している。我々は、不平等や成長に無慈悲に依存しない経済システムが作れるだろうか?休暇をとること、健康でいること、不安を感じること、困っている人を思いやり守ること、そして内省することに鈍感でいられるだろうか。私たちの「日常の」生活に戻る代わりに、皆が協調して人類や自然を思いやり、愛と敬意のある姿勢を持つことを願う。
2021年8月、私が見たもの
世界は、ここ数週間の衛星画像に見られるように危機的状況にある。洪水や嵐が人々の生活を脅かし、地球に暗い影を落とし、世界中の人々を長期的な苦悩へと追いこんでいる。地球上の生物種の絶滅は止まることを知らず、新型コロナウィルスもまた無知の増加による結果だ。
このような私たちに挑戦してくる大きな変化に直面して、私たちは真のサステナブルな暮らしのために影響を与えたいと願っている。照明デザインは小さくても影響力のある職だ。私たちの貢献度は高いに違いない。
<光害について>
- 世界規模で輝度が下がり続ける中で、楽しく安全で人間的なデザインを施主に提供することで我々の全てのプロジェクトで光害を最小限もしくは回避しよう。
- できる限り屋外での間接照明を制限しよう。カットオフアングルが70°以下の照明器具を使うことを施主やメーカーに促進しよう。
- 必要な時だけあかりを点けよう
- 常に意識の中でも、図面の中でも、光のヒューマンファクターを意識してデザインしよう。知覚の法則を考えてみよう。例えばまぶしさ。星空を見るために最適な視覚条件とは何か。
<環境汚染について>
- 私たちの消費行動を変えることで、環境汚染を最小限にしよう。照明器具に求められるものは、エネルギー効率だけではない。LED基板からドライバーやケース、表面の素材に至るまで、照明器具や付属品をできるだけリサイクル可能にする必要がある。
- エンドユーザーに、すべてのLEDガジェット、光るスニーカーから光る氷のキューブ、ジャンクLEDのクリスマス装飾や使い捨てバッテリーまで、楽しいものではあるが再利用のできない相当な電子廃棄物を生み出していることを教えよう。
愛をこめて。
Ulrike
Ulrike Brandi
照明デザイナー
ハンブルグ
Ulrike Brandi Licht GmbH と Brandi Institute for Light and Designの創設者・CEO。世界各地で講演を行っている。また照明、自然光、都市照明に関する4冊の本を出版。