照明探偵団通信

照明探偵団通信 Vol.08

Update:

発行日:2000年10月25日
・展示会・ロンドンレポート
・PLASA2000Show
・ミレニアムドーム
・照明探偵団倶楽部活動1/街歩き報告
・照明探偵団倶楽部活動2/研究会サロン報告
・海外照明探偵団レポート
・パリ・サンマルタン運河
・照明探偵ホームページ編
・面出の探偵ノート
・レゴと建築展
・探偵団日記

展示会・ロンドンレポート

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PLASA20Show

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PLASA20Showは、9月10 日から13日までロンドンのアールズコートで開催された。建築都市照明を業務としている私達にとっては、いさか違う分野だが最先端の舞台照明装置を視察してきた。PLASAとはProfessional Lighting and Sound Associationの訳であり、23年の歴史がある。舞台照明(スタジオライティング)の専門家ではないが、照明装置の過去を振り返ると基本はスポットライトではないかと思う。そのスポットライトの「光の広がりを調節したい」、「光に色を付けたい」、「光の強さを調節したい」、「光を回したい」、「光を振りたい」、「光を動かしたい」、「光で模様を出したい」などと、ライティングイメージ創造の為にスポットライトは、どんどん進化してきた。また、光を強調する為のスモークマシーンなど特殊演出効果器具の発展もあった。音と照明の同期など、瞬時に反応させる為のデジタル化も進んできた。これら、いろいろな機能を持つスポットライトを多数使用する時代から、高性能・多機能スポットライト1台でこれらの機能をこなす時代がやってきた。ミラースキャンスポットライト、ムービングスポットライトがこれらにあたる。

照明デザイナーのイメージを具現化すべき技術は、更に進歩してきている。今年のPLASA2000は、これからの進歩の現実が感じられたShowであった。工業プラスチックを使用した照明器具の出現、プラスチックレンズを使用したスポットライト。照明器具の軽量化が光の動きを俊敏にする。DMXは常識の時代。現行のほとんどのミラースキャンスポットライト、ムービングスポットライトのカラー演出は、複数のカラーホイールをデジタル制御で回転させ、光の色を作り出している。だが、超最先端のものはDLP(デジタルライトプロセシング)と、DMD(デジタル マイクロミラー デバイス)を使用した超高性能プロジェクター光照射装置である。このシステムの展示は、試作品であったが、近日市場に出るとのこと。しかし、レンタルのみとのことらしい。電子素子と電子制御の組み合わせ技術で、照明器具はスポットライトから、デジタルプロジェクターへと変身していくのである。

海外のショーの特徴として、会場の外にイベントがいくつかある。その中のクレーパーキー、パルサーが主催するUKLJ2000に出席してきた。UKLJ2000とは、UK Light Jockey Contest Finalの訳である。ロンドンで一番の若者の街ソーホーにあるヒッポドロームで行われた。ヒッポドロームは、1650名を収容するヨーロッパ最大のディスコクラブである。午後9時開場でどんなイベントになるのか楽しみに待つ事1時間、やっと始まった。主催者側の挨拶が終わり、一人の照明デザイナーが紹介された。ステージの奥に置かれた調光卓の前に立つ。会場の明かりが暗くなり大音響で音楽が響きながら激しく光が動き、色が変わり、光の形が変わる。時々会場がクリアーになると、スモークがたかれる。フロアーに観客がいる訳でもなく、ただ光と音が無機質にうごめいている。約10分ほどの演技が終わり、次の照明デザイナーが紹介される。といった感じで3人の演技が終了した。次の照明デザイナーと思いきや、コンテストの終了である。もっと大勢の照明デザイナーが参加するものと思い期待していたので、もの足りなく感じられた。私にとっては、なかなか優劣の判断は難しかったが、最終演技者が最優賞をとった。最終演技者の選択した曲は、他の二人よりノリが良く、照明と合わせ易かったのが勝因かも知れない。とすれば、参加者が同じ曲で照明デザインをするのが非常に解り易いと思うのは私だけだろうか。勝敗を左右するかも知れない曲の選択は非常に重要である。しかも、曲があっての光の演出と考えざるを得ない。歌には作詞と作曲の関係があるとすれば、その関係はほぼ対等であるが、光と音の関係では、まず音が先行している気がする。光の演出が先行して音を作っていく事はあるのだろうか。演技者の動きには、オーケストラの指揮者のようマに体を動かしながらのパフォーンスが、客席からは感じられず、音と同調させたCD-ROMのスイッチを入れただけと何が違うのだろうかと考えさせられたライトジョッキーコンテストであった。

