探偵ノート

第020号 – Frankfur

Update:

前回の探偵ノートで「フランクフルト・メッセを訪ねた」と言っておきながら、この世界最大の照明見本市の内容を、ちっとも報告していないことに気がつきました。何ともだらしのない話ですが、今日は寸暇を惜しんで、これについての私見を少し…。これまでは、ず~っとハノーバーでこの照明見本市は行われていたのですが、去年を最後にこのハノーバーから照明分野が独立し(締め出されて)フランクフルトに居を移して行うことになったのです。

“light+building” International Trade Fair for Light and Electrical Technology,Air Conditioningand Building Services — という見本市のタイトルが示すように照明分野が電気技術、空調、ビルオートメーションと手を結んで行われました。結果は期待以上の反響で、主催者は「記録的な大成功:訪問者は100,000人突破」と報じています。私は2日間会場に顔を見せただけだし、沢山の人と握手をしていたので、冷静に各ブースの展示内容を観察してはいないのだけれど、ハノーバーより沢山の人が訪れている様子は良く解る。しかもドイツ語でなく英語が飛び交っていたのが印象的で、さすがフランクフルトは国際都市、ということでしょうか。

100,219平米の床面積には、照明部門1,141社、電気技術部門296社、空調部門185社、ビル・オートメーション部門188社、の合計1,810社が参集しました。照明部門は全体の63%を占めていて、訪れたトレードバイヤーの数は96カ国から100,191人。ドイツ国内が約77%で、国外からの訪問者はオランダ(1位)、ベルギー、イタリア、フランス…アメリカ(14位)…日本(21位/322人)…、と続く。日本人の総数が少ない感じだが、実際あまり日本人の姿を多く見なかったような気がします。不景気のせいかな?

まあ、概略こんなとことですが、肝心な展示の内容とその傾向を話さなければなりません。およそ5つの傾向を読み取りました。

1. モデュールを活かしたテクニカル・システム器具の一般化:
これはもともと kreon というベルギーの会社がデザインした幾何学モジュールのスポットやダウンライトのシステムがコピーされて流行ったもの。もうどこでもこれをやっている。

2. LEDを利用したスポットやダウンライト器具の開発:

3. 大型の反射鏡をデザインして、それに向かって集光した光を投げかけるシステム:
これも、もとはと言えばスイスの Christian Bartenbach が熱心に取り組んだミラー返しの技を、各社が勝手にアレンジして既製品化したものだ。

4. TL-5(最新の細型蛍光ランプ)や CDMを用いた超間接照明システム:
スーパーアンビエント・ライティングというのは私たちLPAの命名だが、これが流行ってきて、各社に既製品が見られる。

5. コンピュータによるディスプレイ・プレゼンテーション:
見本市の展示システムが、パネルや実物を多く置かずにコンピュータを用いることが多くなって、バーチャル化している。当然のことですね~。

そんなところで、また長くなってしまいました。いつも15分程度で…と考えているのですが、いったん書き出すと色々あって、30分も費やしてしまうのです。本当はベルリンのドイツ連邦議場の照明計画について批判したいと思っているのですが…。またの機会に。ああ、疲れた。

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