探偵ノート

第013号 – 心が昂ぶり安らげる自然光とTIF及びMIHO美術館の理想の人工光

Update:

Tomoya Furukawa
Kanagawa

江ノ島右側からの日の出

夕べの満月は皓々として普段より大きくとても綺麗だったなあと、歓喜した余韻に耽けながら、早朝、砂浜のウッドデッキに向かった。年配のご婦人達や市民ランナー夫婦と一緒のラジオ体操に参加するためである。コールドムーンの翌朝、12月6日の湘南エリアの日出時刻は6時33分で、体操をしながら日の出を見ることになった。

日長の生活にメリハリをつけるためラジオ体操を再開した。三日坊主になるかと思っていたが、1ヶ月も続いている。

今回はなぜ続くのだろう。モチベーションは何?

早起きは三文の得、体力維持の逼迫感、体操後のお喋りが楽しい!?

日の出後の富士山とコールドムーン翌朝の月

「江ノ島と富士山がとても綺麗ね、今日は大島も見えるよ」

「今日も日の出が見られて、平和ってありがたいわね」

冬至前のこの時期、湘南エリアの太陽は東方に位置する江ノ島の右側へ少しずつ移動して、三浦半島から昇る。天空が白々と明るくなって、日の出の5分前ぐらいになると東の空が徐々に赤みを増す。そして、太陽の最頂部が陸地からスッと見えるまでの数分間、『まだかまだか、もう来るか』と、ワクワクしながら待つ。

心が昂ぶるこの時間がとても楽しくて好きだ。

一方、西方に鎮座する葛飾北斎が神奈川沖浪裏に描いた富士山は、日の出前の波長の長い光によって照らされ始めると、雪をかぶった頂部がゆっくりと8合目あたりまで薄紅色に染まる。

太陽が全て姿を現すと、頂き近くの薄紅は次第に消失して、新雪は白く輝き、砂浜に長い人影が描かれ、毎朝の光の天体ショーは終わる。

自然光の営みに感謝して、明朝もまた来るのだろう。


建築照明と美術館照明に携わって最上の出会いを得た。

ラファエル・ヴィニオリ氏が建築設計した東京国際フォーラム(TIF)にはテクニカルライティングの全て要素が世界的照明デザイナーのクロード・エンゲル氏と面出団長によって具現化されてベンチマークとなっている。ERCOのカットオフ40度の不快グレアがない光はいつ行っても心地良い。588台のスポットライトできめ細かく丁寧に照らし上げられた竜骨は近景・遠景とも芸術的で美しく、高揚して当夜も長居した。

I.M.ペイ氏のMIHO美術館は、信楽の山中に陶淵明の桃源郷がモチーフである。トラブルシューティングに角刈りで望んだ忘れられないPJで、ガンダーラ仏立像等が高質な人工光で荘厳に浮かび上がる。

近くの町に住む孫達を連れて見に行こう。

(2025年12月執筆)


古川 智也
元 (株)ERCO TOTO
神奈川

欧州発の、質の高い光の心地よさを国内に広める事業活動を展開。
今も美しい光を求め、日々あかりを楽しむ。

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