ミレニアムドーム

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ミレニアムドームは、今年の1月1日にグリニッジにオープンした巨大ドームである。設計者は、リチャード・ロジャース。日本からは、インターネットで希望日を指定して入場券を購入する。期待をして会場へ。地下鉄駅を出ると、ドームの一部分は見えるが付帯施設がドームを遮り全体像が見えない。ドーム自体のスケールは感じられなかった。付帯施設メSkyscapeで、英国のコディー「Blackadderback and Forth」を見てからいよいよドームへ__そばに寄ると、やはり大きい。メインエントランスから中に入る。直径30mを超えるドームはあまりにも大きく、天井の存在は感じられない。各ブースの造形が目に飛び込んでくる。ピドーム内には17のブースが存在する。スーマドや移動をテーにしたブース、話す事をテーママにしたブース、休むことをテーにしたブースなど、全ての展示内容は人間が中心のテーマとなっており、それぞれ個性的な造形をしている。
何と言っても目を引くのは、ナイジェル・コーツがデザインした人間の形を模したBodyのブースである。インテリアについても体内に入り込んでいくイージでデザインされており、体内について勉強していく。休むことをテーマにしたRestブースも面白い。中に入ると、薄暗く空間がどのようになっているのか良く見えない。暫らくすると、目が慣れて見えてくる。長辺が10m程の卵型の平面が2つあり、天井高も10m程である。床、壁、天井の区別が無く、全てが丸みを帯びている。床と壁の境には、丸みを帯びた寝そべる為の段差がある。人々はそこに寝そべって、天井を仰ぎ見ている。穏やかな音が流れ、赤とも青とも区別が付かない微妙な明かりが間接光となって、空間を包み込んでいる。何か展示物があるのではなく、空間全体が明かりと音で演出された体験型展示である。

ドームのセントラルエリアに入ると、巨大な空間を把握する事が出来る。見上げれば、60m上空の天井が見える。この巨大なセントラルエリアでは、1日2回ないし3回のミレニアムショーを行っている。ドームの空間を全て使用した大掛かりなショーである。ショーの開始に先立ち、何気なくドーム全体を遮光スクリーンが覆い始める。いろいろなセットが四方から中央に持ち込まれ、派手な衣装を身にまとったダンサーが登場する。音楽がスタートし、ショーが始まる。50m上空のキャットウォークから竹馬を着けた15名ほどのダンサーが、地上まで舞い降りる。大仕掛けの道具が空中に舞う。主演ダンサーの演じる場所はステージ上ではなく、殆どドームの上空(空間)である。センターのステージでは、20m程のタワーが数分で立ち上がり、炎と共に崩れ去ボる。そして、カラフルなリンが多数上空に舞上がり、そしてドーム内が緑の葉っぱで覆われる。劇の内容より、それらの仕掛けにビックリさせられた。勿論ショーの照明は、ムービングスポットライトを中心としたステージライトである。

ミレニアム・ドームの夜景はどうだろうか。入場日前日に電車に乗って、ガイドブックに掲載されているような美しいビューポイントを探しに対岸方面に出かけたのではあるが、私有地で河岸まで行けなかったり、高速道路のパーキングであったりで全体像が見えるポイントは見つけられなかった。電車に乗って気軽にドームの全体像を写真に収めるのは無理のようだ。ドーム敷地内の外構には、幾つかの光の仕掛けやアートが存在する。一つ目は何といっても子午線の視覚化である。地中に埋め込まれた赤い光の線が河岸側敷地内をかすめている。また、グリニッジ天文台から放たれた緑色のレーザー光も上空を貫いている。河岸側の広場の壁には、光をグリッド状に点灯させてキラメキ感を演出している。また、ネオン管が空中で束になったオブジェも、なかなか存在感があり面白く感じられた。メドーム自体の夜景は、写真でイージしてメマいたよりもおとなしく感じた。たぶん、カランのテクニックで実際よりも美しく見せられていたのかもしれない。(稻葉 裕)

