Interviewer: 蒋 坤志
蒋:今日のコーヒーブレイクのテーマは「映画の中の光」についてです。映画の中の光って重要だと思います。例えば、僕が最近観た映画『ゴッドファーザー』では、陰影が人物の心理や状況を深く表現しています。特に、光と影のコントラストが強烈で、緊張感を生み出しているところが印象的でした。
面出:そうですね。暗いシーンが多いけれど、その中で光が人物の心情や環境を象徴的に描いているのが素晴らしい。
蒋:はい、左側からの光で右側が暗くなっている演出が特に印象的です。それがキャラクターの二面性や内面の葛藤を表現しているように感じました。面出さんはどんな映画が好きですか?
面出:私は幅広くいろんなジャンルの映画を観るけれど、特に『ディーバ』のように自然光を美しく使った作品に感動するね。自然光の温かさや柔らかさが、映画全体の雰囲気を決定づけているところが良い。
蒋:それは素敵なシーンですね。光と影のバランスが特に印象深いです。そういえば、台湾映画のエドワード・ヤンの作品も印象的でした。静かな日常の中に光が溶け込んでいる感じがとても良かったです。
面出:台湾の映画は確かに独特な魅力があるよね。特に自然光の使い方が巧みで、人工的な光では表現できない繊細な雰囲気を作り出している。
蒋:『牯嶺街少年殺人事件』は名作ですね。映画の中で光がストーリーの進行やキャラクターの心理を映し出しているところが好きです。面出さんは自分で映画を作りたいと思ったことはありますか?
面出:少し興味はあるけれど、エネルギーがすごく必要だよね。5分から8分くらいの短編映画なら、チャレンジしてみたい気持ちはありますよ。特に、光と影だけで感情を伝えるような作品を作れたら面白そうだな。
蒋:確かに短編映画なら現実的かもしれませんね。光や影をテーマにした映画を作るのは面白そうです。僕はやっぱり観る専門ですが、映画の中からインスパイアされることは多いです。
面出:照明デザイナーとして、映画の光や影から学べることはたくさんあるんだよ。例えば、舞台照明や建築照明と比較して、映画は特に切り取られた画面のディテールにこだわっている。光の質感や影の位置まで細かく計算されているからね。
蒋:そうですね。もし会社内で、みんなが好きな映画の光のワンシーンを選んでプレゼンするようなコンペティションができたら面白いと思います。それぞれの視点で選んだシーンを共有したら、新しい発見がありそうです。
面出:それは良いアイデアだね。それぞれが選んだシーンを5秒間の映像で発表して、その光や影の良さを説明するというのは面白そうだね。ジャン君だったらどんなシーンを選ぶ?
蒋:僕はやっぱり『ゴッドファーザー』の中で、ドン・コルレオーネが暗闇の中で話すシーンを選びます。あの左からの光がキャラクターの威厳や孤独感を際立たせていると感じました。面出さんはどうしますか?
面出:私は小津安二郎とか黒澤明のような白黒時代の日本映画の光と影が懐かしい。しかしやっぱり『ディーバ』かな。あの自然光の美しさ、特に浴室のシーンで窓から柔らかな光が差し込む描写は、言葉にできない美しさがある。
蒋:楽しみですね!これを機に、照明デザインと映画の関係についてもっと深く考える機会になりますね。光と影の世界は無限の可能性がありますから。今日はありがとうございました。