街歩き・サロン

第9回照明探偵団街歩き 埼玉編

2000年12月6日

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前回の街歩きはアミューズメント一色に終始したという反省の念に少々かられて、第9回目をむかえた今回は、「今世紀最後の街歩き」的な勢いも手伝い、真摯な態度で都市のあかりの調査にくりだしました。

今回のターゲットは、さいたま新都心。今年の5月に街開きをし、9月にはLPAのプロジェクトでもある「さいたまスーパーアリーナ」や、「けやき広場」などの商業施設がオープンしました。

興味深かったのは、このさいたま新都心の創設にあたり、照明デザイナーの近田玲子さんがその全体の照明計画の指揮にたずさわっているということ。なので、LPAの手がけた建築を目の前に団長自らの解説が聞ける、ということ以上に、都市計画と照明計画、というような大きなスケールでの調査が期待されました。

スタート地点さいたま新都心駅は、シェル構造むきだしの、少し歪んだカマボコみたいな、ユニークな形状をした建築。この空間を横切る光のチューブが印象的。自由通路をとおってけやき広場へ到達すると、「けやき広場」。6mピッチのグリッドにうえられたけやきはクリスマス電飾がつけられていて、やたらときらびやかでした。その奥には「森のパビリオン」というトランスルーセントなガラスの箱状の建物があって、やわらかいあかりの表情を呈していました。近づくとその正体は3cm幅程度の白い不透明な部分と透明な部分が交互になったガラスの壁。団長曰く、この密度など微妙な違いでその行灯状のあかりの出来映えが全然違ってくるのです。ひかりって、本当に繊細。通常だったら、こんな印象的な光を背景に、けやきのぎっしり整然としたシルエットが浮かび上がってくる光景にありつけたはずだったのに、今回ばかりはクリスマスの華々しさが少々残念でした。更に追い討ちをかけるように、この広場の目玉的空間でもある「サンクンプラザ」、本来だったら、下のフロアからあかりが漏れてくるガラスブロックが一面に広がっているというユニークな光景にお目にかかれたはずなのに、工事中。一面に広がっていたのはグリーンのビニールシートでした。がっくし。

広場を背にさいたまアリーナへ。ガラス壁面には3色のカラー蛍光灯が剥き出しでランダムにつけられている。入り口前に広がる床には紫色のインジケーターが4.5mグリッドで埋められていました。近づいて覗き込むと中身は赤と青のLEDでした。さらに歩みを進めると、人気のない空間に、有り余る光あり、暗がりあり、そして団長の口から自身のプロジェクトにいろいろと酷評も下され、参加者の皆さんには興味深い体験だったのでは?しかし、空間の質を図面から読み取り、その施設の性質を考慮しての照明を計画し、オペレーションをプログラムすることの難しさなどを再確認した思いでした。 調査のあとの恒例の懇親会でも、参加者皆さんから意見や感想がたくさん聞かれ、真面目でとても充実した探偵団調査となりました。

更に、今世紀最後の街歩きは、オマケつき! 懇親会もおえて心もおなかも満たされ体温を取り戻したところで、再び探偵団活動再開という展開に。というのは、浦和でミレナリオのようなイベントをやっているとの情報がはいって、一同帰途の途中下車、しかも懇親会を終えたのが21:30頃で、そのイベントは10時終了だというから、もう大変。浦和駅から矢印がさすルートを追いながら走ること10分、その間色とりどりの電飾に飾られた町並みを横目にしつつ、アーケード状の光のオブジェに到達。ようやくここでこのイベントが、光の回廊、光の壁掛けをコンセプトにした南イタリアから届いた光の祭典「浦和ルーチフェスタ21」だということが判明。しばしそのきらびやかな光景を堪能。アーケードの天井面まで電飾でびっしりなので、アーケードが平面の連続で並んでいるだけの東京のミレナリオとは違ったボリューム感のあるあかりの光景でした。

最後の消灯の瞬間もビデオに納めて、満足、満足、なかなか感激の瞬間。一足早く往く年の感慨にふけった思いでした。

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