照明探偵団倶楽部活動1 /街歩き(アミューズメントの明かり編)報告

000911第8回照明探偵団倶楽部・街歩き

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今回で8回目を迎える探偵団街歩きは、9月1日に小雨降る中、参加者7名を含め、合計11名で行われました。
今回は、「アミューズマントの明かり」をテーマに開催。最近、お台場や横浜みなとみらいの大観覧車などイルミネーションで飾り立てた夜型のアメミューズントパークがテレビや雑誌などで取上げられていますが、実際にその非日常的な光空間を詳しく調査した内容をアトラクションの興奮と共に報告します。

場所は東京ドームの真横にある後楽園遊園地。遊園地というと昼間がインの施設ですが、最近は夜間も午後9時過ぎまで開園しており、それなりに賑わっていました。園内に入ると色々なアトラクションが、ブルーやグリーンにライトアッされ、その他のイルミネーションなどが雰囲気を盛り上げています。この色とりどりにライトアップされたアトラクションの構造体が普通の建築空間にはない景色をつくっています。夜空に浮かび上がるジェットコースターの軌道は、おそらく好き者にはたまらないでしょう。途中の地下通路では、ブラックライト演出でちょっと不思議な空間を体験できました。

先ず初めに一行が向かった先は、暗闇の恐怖が味わえるアトラクション「お化け屋敷」です。待合通路に怪しげな提灯が吊り下げられ一層と恐ろしげな雰囲気を助長しているようです。徐々に入り口に近づくにつれて館内からの聞こえる悲鳴が鮮明になってきます。「あ~、一体どんな暗闇の恐怖が待ち受けているのだろう。」などと考えていると、自分たちの順番が回ってきました。入口の係員が不健康そうな顔で「決して前の人とは離れないでください。」などと意味ありげなことを言い、何と、いきなり手錠をかけてきたのです。まさに「聞いてないよ~!」の気持ちです。これでは、もう撮影どころではありません。恐る恐る足を進めると内部は意外に明るく、少し暗めの夜の公園といったところです。雷のようなフラッシュランプや炎に見立てた明かりが点在しています。もともと列の中で待っている時にある程度の暗さに目が慣れていたので、内部があまり暗く感じなかったのだと思います。これはきっと真夏の太陽が照りつける昼間に体験する方がより怖さが倍増するのでしょう。今回訪れた遊園地は、夜でも明るい都内の真ん中にあったので、全体の印象はどちらかというと周囲の明るさに同化してしまっている感じがしました。逆にもっと明るさを極限まで抑え、その暗さの中でアトラクションを楽しむといった趣向をもつ遊園地を作ってみてはどうかと思いました。

その後は、いつもの様に参加者全員で懇親会を行いましたが、どちらかというと“アトラクションの興奮冷めやらぬ”といった話がメインになってしまいました。(田中 謙太郎)

照明探偵団倶楽部活動2 /研究会サロン( 渋谷 照明探偵団事務局)報告

000929 第12回照明探偵団倶楽部・研究会サロン

サロン風景
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照りつける太陽や蝉の声がいつの間にか感じられなくなり、気づけばもう秋。4ヶ月のイレギュラーな間隔となりましたが、9月29日に研究会サロンが行われました。参加者は約20名程。当初の予定では面出団長のアフリカ紀行の発表でしたが、より照明に近い話ということノバメでドイツ・ハーッセの様子のビデオリポートになりました。ノバメハーッセは各国を代表する建築家によって設計された展示館が広大な敷地に所狭しと並び、いわば建築デザイン見本市とも言えるものです。すべて見るのに最低3日、好きな人なら1 週間かけて見る人もいるという程スケールが大きい!日本館は坂茂さん設計。紙の筒を構造体として瓢箪を半分に切ったような形態の3次曲面を作り、それを膜で覆ったユニークな展示館です。環境に対する建築的な提案を示しています。TVでも随分紹介されていました。面出団長の他のお勧めは各階ごとに自然や風土を表現したオランダ館でした。各国展示館の他にも伊東豊雄氏やジャン・ヌーベル氏など世界の巨匠も出展。伊東氏からは一定のリズムで動く椅子でリラックスしながら映像によって癒される環境の提案が、ヌーベル氏からは特殊ガラスに投影した映像による展示と、二人の建築家に共通していたテーマが体積のない映像と空間の構成であったのは、興味がつきないところです。

面出団長と参加者の石井君からは、スパイラルで開催されていたレゴ展の報告がありました。毎年開催されているレゴ展ですが、今年は面出団長が参加。LEDを組み込んだレゴや光センサーを駆使した力作でした。無数のレゴによって築きあげられた作品からは石井君他多くのサポーターの努力と汗が伝わってきました。
3つ目には、サロンに先んじて後楽園で行われた街歩きの報告がありました。今どきのお化け屋敷の話やジェットコースターの話は多かったのですが、肝心の光は“うーん”と歯切れが悪い。団長の目にも新鮮な光は映らなかったそうです。フリーフォールにチャレンジした勇気ある参加者からは、頂上に上がったときに見えた東京ドームが、非常に美しかったという情報が。一度に数秒しか楽しめませんが、一度ご賞味あれ!?
ここで、参加者の澤田さんからグループ展の作品の披露がありました。「ほたるん」と名づけられたこの作品は、蛍を追い求めて全国各地を周った取材の過程を可愛らしいイラストと詩的な言葉で巻物に綴ったもので、現在3巻まで完成しているそうです。今回は取材ノートと、この3巻の作品を皆で輪になって鑑賞させていただきました。イラストの味わいや言葉から、澤田さんの豊かな感性がひしひしと感じられ、参加者は、みんな大感激でした。(戸恒 浩人)

パリ・サンマルタン運河の光のプロジェクト

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1996 年に毎月行った照明探偵団連続実践講座、第4回目の「光の中の天使」に、パリ在住のアーティスト・写真家の田原桂一氏をゲストとしてお迎えした。光が街のなかでどう芸術たらしめるかを考えようというテーマで、「光の違いは言語、思考、風景や人も左右する」と考える田原氏にとっての光の天使とは何かをうかがった。そのなかで、自身がパリ市で手がけるパブリックーアートのプロジェクト、サンマルタン運河計画を紹介されたが、長年の交渉の末にこのほどようやく結実したプロジェクトを、今回田原氏自らに案内して頂いた。

パリの中心部を一望できるセーヌ川遊覧はあまりに有名だが、湿った地下水路を抜け苔むしたいくつもの水門を抜けるサンマルタン運河のんびり遊覧ツアーも地味ながらひそかな人気を誇っている。映画「北ホテル」の舞台となったことでも知られるこの情緒溢れる運河は、王政復古時代の1825 年、ナポレオンによって作られ、セーヌ川からバスティーユを通って北に延びる全長4.5キロの歴史の面影と記憶をとどめる佇まいが印象的。

21 歳で渡仏し、「日本の優しい包み込むような光とはあまりに違う強烈な光」と出会って以来「光をつかみとる」ことに憑かれた田原桂一。写真家として出発し、立体、環境をもまきこんだ光を体言化・顕在化するための広範な表現活動を世界各地で続けている。昨年12月にはリヨン市で「光を織る」と題し街を光で覆ってしまうという幻想的なイベントを行って、住民や訪れた人を熱狂させたばかり。バスティーユの船着場から出発する遊覧船「カノラマ」号は(カナルとパノラマを引っ掛けたネーミング)は出航後まもなくひんやりと洞窟のような全長2キロの地下ドームに入る。抜けるのに約9分間かるこの神秘的な闇が、田原氏の光のキャンバス。丸い天井部分に空けられた採光用の窓にプリズムを固定。更に50 台のプリズムを内蔵する人工光源による発光装置をアーチの側壁にうめこみ、それらの光を回折させて、虹色の光の強弱や向きをコントロールする。ミスティックなこの空間に木霊する水の反響音も要素に取り込んだこの音楽的なプロジェクトは「光のエコー」と名づけられる。遊覧船で通過するのに約9分。音響豊かに美しくオーケストレーションされたひとつの楽曲を視覚的に体験する感がある。

「この神聖な場所に色と光を与えたかった。ここをわたる人がそれぞれ個々の追憶に照らし合わせてひと時の心の旅ができるように」と田原が語るように、自然光と彼によってしつらえられた光のブレンドが幻想の世界へと誘う。しかし実のところ、この運河遊覧ツアーのみどころはこの地下水路だけ。「束の間の幻影」を抜けたあとの2時間を越える亀よりのろい運河くだりは退屈極まりない。メトロに乗ればたった15分の距離だというのに。せめてリュックにワインとバゲットでもしのばせて楽しい会話に花を咲かせるか、ぼんやりと空想にふけろう。(葛西 玲子 )

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照明探偵ホームページ編

照明探偵団は屋外でのフィールドワークを大切にしていますが、屋内でも出来て、かつ世界中の照明探偵ができてしまう、インターネットの世界へ照明探偵にでかけてみましょう。今回は、照明探偵団の活動を支えてくださっている協賛メーカーのホームページをいくつか訪問してみました。
まずは調光機のメーカーである、ルートロンのホームページ。日本ではルートロンアスカ株式会社が製品を取り扱っています。残念ながら日本語のホームページがないため全て英語表記ですが、ホームページを訪れた人の職業によって目的のページにすぐに飛べるようにしてあったり、文字や写真が大きくて見やすく、深く入り込んでしまってもカテゴリが常に表示されているので迷子になりにくい構造です。システムレイアウトのデモが自動的に行われたり、調光機のボタンをクリックすることによってシーンの変化を見ることもできます。また、製品の詳細データをPDF ファイルでダウンロードすることもできます。日本語のページが登場すれば、さらに便利なウェブになりそうです。

次に訪れたのは岩崎電気株式会社のホームページ。こちらのページは照明器具や光源についての詳細データはないものの、照明器具やランプの実物の写真や施工された実例の写真を数多く用いていて、都市照明やスポーツ照明、数々の光源などが、一般の方々にもわかりやすい構成になっています。実績紹介のコーナーでは、今回ロンドンレポート(表紙およびP.2 ~)で登場したミレニアムドームをみることもできます。

次に、松下電工株式会社のホームページ。こちらは照明だけでなく、多数の電化製品や制御商品、電材なども扱っているので、幅広い内容のページになっています。ショウルームとくとく情報のコーナーでは、全国各地のショールームを、展示場所や内容について、図や写真を使って詳しく紹介しています。
注目は「On Line Catalogue」のコーナー。「あかりと電気設備」は一般向けとビジネス向けのコーナーに分かれています。一般向けのコーナーでは、住宅のあかりについて、部屋別や丸ごと一軒分などとしておすすめプランが提案されています。また、あかりの基礎知識のコーナーは、用語や照明に関する単位の説明、ランプについてなど、初心者でも理解できるよう、照明の基礎が丁寧に書かれています。その他部屋別、部位別のライティング手法が詳しく紹介されています。ただし、これらのページはAcrobat Readerがないと見ることができませんのでご注意ください。
ビジネスのコーナーでは、プロ向けの照明器具カタログを見ることができ、カテゴリや品名・品番などから検索出来るようになっており、それぞれの詳細スペックが表示され、さらに姿図CAD などのデータをダウンロードすることができます。また、「CAD DATA」コーナーでは照明器具、電設資材のDXF 形式CAD データをダウンロードすることも出来ます。
「照明設計資料」コーナーは、照明のオンライン教科書とも、照明事典、とも言えるほど、情報満載のコーナーです。こちらもAcrobat Reader がないと見ることができませんのでご注意ください。こちらのウェブは内容が多岐に渡り、ページ数も多く情報も盛りだくさんなので、読み進むうちに迷子になってしまいそうなくらい大きなウェブです。今回はメーカーさんの企業ホームページを訪問しましたが、その製品に関することだけでなく、照明についてたくさんの情報を集めることができました。検索エンジンなどで、「照明」、「あかり」、「光」、「夜景」、など照明に関するキーワードでホームページを検索すると、おもしろいページに出会えるかもしれません。

●Lutron(ルートロンアスカ株式会社)
http://www.lutron.com/
●岩崎電気株式会社
http://www.iwasaki.co.jp/
●東芝ライテック株式会社
http://www.tlt.co.jp/tlt/
●小糸工業株式会社
http://www.koito.co.jp/
●三菱レイヨン株式会社
http://www.mrc.co.jp/
●ヤマギワ株式会社
http://www.yamagiwa.co.jp/
●ウシオスペックス株式会社
現在は無し
●山田照明照明株式会社
http://www.yamada-shomei.co.jp/
●マックスレイ株式会社
http://www.maxray.co.jp/
●オーデリック株式会社
http://www.odelic.co.jp/
●ニッポ電機株式会社
http://www.nippo-web.com/
●株式会社エルコ・トートー(ERCO 社)
http://www.erco.com/
●株式会社ウシオユーテック
http://www.ushio-utech.co.jp/
●日本フィリップスリップス株式会社
http://www.philips.co.jp/__
●松下電工株式会社
http://www.mew.co.jp/
●小泉産業株式会社
http://www.koizumi.co.jp/
●株式会社遠藤照明
http://www.endo-lighting.co.jp/
●三菱電機照明株式会社
http://www.lsg.melco.co.jp/mlf/
●大光電機株式会社
http://www.lighting-daiko.co.jp/
●湘南工作販売株式会社
現在は無し
●金門電気株式会社
現在は無し
●ヨシモトポール株式会社
http://www.ypole.co.jp/
●日本電池株式会社
http://www.nippondenchi.co.jp/

こんなページ発見!

インターネット上を照明探偵中、団員をうならせるこんなページを発見しました。
http://seri.sakura.ne.jp/~nawate/index.html

国内外304ヶ所の夜景スポットを「美しさ」「雰囲気」「アクセス」で4 段階評価しており、夜景の写真、詳しい地図、車内から鑑賞できるかどうか、展望台までの徒歩時間、ベンチや電話、自動販売機、WCなどの有無、周辺の治安、GPS情報まで、完璧とも言うべき情報が詰まっています。データは都道府県別になっており、マトリックス状に整理されて大変見やすくレイアウトされています。また、夜景の美しいスカイラインのデータは、料金や営業時間、おすすめドライブコースの紹介など、かゆいところに手が届くデータが満載です。さらに、夜景を撮影する際のノウハウが詳しく書かれていたり、地域別夜景鑑賞ベストタイム、天気予報、日出没時刻など、夜景鑑賞に便利な情報もしっかり網羅されています。「こよなく夜景を愛する人」は必見のホームページと言えるでしょう。(田中 裕美子)

面出の探偵ノート

●第23号 2000年10月05日 木曜日

Hanover Expo 2000 をちょっと覗いて・・・

実は10日ほど前に、私は既に同じ表題の素晴らしい原稿を書き上げていたのです。ストックホルムから成田に向かう帰国便の中。気持ち良く適度に酔いながら、しかもかなり真剣にハノーバー万博の光について論評しました。しかしどういうわけか、書き終わって「よし、ひと寝入りできるぞ!」と思った瞬間に、保存キーでなく悪魔のようなデリートキーを操作したために全てを消去してしまいました。頭の中が真っ白け・・・。そういう経験あるでしょう。間抜けな自分に呆れて物も言えないのですが、機械の冷酷さに呆然とするだけでした。平静を取り戻すに、この私でさえ10分ほど掛かったかな。白くなりっぱなし。私はこのような経験、実は3回目なのです。焦らず直ぐに復帰する処置をとれればすむことも多いのですが、私の場合には駄目でした。まあ、そんな泣き言イントロばかりで詰まらないので前回とは全く事なる内容で、ハノーバー万博をレポートしましょう。やっと書く気
になったのです。

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ドイツのハンブルグに Ulrike Brandi Licht というちょっと面白い照明デザイン事務所があって、数年前にそこの代表者のウルリケさんと、その旦那さんのクリストフさんが私たちの事務所に突然現れました。Tanteidanに興味を持ったと言うのです。その後、彼らの事務所の若い所員がLPAに来たりて、徐々に交流も深まり、[tanteidan.org]というグローバルな Web Siteを一緒に立ち上げるまでになりました。まだ十分な内容ではないのですが、少しずつ出来てますので覗いてみてください。

そんな彼らがハノーバー万博の屋外照明全体計画を担当したと自慢げに言っていた事もあって、9月中旬にハンブルグの事務所を訪問し、半日程だったけれど、万博会場を案内してもらったのです。でも午後に着いて夜の9時までしか会場にいなかったので、つぶさに観た訳ではありません。私は本質的に万博のお祭りがあまり好きでない。何か見ることを強制されてるようで・。万博会場は従来から見本市に使われていた一部と、新たに増設された敷地とがくっついて出来ています。従来の敷地にはアジアを中心とたパビリオンとテーマ展示、新設の敷地にはヨーロッパ諸国が軒を並べる、といった配置です。例のごとくアジア諸国は金も掛けずにチョコマカとした小建築が多い中、やはり話題をさらってる風なのは、建築家・坂茂さんとフライオート共同設計による日本館。入るための行列も一際長いです。紙の管を構造材とて使ったユニークなドーム状のパビリオンで、当然リサイクルを謳ってす。2階レベルより入ると、1階に配置された展示コーナーが紗幕の下に埋もれたように見えて、とてもダイナミックな建築です。光も拡散しながら霞んだ様子で、けっこうな雰囲気でした。残念なのは展示のコーナー内容と展示方法。環境汚染に対する日本の取り組み姿勢などを見せているのですが、う~ん、もう少しクールな見せ方できないのかな、と思います。やはり20 世紀型なのです。

それに比べて、どういうわけかアジアの中に入れられてしまったアイスランド館は建築と展示のシステムが大胆で好きでした。大きな青い立方体の建築です。外皮にはうっすらと水の幕が落ちてきます。明るい屋外から一旦中に入るとひんやりと青く薄暗い室内に、螺旋状の通路があって、登り詰めて降りてくる。外と内とは実に巧妙な青いテフロン幕で仕切られています。外の50,000ルクスの明るさが、室内で300ルクスの青い光に変化する。一枚の幕で、見事に内外の光環境の演出。アイスランドって感じが上手く伝わってくるのも高得点の原因になっています。

その他のアジアはいつもの様子。私の好きなシンガポールだけ、さあ~っと覗きましたが、展示のつまらなさは格別。あんなにスマートな国なのに、どうしてこうなの?とがっかりさせられただけでした。何と言っても私が楽しかったのは伊東豊雄さんのデザインした「健康」というテーマ館。隣のフランスの建築家ジャン・ヌーベルがデザインした「情報」のテーマ館が無機質なだけに、とても体感的で未来を想起させるに十分なインパクトがありました。大体建築雑誌などで見た写真の美しいイメージを持って現物を見ると、多少がっかりすることも多いのですが、この伊東さんの仕事は美しい写真以上の面白さです。オバQのような形をした大きな風船が林立する広い前室を過ぎると、薄暗い体感空間に入ります。100台程のモダンデザインの床屋の椅子のようなものが散りばめられてあり、そこに座って体感する為に、約3分毎に人を入れ替えます。私などはあまりに気持ちがいので、連続して座っていた程です。四周の壁と広い床が映像を映し出す為のスクリーンになっていて、リヤーとフロントのプロジェクションが使われています。椅子は誰のデザインなのでしょう。ドイツのメーカーが開発したものかも知れません。座って脇に点滅するボタンを押すとゆっくりと背が倒れてきて、そのままハンモックにでも捕まったかのように揺れだすのです。ふんふん・・・と思っているうちに、光の効果もあって気持ちが落ち着いてきて、重力を無くしたような感じになりました。椅子の座り心地、揺れ心地の良さと光の演出が見事なのです。壁床の映像シナリオはさすが伊東豊雄さん。お洒落にできていました。天井までスクリーンにできなかったことが、ちょっと残念だったようにも思いますが・・・。

おっと、いけません。このように思うに任せて書いていたら、依頼された原稿の量を当に過ぎているではないですか。この飛行機もうじき南の島に着陸するそうです。未だ万博の報告は半分も済んでいない感じ。この続きは、探偵団ホームページの「面出の探偵日記」に任せましょう。さあさあ、もう終わりにしましょう。終わりだ、終わりだ・。といってシートベルトをいじってモバイルを閉めようとした時に、10 日前の事故は起きたのでした。要注意、要注意。ヨウチュウイ。注意深く保存をかけて、それから終了です。さようなら皆様。それでは、プチッ!!!。001005 JAL725(面出薫)

レゴと建築展

2000年9月20日~28日青山スパイラル

面出団長出展!

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建築家の創造性を広く知ってもらい且つ親しいものに感じてもらうということを目的に、日本建築家協会とレゴアートプロジェクト実行委員会による主催で、「レゴと建築展」が昨年から始まりました。9 月20日から28 日に渡って青山スパイラルにて開催された今年の展覧会には、“ 新世紀の住まい”をテーマに、韓国の建築家5 名を含む建築家やランドスケープ設計者、インダストリアルデザイナーと多岐にわたる出展者から、18の作品が寄せられました。さて建築家の参加が多い中、照明のエキスパートとして参加した面出団長の作品はどのようなものになったのでしょう?参加者それぞれにボランティアの学生が製作面のエキスパートとして数名つき、レゴブロックとの格闘が繰り広げられてきたわけですが、遡ること3ヶ月、面出団長が学生の前に広げたのは1枚のスケッチと数枚のイメージ写真でした。スケッチには、光の軸線が描かれています。その軸線は外部から室内に屈折しながら射し込み、その先で起こる光の現象を示していました。作品のタイトルは「光と戯れる住空間/太陽光とエレクトロ・ルミネッセンス」。この作品についての面出団長はこんな思いで取り組んでいました。

“20世紀末に私たちは「光の過食症」にかりました。腹いっぱい均質な光が幸せの証でした。もうたくさんです。21世紀のすまいには光と戯れるための仕掛けがいっぱい。僅かな光を自分の元気のために工夫します。私たちは太陽を再び敬愛します。太陽の作る光と影に一喜一憂します。そして太陽の隠れた夜には深い闇が支配し、エレクトロ・ルミネッセンスの輝く、点・線・面のみが浮遊します。揺らめく火が復活するかも知れません。”
では、実際に作品にどのように表現されたのでしょう?用意されたのは、強力な投光器1台と数種類のLED(発光ダイオード)でした。レゴブロックは支給されるもの中からホワイト、グレー、ブラックなどの無彩色のものをメインに特徴的なクリアブロックを少々確保しました。ここまでくると他のチームは次々とブロックを組み始めるのですが、面出チームは、その前に色々な光の効果実験が待ち受けていました。まずはじめの難関がレゴブロックでの水槽造りでした。「この水槽に外部から光が差込み、空間に広がる波紋を演出要素とする」というのが狙いでした。この作業が非常に思考錯誤を繰り返しました。その後は、この水槽の防水問題と格闘しながらLEDをとりつけ、なんとか製作期間中に完成までこぎつけました。会場設営では、投光器の位置と光が差し込む窓の位置関係を微妙に調整し、センサーで点灯するLEDの人工的な光とのコントラストが「光のレゴ作品」となりました。普段何気なく自分たちが見ている自然な現象が微妙な関係で成り立っていることを痛感しました。約3ヶ月製作期間のほとんどが実験と試作でしたが、立派に完成できたことはボランティアの学生さんの協力あってのことだと感謝しています。夏休み中にも関わらず、本当にお疲れ様でした。(田中 智香)

照明探偵団日記

ところ変われば品変わる、とよく言いますが、照明に関しても全く同じ事が言えそうです。風土、歴史、文化、経済、目の色の違いなど、各地の照明が異なる要因はいくらでもあります。オランダを旅した時のこと。デンハーグの駅でトイレへ行くと、有料でしかも管理人がいるきちんとしたトイレにも関わらず、その照明は全てカラー蛍光灯で室内は真っ青。まるでどこかのクラブかカフェの洗面所のよう。「さすがデザイン先進国、やるなあ・」と感心しました。その後よく見ていると、駐車場にも青いカラー蛍光灯が多いことに気付き、現地に住む友人にそのことを話すと、驚くべきこんな回答が。「青い照明はドラッグ防止対策。青い光のもとだと血管が見づらく注射を使えないのでトイレや駐車場には青い照明が多い」のだそうです。なんとも衝撃的なその言葉に、オランダに蔓延するドラッグの現状と、あまりに呑気な自分の勘違いに気付かされ、大きなショックを受けました。物事はそれぞれ複雑に関係し合って存在しています。色々な角度から照明探偵すると、様々な事が見えてきます。(田中 裕美子)

投稿規定

照明探偵団通信vol.09 (次号)の原稿を募集しています。独自の照明探偵レポート、光に思う今日の日本、照明について知りたいこと、疑問に思っていることなどなど、テーマは何でも結構です。日頃ひかり、あかりなどについて思っていることや様々なレポートを照明探偵団通信に発表してみませんか。原稿の送付方法は、
●原稿をテキスト形式で保存したフロッピーを送付
●e-mailで送付(メール上記述でも原稿テキストファイル添付でもOK)
●FAXで送付
●郵送で送付
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照明探偵団・事務局
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【照明探偵団の活動は以下の23社にご協賛いただいております。】
ルートロンアスカ株式会社 岩崎電気株式会社 松下電工株式会社 東芝ライテック株式会社 小糸工業株式会社 三菱レイヨン株式会社 ヤマギワ株式会社 株式会社ウシオスペックス 山田照明株式会社 マックスレイ株式会社 オーデリック株式会社 ニッポ電機株式会社 株式会社エルコ・トートー 株式会社ウシオユーテック 日本フィリップス株式会社 小泉産業株式会社 株式会社遠藤照明 三菱電機照明株式会社 大光電機株式会社 湘南工作販売株式会社 金門電気株式会社 ヨシモトポール株式会社 日本電池株式会社 

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